金属系サイディングとは?メリットやデメリット・主要メーカー、費用相場を解説!
2022.01.23
目次
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」の江川です。
みなさん、「金属系サイディング」とは何かご存知でしょうか。
金属系サイディングは、「サイディングボード」と呼ばれる外壁材の一種です。
この記事は、
「サイディングは聞いたことあるけど、金属系サイディングは聞いたことない」
「名前は知ってるけど、どんな外壁なのか知らない」
「新しい外壁材にしようと思っているけど、どの外壁材にするか悩む」
「サイディングボードの種類がいくつかあるらしいけど、見分けがつかない」
「おすすめの外壁材を知りたい」
などといった方に向けてこの記事を書いています。
この記事では、
金属系サイディングとは
金属系サイディングのメリット
金属系サイディングのデメリット
金属系サイディングの主要メーカー
金属系サイディングの費用相場
他の外壁材との比較
について説明していきます。
それでは参ります。
金属系サイディングとは
金属系サイディングとは、金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできた外壁材のことです。
軽量で施工がしやすいことや断熱性があること、衝撃に強いこと、メンテナンスの周期が長いことなどから、近年、窯業系(ようぎょうけい)サイディングに次いで使われるようになっている外壁材です。
【合わせて読みたい記事】
窯業系サイディングとは?メリットやデメリット、お勧めメーカー、費用について解説。
【保存版】サイディングとは?4つの種類やメンテナンス方法、費用について解説!
最近では窯業系サイディングに似て、レンガ風やタイル調のものなどがあり、本物と見分けるのが難しいほど高品質のものが製造、販売され始めています。
金属系サイディングの中で主流なのは「ガルバリウム鋼板」や「アルミニウム合金塗装板」などで、特にガルバリウム鋼板は金属系サイディングの中で最も高いシェア率を誇っています。
金属系サイディングのメリット
ここまで、
・金属系サイディングとは、金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできた外壁材のこと
・窯業系サイディングに次いでよく使われている
ことをご説明してきました。
ここからは、金属系サイディングのメリットについてご説明してまいります。
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金属系サイディングのメリットは大きく分けて以下の六つがあります。
1.断熱性が高い
2.ひび割れしにくい
3.遮音性が高い
4.重量が軽く、耐震性が高い
5.強度が強い
6.目地(コーキング)が劣化しにくい
断熱性が高い
一つ目のメリットは、断熱性が高いことです。
金属遮音性が高いは熱しやすく冷めやすいというイメージを持たれることが多いですが、実は他の外壁材と比べても特に断熱性が高いことがわかっています。
以下の表は、熱伝導率(熱の伝わりやすさ)を表で表したものです。
数が小さいほど熱は伝わりにくくなります。
金属系サイディングは、窯業系サイディングの6倍、ALC外壁の7倍、モルタル壁の50倍断熱効果を持っています。
このことから、金属系サイディングは断熱性が高いというメリットを持っています。
ひび割れしにくい
二つ目のメリットは、ひび割れ(クラック)に強いことです。
窯業系サイディングやモルタル壁などであれば、セメント質と繊維質からできていたり砂とセメントと水からできていることから、衝撃や経年劣化によりひび割れがしやすくなります。
金属系サイディングであれば、吸水や乾燥などの影響を受けにくいため、ひび割れ(クラック)や欠けと言った劣化を起こしにくくなっています。
そのため、メンテナンスの周期も他の外壁材に比べて長いことが特長です。
遮音性が高い
三つ目のメリットは、遮音性が高いことです。
冒頭にも述べたとおり、金属系サイディングは金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできているため、壁の厚みがあり遮音性が高くなります。
また、断熱材のウレタンなどによっても防音効果が高められます。
お家に小さなお子さんがいてご近所への騒音が気になる、という方は金属系サイディングを検討してみても良いかもしれません。
重量が軽く、耐震性が高い
四つ目のメリットは、重量が軽く、耐震性に優れていることです。
金属系サイディングは、「窯業系サイディング」や「ALCパネル」の4分の1から5分の1、モルタル壁の7分の1から10分の1と、他の外壁材に比べて非常に軽いです。
