【保存版】サイディングとは?4つの種類やメンテナンス方法、費用について解説!
2022.01.09
Contents
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁・屋根塗装専門店「サニー建設商事」の江川です。
みなさん、サイディングボードとは何かご存知でしょうか。
もしかすると、
「名前は聞いたことがある」
という方や
「どんな種類があるのかは分からない」
「自分の家はどの種類のサイディングボードなのか分からない」
などの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、
サイディングボードとは何か
サイディングボードの種類と特徴
サイディングボードの劣化症状
メンテナンスの費用相場
について説明していきます。
それでは参ります。
サイディングボードとは
サイディングボードとは、家の外壁用のパネル型外壁材のことを指します。
職人が手作業で塗っていくモルタル外壁とは違い、工場でサイディングボードを作り、それを外壁に貼り合わせて作ります。
そのため、モルタル外壁よりも工期が短く済む、という特徴があります。
昭和50年代ごろからよく用いられるようになり、近年では従来のモルタル外壁に代わって主流の外壁材となっています。
サイディングボードの種類と特徴
ここまで、
・サイディングボードは工場で作ったものを外壁に貼り合わせて作る外壁材であること
を説明してきました。
ここからは、サイディングボードのメリットやデメリット、種類ごとの特徴について説明していきます。
まずは、サイディングボード全体のメリットとデメリットについて簡単にまとめました。
以下の表をご覧ください。
メリットとしては、
・コストが安い
・デザインのバリエーションが豊富
・施工しやすく工期が短い
・耐火性に優れている
・耐久性に優れている
・品質が安定している
などが挙げられます。
デメリットとしては
・熱を吸収しやすい
・シーリングが劣化しやすい
・オリジナル感を出しやすい
・劣化すると補修がしづらい場合がある
などがあります。
ここから、
サイディングボードの種類とそれぞれの特徴について説明していきます。
サイディングボードは、大きく窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4種類に分けられ、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。
下の表は、サイディングの種類ごとの費用や耐用年数、メリット、デメリットについてまとめたものになります。
ここからは、それぞれの種類について詳しく説明していきます。
窯業系サイディング
一つ目は、窯業系のサイディングボードです。
一般的には、サイディングボードといえば窯業系サイディングボードのことを指します。
なぜなら、窯業系サイディングはサイディングボード全体の7割を占めているからです。
普及した大きな理由としては、ストーン調や木目調、レンガ調、ボーダー柄、タイル柄などのさまざまなデザインを有していることが挙げられます。
原材料
主な原材料としては、セメントに木質繊維を混ぜ合わせたものになります。
費用相場
費用相場は、およそ3,500円〜6,000円くらいになります。
耐用年数
耐用年数は、約8〜10年くらいになります。
メリット
1.色や柄のバリエーションが多い
窯業系サイディングの1番のメリットは、色や柄のバリエーションが多いことが挙げられます。
木目調やストーン調、ボーダー柄、タイル柄、レンガ調など、色や柄のバリエーションが多いことで、家をきれいに見せたい方や落ち着いた感じが良い方、珍しい模様が良い方など、さまざまなお客様の要望に応えられるため、サイディングボードの7割近くを占めています。
2.コスパが良い
2つ目のメリットとして、他の外壁材と比べて安価で工期が短いことから、施工費が安いため、導入コストが安くで済むことが挙げられます。
そのほかにも、防火性や遮音性に優れいてることもメリットとして挙げられます。
デメリット
1.吸水性が高い
窯業系サイディングボードのデメリットとして1番に挙げられるのは、吸水性が高いことです。
そのため、塗料の選定を慎重にしないと水が内部に侵入しやすくなってしまい、変形やひび割れを引き起こす危険性があります。
