錆止め塗装とは?仕組みや色、耐用年数、種類について解説!
いつも塗るばいブログをご覧いただきありがとうございます!塗るばいは佐賀を中心に、地域密着型の外壁塗装専門店として、外壁塗装、屋根塗装、屋根カバー工法、屋根葺き替え、防水工事、雨漏り修理など、幅広いサービスを提供しています。当店では高品質な塗装を手頃な価格でご提供し、お客様の住まいをより長持ちさせるお手伝いをしています。
目次
1.錆止め塗料とは
1-1 錆止め塗料とは何か?
錆止め塗料とは、その名前が示すとおり、金属が錆びたり腐食したりするのを防ぐために使用される特殊な塗料のことを指します。金属は空気中の酸素や水分と反応することで酸化し、いわゆる「錆」が発生します。錆は見た目を損なうだけでなく、素材そのものの強度を低下させる原因にもなります。そのため、金属製の構造物や部材を長持ちさせるためには、錆の発生を未然に防ぐことがとても重要です。そこで活躍するのが、この錆止め塗料なのです。
錆止め塗料は、金属の表面に塗布することで塗膜(保護膜)を形成し、水分や酸素、塩分などの外的要因が直接金属表面に触れるのを防ぎます。これにより、腐食や酸化反応の進行を食い止め、金属を健全な状態に保つことができます。特に屋外に設置された金属部材や、雨や湿気にさらされやすい部分には錆止め塗料の使用が欠かせません。
例えば、お客さまのお住まいの外装において、トタン屋根や鉄製の雨樋、庇(ひさし)などの「板金部」と呼ばれる鉄を使用した部分が存在する場合、これらが長年の風雨にさらされて錆が進行してしまっていることがあります。こうした箇所には、まず適切なケレン(古い塗膜や錆の除去)を施したうえで、錆止め塗料を塗布することで、今後の腐食の進行を防ぐことができます。
1-2 錆止め塗料の成分と特徴
一般的な塗料は、以下の4つの主要成分で構成されています。
-
顔料(がんりょう):色をつける成分であり、隠ぺい力や防錆効果などの機能も持つ
-
樹脂(バインダー):塗膜の骨組みとなる成分で、耐久性や密着性などを左右する
-
溶剤(シンナーなど):塗料を液状に保ち、塗りやすくするための成分
-
添加剤:乾燥を早めたり、防カビ性を持たせたりと、特定の性能を付加する成分
このうち、錆止め塗料では特に①の顔料に注目すべき特徴があります。通常の顔料ではなく、**防錆効果を持つ特殊な顔料(防錆顔料)**を使用しており、これが錆の発生を抑える大きな役割を担っています。
かつては鉛系やクロム系の防錆顔料が広く使われていましたが、鉛は環境への悪影響(特に海洋汚染)を引き起こし、六価クロムは発がん性が指摘されるなど、人体へのリスクもあるため、現在ではこれらの有害物質を含まない「鉛・クロムフリー」の錆止め塗料の開発と利用が進められています。環境保護や安全性への配慮が重視される現代においては、このような無害で高性能な新しい錆止め塗料の選択が推奨されています。
1-3 錆止め塗料の種類と用途
錆止め塗料は使用している樹脂の種類によっていくつかのタイプに分類され、それぞれ性能や用途が異なります。主な種類は以下の通りです:
-
エポキシ樹脂系:密着性・耐水性・耐薬品性に優れており、最も使用頻度が高い。特に住宅や橋梁、工場などの構造物でよく用いられる。乾燥後の硬化力も高く、下地として非常に優秀。
-
油性系(アルキド系):比較的安価で手軽に使えるが、乾燥に時間がかかり、耐久性はやや劣る。DIYや補修向け。
-
合成樹脂系:各種の合成樹脂を使った中間性能の塗料。用途や性能は製品によって大きく異なる。
-
フェノール樹脂系:耐熱性に優れ、工場設備や高温環境で使われることが多い。
-
エッチングプライマー:金属に対する密着性を高めるための下塗り剤。表面を軽く溶かして密着性を強化するタイプ。
この中でも、エポキシ樹脂系の錆止め塗料は耐久性が非常に高く、下地処理として優秀な性能を持っているため、現在ではもっとも広く使われる主流のタイプとなっています。特に、耐水性・防食性が求められる場所や、高温多湿な日本の気候においては非常に効果的です。
主成分 | メリット | デメリット | ||
油性系 | 1種:油性系 | 乾燥油 | 密着性・防錆性が高い | 乾燥に時間がかかる |
2種:合成樹脂系 | 合成樹脂(フェノール、ウレタン、アクリル、アルキド等) | ・紫外線に強い ・速乾性がある |
防錆性では油性系より劣る | |
エポキシ樹脂系 | エポキシ樹脂系 | ・水に強く耐久性が高い ・速乾性に優れている ・環境にやさしい商品が豊富 |
・紫外線に弱い ・塗料と相性が悪いと耐久年数が落ちる |
▼合わせて読みたい▼
2.なぜ錆止め塗装が必要なのか?
