窯業系サイディングとは?メリットやデメリット、お勧めメーカー、費用について解説。
2022.01.20
Contents
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」の江川です。
みなさん、「窯業系(ようぎょうけい)サイディング」とは何かご存知でしょうか。
これは、「サイディングボード」という外壁材の中の一種で、日本でも7割以上のシェア率を誇る外壁材です。
「サイディングは聞いたことあるけど、窯業系(ようぎょうけい)サイディングは聞いたことない」
「名前は知ってるけど、どんな外壁なのか知らない」
「新しい外壁材にしようと思っているけど、どの外壁材にするか悩む」
「おすすめの外壁材を知りたい」
などといった方に向けてこの記事を書いています。
この記事では、
窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは
窯業系(ようぎょうけい)サイディングのメリット・デメリット
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの主要メーカー
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの費用相場
他の外壁材との比較
について説明していきます。
それでは参ります。
窯業系サイディングとは
窯業系サイディングとは、セメントに木質の繊維質を混ぜ、板状に形成した外壁材のことを指します。
「窯業系」という名前は、製造過程で釜の中で高熱処理をされることに由来しています。
窯業系サイディングの特徴としては、機能性やデザイン性に優れていること、デザインのバリエーションが豊富であることが挙げられ、日本で使われるサイディングボードの約7割以上のシェア率を誇っています。
普及した理由には、ストーン調や木目調、レンガ調、ボーダー柄、タイル柄などのさまざまなデザインを有していることがあります。
しかし劣化しやすい素材であるため、こまめなメンテナンスや塗装が必要となります。
窯業系サイディングのメリット・デメリット
ここまで、
・窯業系サイディングとは、セメントに木質の繊維質を混ぜ板状に形成した外壁材のこと
・日本で7割以上のシェアを誇っている
ことをご説明してきました。
ここからは、窯業系サイディングのメリットやデメリットについてご説明してまいります。
メリット①:色やデザインのバリエーションが多い
窯業系サイディングの1番のメリットは、色や柄のバリエーションが多く、デザインの自由度が高いことが挙げられます。
木目調やストーン調、ボーダー柄、タイル柄、レンガ調など、色や柄のバリエーションが多いことで、家をきれいに見せたい方や落ち着いた感じが良い方、珍しい模様が良い方など、さまざまなお客様の要望に応えることができます。
また、和風や洋風、モダンなど様々なテイストで選ぶことができるため、人気の外壁材となっています。
これらの理由から、日本で使われているサイディングボードの7割近くのシェア率を占めています。
メリット②:コスパがいい(初期費用が安く済む)
2つ目のメリットとして、他の外壁材と比べて安価で工期が短いことから、初期費用が安くで済むこと、コスパが良いことが挙げられます。
平均的な30坪の住宅の場合、150万円〜250万円でリフォームを行うことが可能です。
コスパが良い理由として、サイディングボードが工場で大量生産されていること、施工が簡単であること、人件費が抑えられることが挙げられます。
メリット③:耐火性に優れている
メリットの3つ目は、耐火性に優れていることです。
その耐火性の強さから、防火外壁材と呼ばれるほどで、国土交通大臣認定の不燃材料になっています。
住宅が火に対してどの程度強いかを示す「耐火等級」で、3等級(45分耐火)から4等級(60分耐火)に対応しています。
メリット④:施工期間が短く済む
4つ目のメリットは、施工期間が短く済むことです。
上でも簡単に述べましたが、サイディングボードはメーカーで生産され、それを外壁の大きさにカットして貼り付けていく施工方法です。
そのため、モルタル壁などの手作業で塗っていく壁と比べて、職人の技術力に左右されず、施工期間が短く済みます。
天気によっても左右しますが、張り替え工事なら約10日〜18日、カバー工法なら1週間〜2週間で完成します。
張り替え工事とは既存の外壁材を撤去して新しい外壁材を貼り付ける工事のことで、
カバー工法とは既存の外壁材の上から新しい外壁材を貼り付ける工法のことです。
ただし、窯業系サイディングは他の外壁材に比べて重く、建物に負担をかけてしまうため、カバー工法はあまりオススメしません。
予算の関係などでどうしてもカバー工法にしたい場合は、重量の軽い金属系サイディングを使用するのが一般的です。
デメリット①:メンテナンスの頻度が多い