また、時間が経つにつれ表面の塗装も劣化するため、10年くらいに1度の定期的なメンテナンスが必要となります。
2.メンテナンスの頻度が高い
先ほど、導入コストが安いことをメリットとして説明しましたが、その分メンテナンス周期は短いため、ランニングコストがかかってしまうことがデメリットとして挙げられます。
そのほかにも、熱を吸収しやすいこともデメリットとして働きます。
近年では、超高耐候塗料を塗布することでメンテナンスの頻度を少なく抑えられる窯業系サイディングボードが製造されていたり、シーリングを用いないシーリングレス加工を行なった製品が販売されていたりしています。
そのため、これらのデメリットが気になる方は、少し費用は高くなりますが、メンテナンスの期間を長くしたい方はこれらのデメリットに対策を施した製品を選ぶことをオススメします。
詳しく知りたい方はこちら:窯業系サイディングとは?メリットやデメリット、お勧めメーカー、費用について解説。
金属系サイディング
二つ目は、金属系サイディングボードです。
金属系サイディングボードはその名の通り金属を原材料としたボードで、モダンなデザインにできることが特徴として挙げられます。
原材料
原材料としては、溶融(ようゆう)亜鉛メッキ鋼板や、ガルバリウム鋼板、アルミニウム合金、ステンレス鋼板などが挙げられます。
費用相場
費用相場は、およそ4,000円〜6,000円くらいになります。
耐用年数
耐用年数は、約10〜15年くらいになります。
メリット
1.断熱性・耐久性が高い
金属系サイディングの最大のメリットとしては、断熱性・耐久性が高いことが挙げられます。
断熱性とはすなわち、外の気温の影響を受けないため、室内の気温を一定に保つことができるということになります。
室内の気温を一定に保つことができるため、寒冷地に向いており、凍害にも強い材質です。
凍害とは、コンクリート中の水分の凍結膨張によって発生するものであり、長年にわたる凍結と融解の繰り返しによってコンクリートが徐々に劣化する現象のことを言います。
2.重さが軽い
金属はイメージから重いと思われやすいですが、実はとても軽い材質です。
そのため、カバー工法(既存の外壁材の上に新しい外壁材を貼り付ける工法)にも向いています。
デメリット
金属系サイディングの最大のデメリットは、衝撃に弱いこと、サビができやすいことです。
例えば、硬いボールが当たって変形してしまったり、雨によって徐々にサビがついてしまう危険性があります。
また、沿岸近くに立っている家だと塩害の被害を受けやすくなることも注意すべきポイントです。
詳しくはこちら:金属系サイディングとは?メリットやデメリット・主要メーカー、費用相場を解説!
樹脂系サイディング
3つ目は、樹脂系サイディングです。
樹脂系サイディングの一番の特徴は、非常に優れた耐久性と非常に長い耐用年数です。
長い間お家に住みたいという方にはオススメの外壁材です。
主な原材料
塩化ビニル樹脂を使っています。
費用相場
およそ7,000〜9,000円/㎡になります。
耐用年数
約10年〜20年になります。
メリット
1.耐久性、耐候性、耐冷害性、対塩害性に優れている
樹脂系サイディングの一番のメリットは、先ほども述べた通り優れた耐久性、耐候性、耐冷害性、対塩害性になります。
また、シーリングがないことからシーリング補修の必要がないため、メンテナンスの頻度が少なく済みます。
長い目で見てコストを安く抑えたいという方にオススメの外壁材です。
また、窯業系サイディングのおよそ10分の1の軽さであることから、施工のしやすさ、家への負担の軽減などもメリットになります。
デメリット
樹脂系サイディングの一番のデメリットは、日本でシェアが2%程度であることから扱える業者が少ないことです。
樹脂系サイディングは、元々アメリカやカナダといった自然環境の変化が厳しい地域に合わせて作られた外壁材です。
そのため日本での歴史はまだ浅く、日本の気候条件に合っているかどうか情報がまだ足りないことや、デザインやカラーバリエーションが豊富でないことがデメリットとして挙げられます。
また、全体的に軽く薄く設計されていることから、遮音性が他のものに劣ることもデメリットとして挙げられます。
詳しく知りたい方はこちら:樹脂系サイディングとは?佐賀市の人におすすめ?おすすめメーカーについて解説!