そのため住宅への負担が少なく、地震の際の揺れが小さく住み、建物への被害を小さく抑えることができるのです。
特に「アルミニウム合金塗装板」は金属系サイディングの中で最も軽量な外壁材です。
金属系サイディングは軽量なことから、「カバー工法」にもよく用いられます。
カバー工法とは、既存の外壁材を撤去せずにその上から新しい外壁材を貼り付ける方法です。
強度が強い
五つ目のメリットは、強度が強いことです。
二つ目のメリットであるひび割れ(クラック)を起こしにくいこととも似てきますが、強度が強く、補修の回数も少なくすみます。
以前は凹みやすいというデメリットがありましたが、近年は裏側にしっかりした断熱材が貼り付けられており、主に鉄からできたガルバリウム鋼板が多いので、凹みやすさというデメリットも無くなってきています。
目地(コーキング)が劣化しにくい
六つ目のメリットは、目地(コーキング)が劣化しにくいことです。
窯業系サイディングなどの外壁材で見られるコーキングは他の部分に比べて劣化が早く、メンテナンス周期が短いという特徴があります。
一方で金属系サイディングはコーキングが露出せず隠れていたり、そもそもコーキングが露出していない「嵌合(かんごう)式」のものがあったりするため、コーキングのメンテナンスの手間が省けるのは大きなメリットと言えます。
他の外壁材のコーキングであれば5年〜10年を目安に打ち替えが必要になりますが、金属系サイディングであれば10年以上あるいは全く必要なくなります。
その他にも、施工性の高さ、工事期間の短さ、凍害への強さ、デザイン性の高さなどがメリットとして挙げられます。
金属系サイディングのデメリット
ここまで、
・金属系サイディングとは、金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできた外壁材のこと
・窯業系サイディングに次いでよく使われていること
・メリットとして、断熱性や遮音性・耐震性の高さ、ひび割れのしにくさ、強度の強さ、目地(コーキング)が劣化しにくいこと
をご説明してきました。
ここからは、金属系サイディングのデメリットについてご説明してまいります。
値段が高い
一つ目のデメリットは、値段が高いことです。
サイディングの中でも、窯業系や樹脂系などのサイディングと比較して価格は高くなります。
外壁塗装の費用が1㎡あたり5,000〜10,000円なのに対し、金属系サイディングは商品代でアルミニウム合金が6,000〜8500円、ガリバリウム鋼板で5500〜7,500円と、他の外壁材に比べて高くなっています。
新築を立てるときも、樹脂系サイディングの約1.5倍、窯業系サイディングの約1.3倍かかります。
ただし、長い目で見ると塗装の費用やコーキング補修などの費用が抑えられるため、同じ家にずっと住むのであれば金属系サイディングの方がトータルの費用は安く済みます。
初期費用を安く抑えたい方にはお勧めできませんが、トータルで安く抑えたい方にはお勧めの外壁材です。
また、価格対は他の外壁材に比べて5,000〜12,000円と広くなっているため、安く抑えたい方はその旨を依頼業者に相談してみると対応してもらえるかもしれません。
錆びやすい
二つ目のデメリットは、錆びやすいことです。
金属であるため、水に長い間当たると錆びやすくなっており、錆びる前のメンテナンスが大事になってきます。
特に海沿いの地域では潮風などにより錆びやすくなります。
しかし、近年金属系サイディングが普及している理由は、錆びにくく、また錆が拡大しにくいという点があるためです。
錆びる前に適切なメンテナンスを行うことで、長い間すみ続けることができる外壁材です。
錆びをできるだけ避けたいという方は、ガルバリウム鋼板よりも錆びにくい外壁材のエスジーエル鋼板やアルミニウム合金などを選ぶことをおすすめします。
傷がつきやすい
三つ目のデメリットは傷がつきやすいことです。
金属系サイディングの表面は、刃物や鍵などの、先の鋭いもので引っかけると傷がついてしまいます。
また、傷を放置しておくと美観を損ねることはもちろん、そこからサビが広がる可能性もあります。
そのため、金属系サイディングのおうちにする場合は外壁の近くに物を置かないようにして、傷がついたら業者に依頼して対処してもらうことをお勧めします。
また、極力サビを避けたいという方はステンレスやアルミ、SGL(スーパーガルバリウム)製の金属系サイディングを選ぶことをお勧めします。
施工できる業者が少ない
四つ目のデメリットは金属系サイディングを施工できる業者が少ないことです。
専門性が高い仕事になるため、窯業系サイディングは扱えても金属系サイディングは扱えないという業者もあります。
近年は、金属系サイディングの需要が高まっていることから少しずつ扱える業者も増えてきていますが、それでもまだ少ないです。