外壁や屋根に使われている金属部分が、時間とともに茶色く変色していたり、ボロボロと崩れてきたりしていませんか?
私が担当したある築18年の戸建て住宅では、鉄製のベランダ手すりに触れた瞬間、赤茶けた粉が指に付きました。これが錆の正体です。錆が進行すると、金属そのものが脆くなり、最悪の場合は穴が開いてしまいます。外壁塗装をしても、金属部の下地処理を怠れば、塗膜の下で錆が進行し、数年で再塗装が必要になることもあります。
そこで大切なのが「錆止め塗装」です。これは外壁塗装や屋根塗装において、金属部材の寿命を延ばすための重要な工程です。
2-1 錆止め塗装とは?その仕組みをやさしく解説
錆止め塗装とは、金属の表面に防錆効果のある塗料を塗ることで、錆の発生を抑える工法です。水分や酸素、塩分などの腐食因子を金属に接触させないよう、塗膜を形成して保護します。
錆止め塗料は、一般的な塗料と同じく「顔料」「樹脂」「溶剤」「添加剤」で構成されていますが、顔料に防錆顔料を使用している点が特徴です。
かつては鉛やクロムを使った顔料が主流でしたが、環境や人体への影響が問題となり、現在では鉛フリー・クロムフリーのエコ製品が中心です。特にエポキシ樹脂系の錆止め塗料は密着性や耐久性に優れ、プロが使う現場でも最も多く採用されています。
2-2 錆止め塗装の手順|下地処理が最重要ポイント
錆止め塗装には手順の正確さが求められます。表面的に塗るだけでは、隠れた錆が進行し、数年後には再施工が必要になるリスクもあります。そこで、正しい施工手順をご紹介します。
1. ケレン作業(下地処理)
金属表面の古い塗膜や浮き錆、汚れを除去します。グラインダーやサンドペーパー、ワイヤーブラシを使用して、塗料の密着性を高めるための処理です。
2. 清掃・脱脂
表面の粉じんや油分を取り除きます。ここを怠ると、塗膜が剥がれる原因になります。
3. 錆止め塗料の塗布
ローラーまたは刷毛で均一に塗布。素材や環境に合わせて、塗り回数や乾燥時間を調整します。
4. 上塗り塗装
錆止め塗装の上に、外観と保護性能を両立させる上塗りを行います。
2-3 主な錆止め塗料
塗料名 | メーカー | 種類 | 色相 | 適合塗料 |
ハイポンファインプライマー | 日本ペイント | エポキシ樹脂系 | 黒さび色 赤さび色 グレー 白 |
・ファイン4Fセラミック ・ファインフッソ ・デュフロン4Fルーフ ・ファインシリコンフレッシュ ・ファインSi ・ファインルーフSi ・ファインウレタンU100 ・ファインルーフU ・1液ファインフッソUV ・1液ファイン4Fルーフ ・1液ファインシリコンセラUV ・シリコンルーフⅡ ・1液ファインウレタンU100 ・ケンエースG-Ⅱ ・ACトタンペイント ・Hi-CRデラックスエコⅡ ・ハイシルクフォースター |
ハイポンサビタス | 日本ペイント | エポキシ樹脂系 | 乳白色クリヤー | ・ハイポン20デクロ ・ハイポン20ファイン ・ハイポン20ファインHB ・水性ハイポン20 ・ハイポンファインプライマーⅡ ・オーデハイポンプライマー ・1液ハイポンファインデクロ ・エスパーワンエース |
スーパーザウルス2 | 関西ペイント | エポキシ樹脂系 | 黒さび色 赤さび色 グレー 白 |
・SD ルーフペイント ・AC ルーフペイントリッチ ・スーパーシリコンルーフペイント ・アレスダイナミックルーフ ・スーパークリスタルルーフペイント ・パワーホルスF4 ・SDホルスF4 ・アレスネクストⅢ ・セラMレタン ・アレスエコレタンⅡ ・カンペ1液MシリコンHG ・カンペ1液MレタンHG ・セラMシリコンⅢ ・セラMフッソ ・アレスダイナミックTOPマイルド ・アレスダイナミックMUKIマイルド |
ラスゴンセーフティK | 関西ペイント | 油性系 | 赤さび色 グレー ダークグレー 黒 |
・ダイドーマイルドU ・ダイドーシリコンセディア ・ネオマリン ・ダイドーマリンフラッシュ ・水系パーマシリコン |
サビタイト | 下田通商 | エポキシ樹脂系 | 赤さび色 グレー 白 |
・ダイドーマイルドU ・ダイドーシリコンセディア ・ネオマリン ・ダイドーマリンフラッシュ ・水系パーマシリコン等 |
3.仕組みや色、耐用年数
3-1 錆止め塗料の塗装回数|1回塗りで十分?