木質系サイディング
木質系サイディングの特徴は、無垢材(むくざい:丸太から切り出した自然な状態のままの木材)を使用したログハウスのようなデザインになることです。
主な原材料
天然の木材
費用相場
およそ6,000~8,000円/㎡になります。
耐用年数
約7〜10年になります。
メリット
1.温かみのあるデザイン
木質系サイディングの最大のメリットは、無垢材(むくざい:丸太から切り出した自然な状態のままの木材)を使っているからこその自然で高級感があり、温かみのあるデザインです。
また、淡い色を選べば爽やかで清潔なイメージ、濃い色を選べばシックでエレガントなイメージなど、色合いによって仕上がりのイメージを変えられるのもメリットとして挙げられます。
2.断熱性が高く、熱を吸収しにくい
機能性の点で言うと、断熱性が高く、熱を吸収しにくい点がメリットとして挙げられます。
例えば金属系サイディングの場合だと冷暖房をつけても夏は暑く、冬は寒くなってしまいがちですが、木質系サイディングであれば外壁の温度が室内に直接伝わるのを防いでくれ、夏や冬も快適に過ごすことができます。
デメリット
1.劣化しやすい
木質系サイディングの最大のデメリットは、劣化しやすいことです。
窯業系サイディングや金属系サイディングと比べると、経年劣化の影響を受けやすくなっています。
木製であることから水や火に弱く、他の外壁材に比べてメンテナンスの頻度が多くなってしまう上に、防火性も劣ってしまいます。
2.費用が高い
費用の点で見ても、他の外壁材よりも2割程度高くなってしまいます。
その分高級感のある雰囲気にはなりますが、導入コスト、メンテナンスコストともに高いため、費用を安く抑えたい方にはあまりオススメできません。
3.施行できる業者が少ない
取り扱いが難しく高い技術力を求められることから、施工を行える業者が限られているのもデメリットとして挙げられます。
そのため、木質系サイディングのお家がいいという方は、木質系サイディングの施工実績があるか確認したり、口コミを参考にしたりなど、業者選びを慎重に行うことをオススメします。
サイディングボードの劣化症状
ここまで、
・サイディングボードは工場で作ったものを外壁に貼り合わせて作る外壁材であること
・サイディングボードには窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4種類あること
を説明してきました。
ここからは、サイディングボードの主な劣化症状を7つ紹介していきます。
色あせ
1つ目は、色褪せ(いろあせ)です。
ここにあげる6つの劣化症状の中では、最も程度の軽いものになります。
劣化の内容としてはその名の通り、塗装をした時の色よりも色褪せて見える劣化症状のことを指します。
色褪せが見られるということは塗膜が劣化してきているという意味になり、放置しているとさらにひどい劣化症状を引き起こす危険性があります。
色褪せ程度の劣化症状であれば、塗装だけで十分対応することが可能ですが、劣化がひどくなるとサイディングボードの張り替えなど、塗装だけでは対応しきれなくなってしまう可能性があります。
メンテナンス費用が高額になる前に、色褪せの段階で塗装を検討されることをオススメします。
チョーキング現象
2つ目は、チョーキングです。
チョーキングとは、外壁を触ると手に白い粉がつく現象のことを言います。
チョーキングは、外壁の塗膜が紫外線によって劣化した結果、顔料が外壁材の表面に浮き出てくることで生じます。
チョーキングが発生していると、塗装の時期であると言えるため、一度業者の人に外壁診断を依頼することをオススメします。
塗膜の剥がれ
3つ目は、塗膜の剥がれです。
塗膜の剥がれは、チョーキングの劣化を放置したりサイディングボードに雨水が染み込んだりすることで塗膜が剥がれる劣化症状のことを指します。
塗膜が剥がれた部分は外壁の保護機能がかなり弱くなっているため、放置していると雨水が侵入することで建築材そのものが劣化してしまいます。
この劣化症状が見られた場合は、建物内部にまで劣化が広がってメンテナンス費用が高額になってしまう前に、塗装を行うことをオススメします。
サイディングの反り(そり)・浮き
4つ目は、サイディングの反り(そり)・浮きです
経年劣化によって、雨水の吸収と乾燥を繰り返すことでボードが反ったり浮いたりしてしまう現象のことを言います。
反りや浮きが生じる仕組みとしては、太陽に当たる面から乾いてしまうためです。
軽度の反りや浮きであればビスを打ちこんで修繕することが可能ですが、程度がひどい場合は一部張り替えが必要になります。
張り替えをする場合はビスを打ちこんで対応する場合に比べて費用がかなりかかってしまいます。
そうなる前に、塗装を検討されることを強くオススメします。
ひび割れ・欠け
5つ目は、ひび割れ・欠けです。
これは、外壁のサイディング材がひび割れたり一部欠けてしまったりする劣化症状のことを言います。
ひび割れや欠けが起こる仕組みとしてはサイディングの反り(そり)・浮きとほとんど同じで、雨水の吸収と乾燥を繰り返すことで歪みが生じ、ひび割れや欠けが起こってしまいます。