デメリットの一つ目は、こまめなメンテナンスや塗装が必要である点です。
先ほど、導入コストが安いことをメリットとして説明しましたが、その分メンテナンス周期は短く、およそ10年〜15年に1度の塗り替えを行う必要があります。
劣化を放置したままにしていくとクラック(ひび割れ)や塗膜の剥がれ、さらには雨漏りなどにつながる危険性があります。
また、外壁とは別に外壁と外壁の間の目地であるコーキング(シーリング)も5年から10年前後の頻度で新しく充填する必要があります。
このように、初期費用が安い分維持費用がかかってしまうことがデメリットとして挙げられます。
近年では、超高耐候塗料を塗布することでメンテナンスの頻度を少なく抑えられる窯業系サイディングボードが製造されていたり、シーリングを用いないシーリングレス加工を行なった製品が販売されていたりしています。
そのため、これらのデメリットが気になる方は、少し費用は高くなりますが、これらのデメリットに対策を施した製品を選ぶことをオススメします。
デメリット②:熱を蓄積しやすい
2つ目のデメリットは、窯業系サイディングボードは熱を蓄積しやすいことです。
窯業系サイディングの原料であるセメントは熱を吸収しやすい性質を有しているため、室温が高くなりやすくなります。
特に夏場などであれば、 外壁が熱を有すると室内の気温まで上がってしまう事から、エアコンの使用頻度が増えて電気代が高くなる可能性もあります。
そのため、窯業系サイディングボードにしたい方は、遮熱効果や断熱効果の機能を持つ塗料を塗装することをオススメします。
デメリット③:吸水性が高い
3つ目のデメリットは、吸水性が高いことです。
そのため、塗料の選定を慎重にしないと水が内部に侵入しやすくなってしまい、変形やひび割れを引き起こす危険性があります。
また、時間が経つにつれ表面の塗装も劣化するため、10年くらいに1度の定期的なメンテナンスが必要となります。
デメリット④:素材自体に防水性がない
4つ目のデメリットは、外壁材自体に防水性がないことです。
窯業系サイディングはセメントに木質の繊維質を混ぜてできていますが、セメントには基本的に防水機能がありません。
そのため、塗装をすることで防水機能をカバーしています。
窯業系サイディングに限った話ではありませんが、塗膜が劣化して防水機能が低下してしまうと雨漏りの原因になります。
そのため、劣化の程度が軽いうちに塗装を行う必要があります。
こまめにチェックしておくようにしましょう。
窯業系サイディングの主要メーカー3選
ここまで、
・窯業系サイディングとは、セメントに木質の繊維質を混ぜ板状に形成した外壁材のこと
・日本で7割以上のシェアを誇っていること
・メリットとして色・デザインのバリエーションの多さ、コスパの良さ、耐火性、施工期間の短さがあること
・デメリットとしてメンテナンスの頻度の多さ、熱の蓄積性、吸水性があること
をご説明してきました。
ここからは、窯業系サイディングを販売しているメーカーのおすすめ3選をご紹介していきます。
ニチハ
引用元:https://www.nichiha.co.jp/products/linenap/exce/
一つ目は、「ニチハ」です。
ニチハが販売している窯業系サイディングには、レンガ調や木目調など、さまざまな種類のデザイン商品があります。
色褪せに強く、防汚性が高いことが特長で、雨水と一緒に汚れを洗い落とすことができる「マイクロガード」機能や、塗膜の変色・褪色の30年保証に対応した「プラチナコート30」という塗料を塗ってある「プレミアムシリーズ」などがあります。
人気の商品として、Fu-ge(フュージェ)、モエンエクセラードなどがあります。
ケイミュー
引用:https://www.kmew.co.jp/shouhin/siding/
二つ目は、「ケイミュー」です。
ケイミューの製品は、光触媒機能を有しており、日光によって汚れを分解し、親水性の高さから汚れを雨水と一緒に洗い流してくれることで人気があります。
デザインも、石積柄や木目柄、レンガ柄などの中から選ぶことができます。
人気の商品として、「光セラ」や「レジュール」などが挙げられます。
旭トステム
引用:https://www.asahitostem.co.jp/item/atwall/lineup.php?serid=2
三つ目は、「旭トステム」です。
旭トステムの製品は、石積柄や木目柄を始めとした、高級感のあるラインナップが特徴です。
また、商品の中にはシーリングがないものや防汚性の高いものもあります。
国土交通大臣によって認可された不燃材料でもあるため、防火性もかなり優れています。
人気商品として、「AT-WALL」シリーズなどが挙げられます。
窯業系サイディングの費用相場
ここまで、
・窯業系サイディングとは、セメントに木質の繊維質を混ぜ板状に形成した外壁材のこと
