スレート屋根のカバー工法とは?費用相場や時期、おすすめの屋根材について解説!
2022.07.24
こんにちは、佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」の江川です。
今回は、スレート屋根のカバー工法についての内容です。
スレート屋根は、現在主流となっている屋根材の種類です。
安くて軽く、耐震性も高いため、広く使われています。
ただし一方で、耐久性や防水性が弱かったり、割れやすかったり、苔やカビが生えやすかったりするため、定期的なメンテナンスが必要な屋根材でもあります。
一般的にスレート屋根は、築10年ほどで塗装メンテナンス、築20年ほどでカバー工法や葺き替え工法が必要となるケースが多いです。
また、2004年以前に作られたスレート屋根にはアスベスト(人体に有害な物質)が含まれているケースがあります。
その場合、工事の際にアスベストが飛散するリスクがあったり、屋根を廃棄する場合に費用が高くなったりするため、適切な工事方法を選ぶ必要があります。
今回はそんなスレート屋根のカバー工法について、
・スレート屋根のカバー工法って何?
・スレート屋根のカバー工法の費用はいくら?
・スレート屋根のカバー工法の時期はいつがいい?
・スレート屋根のカバー工法に使える屋根材は?
といった疑問にお答えしていきます。
それでは参ります。
Contents
スレート屋根のカバー工法とは
屋根カバー工法とは、既存の古い屋根の上に新しい屋根を被せる工法のことです。
既存の古い屋根を剥がして新しい屋根材を張り替える葺き替えと異なり、古い屋根材を剥がしたり撤去したりする費用がかからないため、工事費用と工事期間を抑えることができます。
一般住宅では、スレート(コロニアル)屋根の上に、軽い金属屋根(ガルバリウム鋼板またはエスジーエル鋼板)をかぶせる工事がよく行われています。
先ほど2004年以前のスレート屋根にはアスベストが含まれているケースが多いと説明しましたが、カバー工法であれば古い屋根材を撤去する必要がないため、より費用を抑えることができます。
直接下葺き材カバー工法
直接下葺き材カバー工法とは、既存の野地板(のじいた:屋根材を支えるために張る板)の状態が比較的良い場合に採用される工事方法です。
古い屋根の上に、防水シート(ルーフィング)と呼ばれる雨漏りを防ぐシートを直接張って、その上から新しい屋根材を重ねます。
野地板増し張りカバー工法
野地板増し張りカバー工法は、既存の野地板の状態が悪い場合に用いられます。
古いスレート屋根の上に新しく野地板を張り、その後に防水シートと新しい屋根を張ります。
どちらの方法があなたのお家に適しているかは、プロの施工業者に確かめてもらうことをお勧めします。
スレート屋根のカバー工法の費用相場
スレート屋根のカバー工法にかかる費用相場は、屋根の形や大きさ、面積などによっても変わりますが、一般的なお家の建坪である30坪を基準に考えると、費用相場と内訳は以下のようになります。
30坪のお家の場合の屋根面積:120〜140㎡
【施工費用】
10,000円/㎡×120〜140㎡=120〜140万円
【足場費用】
10〜20万円
小計:130〜160万円
消費税:13〜16万円
合計費用:143〜176万円
ただし、これはあくまで概算になります。
屋根の面積、縦葺きか横葺きか、屋根の形状の種類(切妻屋根など)、カバーする屋根材のグレードなどによって費用は上下しますので、あくまで参考程度の金額としてとらえてください。
スレート屋根のカバー工法を行う施工時期
スレート屋根のカバー工法は、築20〜40年くらいを目処に行うのが適切です。
15年くらい経った段階では、塗装で対処することが可能です。
2回目の塗装となると、スレート屋根本体の劣化が進んでいるため、カバー工法をするのが向いています。
スレート屋根カバー工法のメリット
スレート屋根をカバー工法で施工するメリットはいくつかあります。
1つ目は、既存の屋根を廃材として出さないぶん、壊したり撤去したりする手間を抑えることができるため、人件費を安く、施工期間を短くすることができる点です。
2つ目は、アスベストを使用した屋根であっても廃材を出さないため、施工が安全である点です。
ほかにも、屋根が二重になるぶん断熱性や遮音性が上がる、環境負荷が少ないといったメリットがあります。
スレート屋根カバー工法のデメリット
スレート屋根をカバー工法で施工するのにはデメリットもいくつかあります。
先ほど、メリットとして、アスベスト入りのスレート屋根をカバー工法で施工すると撤去費用や施工期間を短く抑えられると伝えましたが、それは撤去を先延ばしにするということにもなります。
長い先屋根を撤去するときに、アスベスト屋根の撤去に追加費用がかかることを頭に入れておいてください。
また、太陽光パネルの設置が困難になったり、屋根の重量が増すことで耐震性が下がる可能性もあります。
(一般的に、屋根は軽いほど耐震性に優れます。)
スレート屋根の劣化が進み過ぎているとカバー工法ができない、という点にも注意が必要です。
スレート屋根のカバー工法で使用できる屋根材
スレート屋根のカバー工法で使うことのできる屋根材は、軽い金属屋根が基本です。
特にシェア率が高い3種類を紹介します。
アスファルトシングル
ここで紹介する3つのうちでは、最も費用を抑えられる屋根材です。
アスファルトシングルは、ガラス基材にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付けて接着させる屋根材です。
シート状で扱いやすく、複雑な屋根の形状に合わせて施工することが可能です。
石粒の色によってさまざまなカラーバリエーションがあるのがメリットです。
ただし、表面の石粒がはがれやすかったり、剥がれた石粒が雨樋を詰まらせる原因になることにも注意が必要です。
費用は、1㎡あたり4,000〜7,000円くらいです。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板はほかの金属屋根と比べて耐震性に優れていて価格が安いというメリットがあるため、カバー工法によく使われる屋根材です。
また、金属屋根の中でも錆びにくいという点もメリットとして挙げられます。
費用相場は製造メーカーや施工業者によっても異なりますが、1㎡あたり5,000〜8,000円前後になります。
1㎡あたりの費用は、5,000〜7,000円くらいになります。
エスジーエル(SGL)鋼板
SGL鋼板はガルバリウム鋼板を進化させた金属屋根になります。
GLはガルバリウムの略で、Sはスマートやスペシャルの意味になります。
従来のガルバリウム鋼板がもつ耐震性に加えて、防錆効果や耐食性が高いというメリットがあります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、スレート屋根のカバー工法について、
【スレート屋根のカバー工法とは】
・直接下葺き材カバー工法
・野地板増し張りカバー工法
【スレート屋根のカバー工法で使用できる屋根材】
・アスファルトシングル
・ガルバリウム鋼板
・エスジーエル(SGL)鋼板
について説明してきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。