ひび割れや欠けは、サイディングを固定している釘周りや窓サッシ周りなどで特に起こりやすくなっています。
ひび割れや欠けを放置したままにしていると、その隙間から雨水が侵入して雨漏りの原因になってしまいます。
ひび割れや欠けが起こった場合は、コーキングで隙間を埋めて塗装することで解消いたします。
コケ・カビ・藻
6つ目は、苔やカビ・藻の発生です。
原因は、塗膜が劣化して外壁が水を含むようになりやすくなることで外壁の湿気が高くなり、その環境を好む苔やカビの胞子が繁殖することです。
特に日当たりが悪い北面や、近くに川や田んぼがあって湿気が多い環境などで苔やカビは発生しやすくなります。
この症状が起こった時は、高圧洗浄で落とせる苔やカビを落とし、綺麗にしてから3回塗りを行うことで解消します。
目地(コーキング)の劣化
7つ目は、目地(コーキング)の劣化です。
コーキングとは、外壁材と外壁材の間にあるゴム状の目地のことを指します。
通常は触ると弾力があり、地震などの衝撃を吸収する緩衝材の役割を果たしてくれます。
しかし劣化をすると硬化したり外壁材との間に隙間が開いたりして、緩衝材の役割を果たさなくなってしまいます。
隙間が開くと、その隙間から雨水が侵入して雨漏りの原因になってしまいます。
そのため、コーキングの劣化が見られた場合は古いコーキングを取り除き、新しいコーキングを打ち込みます。
雨漏りにつながる前に、早めの塗装を行うことをオススメします。
メンテナンスの費用相場
ここまで、
・サイディングボードは工場で作ったものを外壁に貼り合わせて作る外壁材であること
・サイディングボードには窯業系、金属系、樹脂系、木質系の4種類あること
・サイディングの劣化症状には、色褪せ・チョーキング・塗膜の剥がれ・サイディングの反り(そり)、浮き・ひび割れ、欠け・苔、カビ、藻があること
を説明してきました。
ここからは、メンテナンスの種類ごとの費用相場について解説していきます。
サイディングが劣化した時のメンテナンス方法としては、以下の4つがあります。
・補修
・塗装
・重ね貼り
・貼り替え
以下、それぞれについて費用相場を説明していきます。
補修
1つ目は、補修です。
補修には、以下のようなものがあります。
・コーキングの打ち増し・打ち替え
・サイディングを固定しているビスの打ち直し
・高圧洗浄
これは、塗装をしなくても対処できる場合や、塗装をする前に下地処理として行う場合の2つがあります。
例えば、コーキングだけを修繕したいのであれば既存のコーキングを取り除いて新しいコーキングを打ち込むだけで対処が可能です。
外壁の塗装を依頼された場合にサイディングの反り(そり)や浮きが見られた場合は、塗装をする前にビスを打ち込んで反りや浮きを改善します。
コーキング打ちの場合の費用相場は、およそ500〜1200円/㎡になります。
ビスの打ち直しの場合の費用相場は、およそ1〜2万円になります。
高圧洗浄の場合の費用相場は、100〜300円/㎡、費用感としては1万円〜3万5千円くらいになります。
塗装
2つ目は、塗装です。
もっともオーソドックスな対処方法になります。
塗装は美観を保つ役割だけではなく、風雨や紫外線からお家を守る役割を果たしてくれます。
費用は、塗料の種類によって変わります。
以下に示す料金は、30坪のお家で、足場代・洗浄代・補修代・シーリング代も含みます。
シリコン塗料の場合は、およそ70万円前後くらいになります。
ラジカル塗料の場合は、およそ75万円前後くらいになります。
フッ素塗料の場合は、およそ80万円前後くらいになります。
ただし、これは劣化症状の度合いや、屋根塗装を一緒に行うか、その他の付帯部の塗装をするかによって大きく変わってくるため、あくまで参考程度に留めておいてください。
重ね貼り
3つ目は、重ね貼りです。
これは、既存の外壁の上から新しい外壁材を貼り付ける工法になります。
既存の外壁材を取り除いて新しい外壁材を貼り付ける貼り替えとは違って、撤去費用がかからない分安く済みます。
とは言っても、塗装よりはかなり高額になってしまうため、デザインを一新したいという方や他の外壁材に張り替えたいと言った方以外はあまりお勧めしません。
費用相場としては、およそ150万円前後くらいになります。
貼り替え
4つ目は、貼り替えです。
これは、既存の外壁の上から新しい外壁材を貼り付ける重ね貼りとは違い、既存の外壁材を取り除いて新しい外壁材を貼り付ける工法になります。
重ね貼りの費用とは別に、既存の外壁材の撤去費用がかかってくるため、より高額になります。
費用相場としては、およそ170万円〜250万円くらいになります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
サイディングボードとは何か
サイディングボードの種類と特徴
サイディングボードの劣化症状
メンテナンスの費用相場
について説明してきました。
この記事を読んで、少しでもいい塗装にしてもらえれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。