そのため、依頼するときは専門の板金工事業者に連絡して、金属系サイディングを扱えるか聞いてみたり、ホームページの施工事例などを見てみたりすることをお勧めします。
窯業系サイディングの主要メーカー3選
ここまで、
・金属系サイディングとは、金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできた外壁材のこと
・窯業系サイディングに次いでよく使われていること
・メリットとして、断熱性や遮音性・耐震性の高さ、ひび割れのしにくさ、強度の強さ、目地(コーキング)が劣化しにくいこと
・デメリットとして、値段の高さ、錆びやすさ、傷のつきやすさ、施工できる業者の少なさがあること
をご説明してきました。
ここからは、金属系サイディングを販売しているメーカーのおすすめ3選をご紹介していきます。
YKK AP
引用元:https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/exterior/alukaveil
一つ目は、「YKK AP」です。
中でも「アルカベール」というアルミ製の外壁材は窯業系サイディングの約1/8という軽さで、耐震性に非常に優れています。
また、最新の技術とデザイナーのコラボにより開発された「クオリティジェット塗装」により、天然石などの風合いも再現しています。
サビの腐食量も少ないため、沿岸地域でのリフォームもお勧めしています。
旭トステム
引用:https://www.asahitostem.co.jp/item/dan/
二つ目は、「旭トステム」です。
特に「Danサイディング」は、耐食性(腐食しにくいこと)に優れた次世代ガルバリウム鋼板(SGL)・スチーム・アルミなどの素材を用いたシリーズです。
モルタル風の「スタッコ」や石積柄の「ティエラ」、レンガ調の「カジュアルブリック」、錆石調の「ソリッドボーダー」など、さまざまなデザインの外壁材を揃えています。
アイジー工業
引用:https://www.igkogyo.co.jp/syohin/detail.html?id=38
三つ目は、「アイジー工業」です。
アイジー工業の金属系サイディング「アイジーサイディング」、中でも「SF-ガルスパンJ」がお勧めの外壁材です。
日経アーキテクチュア「採用したい建材・設備メーカーランキング」で6年連続1位を獲得しているほどの人気ぶりです。
「シンプルモダン」「ナチュラル」「ベーシック」の3つのシリーズがあり、建物のイメージに合わせて幅広く選ぶことができます。
窯業系サイディングの種類・施工別の費用相場
ここまで、
・金属系サイディングとは、金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできた外壁材のこと
・窯業系サイディングに次いでよく使われていること
・メリットとして、断熱性や遮音性・耐震性の高さ、ひび割れのしにくさ、強度の強さ、目地(コーキング)が劣化しにくいこと
・デメリットとして、値段の高さ、錆びやすさ、傷のつきやすさ、施工できる業者の少なさがあること
・お勧めのメーカーとして、YKK APの「アルカベール」、旭トステムの「Danサイディング」、アイジー工業の「SF-ガルスパンJ」があること
をご説明してきました。
ここからは、金属系サイディングの費用相場についてご説明してまいります。
金属系サイディングには種類があり、素材によって4つに分けられます。
・ガルバリウム鋼板
・塗装溶融亜鉛めっき鋼板
・アルミニウム合金塗装板
・ステンレス鋼板
この中でも特に主流なのが、「ガルバリウム鋼板」と「アルミニウム合金塗装板」です。
ここでは、「ガルバリウム鋼板」と「アルミニウム合金塗装板」の簡単な説明と費用相場をご説明していきます。
また、金属系サイディングを設置する工事方法は、大きく分けて重ね貼り(カバー工法)と張り替えの2つがあります。
重ね貼りと張り替えそれぞれの費用相場も加えて説明していきます。
ガルバリウム鋼板
一つ目は、ガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム降板はアルミニウムと亜鉛合金のメッキ鋼板で、サビに強いという特長を持っています。
また耐久性にも優れており、金属系サイディングの中でも比較的安価で導入できる素材となっています。
また、メリットとして、窯業系サイディングと比較して外壁のつなぎ目となる目地(コーキング)部分が少ないため水が内部に入りにくく、雨漏りの発生を防いでくれます。
耐用年数
およそ20年〜25年
費用相場
およそ5,500〜7,500円/㎡
アルミニウム合金塗装板
二つ目は、アルミニウム合金塗装板です。
アルミニウム合金塗装板は、アルミニウム鋼板に塗装が施された外壁材のことを指します。
ガルバリウム鋼板が普及する前は、金属系サイディングの中でも主流の外壁材となっていました。