錆止め塗料の塗布は通常1回塗りが基本ですが、状況によっては2回塗りを行うこともあります。
特に、旧塗膜が劣化している場合や、海沿いなどの塩害地域では、厚塗りによる防錆性の向上が必要です。私が経験した現場でも、1階の鉄部に2回塗りを行ったところ、10年以上錆が発生しない結果が出ました。
メーカーの仕様書を確認し、適切な乾燥時間を確保することも大切です。
3-2 錆止め塗装にも色がある
意外と知られていませんが、錆止め塗料にもさまざまな色のバリエーションがあります。
代表的な色は以下の通りです:
-
赤錆色(鉄部の定番色)
-
グレー(中塗りとして便利)
-
ホワイト(仕上げ色に響かせたくないときに最適)
-
グリーン、ベージュなど(高意匠性を求める現場向け)
実際の施工現場では、上塗り塗料との色の重なりを考えて、あえて違う色の錆止めを使うこともあります。たとえば、赤錆色の上に白系の上塗りを重ねると、塗り残しやムラが見えやすくなり、施工品質の確認がしやすくなります。
3-3 錆止め塗料の耐用年数
錆止め塗料の耐用年数は使用する製品や環境によって異なりますが、一般的には5年~10年が目安です。
以下に、代表的な錆止め塗料の耐用年数の一例を挙げます:
種類 | 耐用年数(目安) | 特徴 |
---|---|---|
エポキシ樹脂系 | 7~10年 | 密着性・耐久性に優れる |
油性系(アルキド) | 3~5年 | 安価だが劣化が早い |
合成樹脂系 | 5~8年 | 製品により性能がばらつく |
エッチングプライマー系 | 5年程度 | 密着性特化・単体では防錆力に欠ける |
実際の耐用年数は、施工時の下地処理の精度、塗布量、気象条件などによって変動します。
まとめ
錆止め塗装は、金属部分の劣化を防ぎ、建物全体の寿命を延ばすために欠かせない工事です。錆止め塗料は、特殊な防錆顔料を含んだ塗料で、外壁や屋根の鉄部・板金部分に塗ることで、水や酸素を遮断し、錆の進行を抑えます。
塗装前の下地処理や塗布回数、塗料の種類選びも重要で、状況に応じて最適な方法を選ぶことで、5年~10年という長い防錆効果が期待できます。また、錆止め塗料にはさまざまな色があり、仕上がりや作業効率に配慮して使い分けられています。
外壁塗装や屋根塗装を検討している方は、見た目だけでなく、錆止めという「下地の品質」にもしっかり目を向けることが大切です。
戸建て住宅の金属部が少しでも劣化していると感じたら、早めの対応が建物を守る第一歩になります。信頼できる塗装業者と相談しながら、最適な錆止め塗装を行いましょう。
塗るばいでは、佐賀でお客様にピッタリの塗装プランを提案しています。佐賀の外壁塗装、屋根塗装、防水工事は塗るばいにお任せください!!
私が担当しました!

営業
江川 拓Egawa Taku
お客様お一人お一人に安心できる塗装工事をご提供できるように、努力してまいります。
どんなご要望にも誠心誠意お応えします。お気軽にご相談ください。
所有資格
- 外壁診断士
- 外壁アドバイザー
- カラーコーディネーター
- 有機溶剤作業主任者