光触媒塗料とは?成分やメリット・デメリット、耐用年数について解説!
2022.10.02
こんにちは、「塗るばい」でお馴染みの佐賀県佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」です。
みなさん、ネットの記事や営業マンの方などから、「光触媒塗料」という言葉を聞いたことはありませんか。
高耐久の塗料として紹介されたかもしれません。
今回はその光触媒塗料について、
・光触媒塗料ってどんな塗料?
・光触媒塗料の成分って何?
・光触媒塗料のメリットは?
・光触媒塗料のデメリットは?
・光触媒塗料の耐用年数は何年?
これらの疑問を説明していきます。
目次
光触媒塗料とは
光触媒塗料とは、セルフクリーニング機能を持った塗料のことを言います。
セルフクリーニング機能とは、人が手入れをしなくとも天気などの自然の力で汚れを洗浄して、きれいな状態を維持することができる機能です。
そもそも光触媒とは、太陽や蛍光灯などの光を受けて生まれる酸化力によって、接触してくる有害物質を除去できる環境浄化材料のことを言います。
そのため光触媒には、住宅やビルの壁面など、ある程度の光が必要となります。
光触媒塗料のセルフクリーニング機能を可能にしているのは、二酸化チタンと呼ばれる添加物です。
つまり、二酸化チタンを含んでいることで、光触媒塗料はセルフクリーニング機能が可能になっているのです。
光触媒塗料の成分:酸化チタンとは
光触媒塗料は、通常の塗料の成分(樹脂・顔料・溶剤)の顔料の中に、酸化チタンと呼ばれる物質を含んでいます。
この酸化チタンとは、どのようなものなのでしょうか。
酸化チタンとは、チタンと酸素が結合されてできた物質のことを言います。
酸化チタンは、二酸化チタンともチタニア(Titania)とも呼ばれています。
この記事では、酸化チタンで呼び方を統一します。
酸化チタンの種類
実のところを言うと、通常の塗料にも酸化チタンは含まれています。
酸化チタンとは、外壁の塗り替えで人気の淡彩色(ホワイト系・クリーム系など)を調色するときに必要となる白色顔料のことです。
この説明だけを聞くと、「普通の塗料にも光触媒塗料にも酸化チタンが含まれているのなら、どうして光触媒塗料にだけセルフクリーニング機能があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
塗料に用いられる酸化チタンには、「ルチル型」と「アナターゼ型」の2種類があります。
そのうち、普通の塗料に使われているのは「ルチル型」で、光触媒塗料に使われているのは「アナターゼ型」になります。
この違いによって、光触媒塗料はセルフクリーニング機能を持っているのです。
酸化チタンの役割
塗料に用いられる酸化チタンは「ルチル型」と「アナターゼ型」の二つに分けられ、一般の塗料にはルチル型、光触媒塗料にはアナターゼ型が使われています。
ここでは、光触媒塗料に用いられる「アナターゼ型」の酸化チタンについて説明します。
コーティングされた酸化チタンでは、日影程度の太陽光や室内での照明など、弱い光でも光触媒反応が起きます。
光触媒反応が起きると、有機物による汚れが分解されるため、防汚効果、殺菌・抗菌効果、消臭効果などを発揮します。
また、光触媒塗料には、親水性という雨水となじみやすい性質があります。
そのため、活性酸素で分解された汚れは親水性塗膜に浮かび上がり、雨で洗い流されるようになります。
これらの性質を利用して、外壁塗装以外にも、抗菌タイルや空気清浄機のフィルターなどにも利用されています。
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光触媒塗料のメリット
汚れを防ぐセルフクリーニング機能
最大のメリットは何と言っても、セルフクリーニング機能により、特別な手入れをしなくても基本的な汚れを落としてくれる点です。
光触媒塗料には、「アナターゼ型」と呼ばれる種類の酸化チタンが含まれていると説明しました。
この酸化チタンが日光に当たると活性酸素が作られ、汚れを分解してくれます。
また、光触媒塗料には水と馴染みやすい性質もあります(親水性)。
この『汚れの分解』と『親水性』の2つの性質を使って、セルフクリーニング機能を実現しているのです。
それだけでなく、除菌効果、防カビ・防藻効果もあります。
周辺の空気を綺麗にする(浄化作用)