その後、価格の安いガルバリウム鋼板が普及し始め、シェア率は減少傾向になってきています。
しかし、最近ではガルバリウム鋼板よりも耐久性やメンテナンス性に優れた商品が発売されており、ワンランクグレードが高い金属系サイディングとして注目されています。
ガルバリウム鋼板よりもさらに軽いため、耐震性に非常に優れており、耐久性、メンテナンス性ともにガルバリウム鋼板よりも優れています。
耐用年数
およそ30年
費用相場
およそ6,000〜8,500円/㎡
重ね貼り(カバー工法)
重ね貼り(カバー工法)とは、既存の外壁材を撤去せずにその上から新しい外壁材を貼り付ける方法です。
二つ目に紹介する張り替えとは異なり、既存の古い外壁材を撤去する費用がかからないため、安くで抑えることができます。
また、外壁が二重になることで遮音性や断熱性を高めることができるのも特徴になります。
費用相場としては、一般的な30坪のお家で120万円〜255万円前後くらいになります。
施工単価は2,500〜3,250円/㎡、材料費はおよそ3,000〜9,000円くらいになります。
金属系サイディングは軽量であるため、カバー工法に向いている外壁材になります。
そのため、金属系サイディングにしたいけど費用を安く抑えたいという方は、カバー工法を検討してみても良いかもしれません。
合わせて読みたい記事:【保存版】サイディングとは?4つの種類やメンテナンス方法、費用について解説!
張り替え
張り替えとは、重ね貼り(カバー工法)と違い、既存の古い外壁材を取り外して撤去した上で、新しい外壁材を取り付ける方法です。
費用としては、140万円〜270万円前後くらいします。
施工単価は既存の外壁材の撤去費込みで2,650〜4,000円/㎡、材料費は約3,000〜9,000円/㎡くらいになります。
他の種類のサイディングとの比較
ここまで、
・金属系サイディングとは、金属板と断熱効果のあるウレタンなどの板によってできた外壁材のこと
・窯業系サイディングに次いでよく使われていること
・メリットとして、断熱性や遮音性・耐震性の高さ、ひび割れのしにくさ、強度の強さ、目地(コーキング)が劣化しにくいこと
・デメリットとして、値段の高さ、錆びやすさ、傷のつきやすさ、施工できる業者の少なさがあること
・お勧めのメーカーとして、YKK APの「アルカベール」、旭トステムの「Danサイディング」、アイジー工業の「SF-ガルスパンJ」があること
・費用相場はカバー工法で120〜255万円、張り替えで140~270万円であること
をご説明してきました。
ここからは、その他の外壁材との比較を説明します。
外壁材は金属系サイディングの他に、
・窯業系サイディング
・樹脂系サイディング
・木質系サイディング
の3つがあります。
窯業系サイディング
一つ目は、窯業系のサイディングボードです。
一般的には、サイディングボードといえば窯業系サイディングボードのことを指します。
なぜなら、窯業系サイディングはサイディングボード全体の7割を占めているからです。
普及した大きな理由としては、ストーン調や木目調、レンガ調、ボーダー柄、タイル柄などのさまざまなデザインを有していることが挙げられます。
詳しく知りたい方はこちら:窯業系サイディングとは?メリットやデメリット、お勧めメーカー、費用について解説。
樹脂系サイディング
3つ目は、樹脂系サイディングです。
樹脂系サイディングの一番の特徴は、非常に優れた耐久性と非常に長い耐用年数です。
長い間お家に住みたいという方にはオススメの外壁材です。
耐久性、耐候性、耐冷害性、対塩害性に優れているメリットがある一方で、扱える業者が少なく、遮音性に劣るデメリットがあります。
木質系サイディング
木質系サイディングの特徴は、無垢材(むくざい:丸太から切り出した自然な状態のままの木材)を使用したログハウスのようなデザインになることです。
温かみのあるデザインや社員性の高さ、熱の吸収のしにくさというメリットや、劣化のしやすさ、費用の高さ、扱える業者の少なさといったデメリットがあります。
4つの主な比較は下の表のようになります。
合わせて読みたい記事:【保存版】サイディングとは?4つの種類やメンテナンス方法、費用について解説!
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
金属系サイディングとは
金属系サイディングのメリット
金属系サイディングのデメリット
金属系サイディングの主要メーカー
金属系サイディングの費用相場
他の外壁材との比較
について説明してきました。
外壁の種類について少しでも知識をつけて、後悔のない外壁塗装や外壁選択、人生プランになることをお祈りしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。