・日本で7割以上のシェアを誇っていること
・メリットとして色・デザインのバリエーションの多さ、コスパの良さ、耐火性、施工期間の短さがあること
・デメリットとしてメンテナンスの頻度の多さ、熱の蓄積性、吸水性があること
・人気メーカーとして、ニチハ、ケイミュー、旭トステムがあること
をご説明してきました。
ここからは、窯業系サイディングの費用相場についてご説明してまいります。
窯業系サイディングを設置する工事方法は、大きく分けて重ね貼り(カバー工法)と張り替えの2つがあります。
以下、それぞれの費用についてご説明します。
重ね貼り(カバー工法)
重ね貼り(カバー工法)とは、既存の外壁材を撤去せずにその上から新しい外壁材を貼り付ける方法です。
二つ目に紹介する張り替えとは異なり、既存の古い外壁材を撤去する費用がかからないため、安くで抑えることができます。
また、外壁が二重になることで遮音性や断熱性を高めることができるのも特徴になります。
費用相場としては、一般的な30坪のお家で150万円前後くらいになります。
施工単価は2,500〜3,300円/㎡、材料費はおよそ4,000〜5,000円くらいになります。
ただし、窯業系サイディングは重ね貼りにはあまり向いていません。
というのも、窯業系サイディングはサイディングボードの中では重量が重く、重ね貼りをすると負荷が増えて地震の際に揺れが大きくなり、耐震性が劣る可能性があるためです。
以上のことを踏まえると、窯業系サイディングに重ね貼り(カバー工法)はお勧めしません。
どうしても窯業系サイディングにしたい場合は、張り替えを行うことをお勧めします。
合わせて読みたい記事:【保存版】サイディングとは?4つの種類やメンテナンス方法、費用について解説!
張り替え
張り替えとは、重ね貼り(カバー工法)と違い、既存の古い外壁材を取り外して撤去した上で、新しい外壁材を取り付ける方法です。
費用としては、180万円〜210万円前後くらいします。
施工単価は1,900〜3,000円/㎡、材料費は約4,000〜5,000円/㎡、既存の壁の撤去費は約800円〜1000円/㎡くらいになります。
撤去費用がかかる分、重ね貼りよりも高額になってしまいますが、耐震性の点を考えると張り替えの方が安全です。
他の種類のサイディングとの比較
ここまで、
・窯業系サイディングとは、セメントに木質の繊維質を混ぜ板状に形成した外壁材のこと
・日本で7割以上のシェアを誇っていること
・メリットとして色・デザインのバリエーションの多さ、コスパの良さ、耐火性、施工期間の短さがあること
・デメリットとしてメンテナンスの頻度の多さ、熱の蓄積性、吸水性があること
・人気メーカーとして、ニチハ、ケイミュー、旭トステムがあること
・費用相場は、重ね貼り(カバー工法)が約150万円、張り替えが約180万円〜210万円であること
をご説明してきました。
ここからは、その他の外壁材との比較を説明します。
外壁材は窯業系の他に、
・金属系サイディング
・樹脂系サイディング
・木質系サイディング
の3つがあります。
金属系サイディング
1つ目は、金属系サイディングボードです。
金属系サイディングボードはその名の通り金属を原材料としたボードで、モダンなデザインにできることが特徴として挙げられます。
断熱性や耐久性が高く、重量が軽いというメリットがある反面、衝撃に弱く、錆びやすいというデメリットがあります。
樹脂系サイディング
2つ目は、樹脂系サイディングです。
樹脂系サイディングの一番の特徴は、非常に優れた耐久性と非常に長い耐用年数です。
長い間お家に住みたいという方にはオススメの外壁材です。
耐久性、耐候性、耐冷害性、対塩害性に優れているメリットがある一方で、扱える業者が少なく、遮音性に劣るデメリットがあります。
木質系サイディング
3つ目は、木質系サイディングです。
木質系サイディングの特徴は、無垢材(むくざい:丸太から切り出した自然な状態のままの木材)を使用したログハウスのようなデザインになることです。
温かみのあるデザインや社員性の高さ、熱の吸収のしにくさというメリットや、劣化のしやすさ、費用の高さ、扱える業者の少なさといったデメリットがあります。
4つの主な比較は下の表のようになります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは
窯業系(ようぎょうけい)サイディングのメリット・デメリット
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの主要メーカー
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの費用相場
他の外壁材との比較
について説明してきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。