光触媒塗料のメリットは、セルフクリーニング機能だけでなく、浄化作用によって周囲の空気までも綺麗にできる点です。
光触媒塗料の浄化作用の秘密は、TOTOによるハイドロテクトと呼ばれる、環境を綺麗にする技術です。
使用する塗料やそのグレードによって若干違いますが、かなり大量の空気を綺麗にすることができます。
例えば、TOTOの中で最もグレードの高い光触媒塗料で建坪30坪(外壁面積150㎡)の戸建住宅の塗装を行なったとします。
その場合、テニスコート4面分(約1,000㎡)の緑地と同じ浄化効果を持ちます。
これは、普通乗用車12台分が排出する窒素酸化物を除去できるのと同じレベルです。
耐久性が高い
光触媒塗料は、セルフクリーニング機能によって経年劣化を抑えることができるため、長い期間お家を守ることができます。
塗料が何年持つのかを測定する試験の結果によると、光触媒塗料は15〜20年相当の耐久性を保つとされており、これはフッ素塗料と並んで抜群の耐久力(耐候性)をもっています。
一般的なシリコン塗料が10年前後と呼ばれていますので、その1.5〜2倍の耐久力を持っているということになります。
ただし、これらの数値は気候や立地などの条件によって変動するため、あくまで参考程度にしておいてください。
光触媒塗料のデメリット
価格が高い
光触媒塗料は、フッ素塗料と並んで抜群の耐久力を誇ります。
ただし、その分価格も高く、一般的な汎用塗料と比べると1.5〜2倍程度の価格帯になります。
その分耐用年数も1.5倍程度伸びると言われていますが、初期費用が高額になってしまう点ではデメリットと言えます。
カラーや艶のバリエーションが少ない
光触媒塗料は、他の塗料と比べてカラーバリエーションや艶のバリエーションが少ない傾向にあります。
その理由は、光触媒塗料のセルフクリーニング機能は、白い顔料に含まれる酸化チタンによって可能となっているからです。
黒系や濃色系などの色を調色する際に白い顔料が含まれていないと、酸化チタンが含まれる量も足りなくなるため、セルフクリーニング機能を発揮できなくなります。
そのため、黒やグレーなど濃色系の色選びを考えられている方には、光触媒塗料はお勧めできません。
また、艶選びについても、艶消しか5分艶の2種類しかありません。
光の当たり具合によってセルフクリーニング機能を発揮しにくい
光触媒塗料は、太陽光を受けて汚れを落とす機能です。
そのため、北側の外壁や、お家が密集している地域の外壁など、太陽光が当たりにくい環境では、セルフクリーニング機能を十分には発揮できません。
無機質系や過度の汚れには対応できない
光触媒塗料のセルフクリーニング機能は、有機物を除去して綺麗な状態にしてくれます。
ただし、サビや黄砂、エフロレッセンス(白華現象)などの無機質系の汚れは酸化チタンで分解することができません。
また、樹液や鳥のフンなど、限られた部分に過度の汚れが付着すると、分解する力が追いつきません。
あらゆる種類の汚れを落とせるわけではない点に注意が必要です。
ひび割れを起こしやすい
光触媒塗料は、シリコン塗料と比べて硬くなります。
そのため、ひび割れが起こりやすくなる可能性があります。
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光触媒塗料の耐用年数
光触媒塗料の耐用年数は、15〜20年だと言われています。
ただし、実際そこまでもつのかと言われると、疑問の残る部分もあるようです。
光触媒塗料全てがそうだとは断言できませんが、15〜20年持たない可能性もあるということは頭に入れておいた方が良いかもしれません。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、光触媒塗料について、
【光触媒塗料とは】
【光触媒塗料の成分:酸化チタンとは】
・酸化チタンの種類
・酸化チタンの役割
【光触媒塗料のメリット】
・汚れを防ぐセルフクリーニング機能
・周辺の空気を綺麗にする(浄化作用)
・耐久性が高い
【光触媒塗料のデメリット】
・価格が高い
・カラーや艶のバリエーションが少ない
・光の当たり具合によってセルフクリーニング機能を発揮しにくい
・無機質系や過度の汚れには対応できない
・ひび割れを起こしやすい
について説明してきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。