【塗料】コスモマイルドシリコンⅡとは?耐用年数や価格、特長について解説!
2022.07.17
こんにちは、佐賀県佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」です。
今回は、コスモマイルドシリコンⅡについての記事です。
コスモマイルドシリコンⅡとは、日本塗料3大メーカーの一つである関西ペイントが製造している塗料です。
今回はこのコスモマイルドシリコンⅡについて、
コスモマイルドシリコンⅡの単価・価格はいくら?
コスモマイルドシリコンⅡの特徴は何?
コスモマイルドシリコンⅡの耐用年数は何年?
これらの疑問について説明していきます。
それでは参ります。
目次
コスモマイルドシリコンⅡとは
下の表は、コスモマイルドシリコンⅡの概要です。
分類 | 弱溶剤2液型シリコン塗料 | ||
系統 | ターペン可溶アクリルシリコン樹脂系塗料 | ||
機能 | 防藻・防かび 耐候性 耐汚染性 作業性 | ||
塗装部位 | 外壁・塩ビ製品・鉄部 | 溶剤の分類 | 弱溶剤2液 |
希釈剤 | 塗料用シンナー | 匂い | 弱め |
用途 |
コンクリート・モルタル |
施工方法 | 刷毛・ローラー・ エアレス |
色調 | 任意 | 艶の状態 | 艶有り・7分艶・ 5分艶・3分艶 |
塗り重ね乾燥時間 | 4時間(23℃) | 塗り面積 | 2回塗り57~67㎡ |
塗布量 | 0.28kg/㎡ (2回塗り) |
塗料価格 | コスモマイルドシリコンⅡ ¥32,592/14kg |
分類:弱溶剤2液型シリコン系塗料
コスモマイルドシリコンⅡは、弱溶剤2液型シリコン系塗料に分類されます。
弱溶剤2液型シリコン系塗料とは何なのでしょうか。
「弱溶剤」「2液型」「シリコン系塗料」に分けてご説明します。
「弱溶剤」とは、比較的水に溶けにくい(溶解力が弱い)ミネラルスピリット系溶剤を用いた塗料のことを言います。
強溶剤系塗料と比べて塗料独特のシンナー系の臭いが控えめで、旧塗膜への影響も少ないという特徴があります。
一般住宅や建築物の塗装で使われる溶剤系塗料の大半が弱溶剤に分類されます。
ターペン可溶塗料とも呼ばれます。
「2液型」とは、塗料液である主剤と、効果剤である樹脂を混ぜ合わせた塗料のことを言います。
塗料は、1液型と2液型の2種類に分けられます。
1液型とは、塗料液である主剤だけの塗料のことを指します。
一般的には、2液型の方が耐用年数が比較的長くなります。
「シリコン系塗料」とは、塗料の主成分である合成樹脂にシリコンが含まれている塗料のことを言います。
外壁塗装でもよく使われている塗料で、水に馴染みやすい性質(親水性)を持っているため、塗膜の表面に汚れがつきにくいという特長があります。
ラジカル塗料には劣りますが、コストパフォーマンスに優れた塗料です。
系統:ターペン可溶アクリルシリコン樹脂系塗料
コスモマイルドシリコンⅡの系統は、ターペン可溶アクリルシリコン樹脂系塗料に分けられます。
ここではターペン可溶アクリルシリコン樹脂系塗料について、「ターペン」「ターペン可溶(形)」「アクリルシリコン樹脂(系)塗料」に分けて説明します。
まず「ターペン」についてです。
ターペンとは簡単に言えば、塗料用シンナーのことです。
ターペン、ミネラルスピリット、塗料用シンナーは同じ意味になります。
ターペンとは詳しく言うと、灯油に近い成分である石油炭化水素により組成されたシンナーのことです。
さらに詳しく言うと、原油を蒸留して得られる脂肪族炭化水素系の混合溶剤になります。
次に「ターペン可溶(形)」についてです。
ターペン可溶形とは言い換えれば、水性系塗料と強溶剤系塗料の中間に位置する塗料になります。
そもそも塗料は、水性系・弱溶剤系・強溶剤系の3つに分けられます。
水性系は、塗料の希釈材として水を使用する塗料で、塗装時にシンナー臭を発することがない、体に優しい塗料になります。
ただし、近年ではメーカーの開発が進んだことで性能が向上したため、築年数が10〜20年程度の建物には水性系の塗料が使われることも増えてきました。
強溶剤系は、塗料の希釈材としてシンナーを使用する塗料で、塗装時に刺激臭を伴う塗料になります。
塗装時の匂いはキツくなりますが、その分塗料の保ちは良くなります。
強溶剤系の塗料は、橋梁やタワーなどの、長期にわたって再塗装が困難な建築物に使われることが多いです。
そしてこのターペン可溶形の塗料、つまり弱溶剤系の塗料は、上で説明した水性系と強溶剤系の中間に位置する塗料です。
ターペン可溶という意味は、「塗料をシンナーで希釈する」事です。
水性塗料よりも耐久性を伸ばしつつ、強溶剤系に特有のシンナー臭を抑えた、両方の良いところを持ち合わせた塗料になります。
ターペン可溶形の塗料は、断熱塗料以外の塗料のうち、紫外線の影響を受けやすい塗料で屋根を塗装する場合や、鉄部などの錆びやすい部位の塗装をする場合に用いられます。
最後に、「アクリルシリコン樹脂(系)塗料」についてです。
アクリルシリコン樹脂塗料とは、アクリル樹脂とシリコン樹脂を反応させて製造された塗料のことです。
主に外壁などの上塗りに使用されます。
上塗り塗料の一般的なグレードは、主に、アクリル樹脂塗料(約5年)、ウレタン樹脂塗料(約10年)、アクリルシリコン樹脂塗料(約15年)、フッ素樹脂塗料(約20年)に分けられます。
アクリルシリコン樹脂塗料は、フッ素樹脂塗料に比べると耐用年数は劣るものの、その他の塗料と比べてコスパ、費用対効果に優れている塗料です。
下地に対する付着力や光沢の保持力、耐水性、耐薬品性、耐油性、耐汚染性、耐候性などに優れています。
機能:防藻・防かび・耐候性・耐汚染性・作業性
コスモマイルドシリコンⅡの機能として、防藻・防カビ性、耐候性、耐汚染性があります。
防藻・防カビ性とは、苔や藻、カビが生えにくい塗料のことを言います。
また、耐候性にも優れているため、太陽光による紫外線や温度・湿度の変化といった屋外の自然環境に耐えることができます。
耐汚染性にも優れていることから、油性汚染物質(自動車の排気ガス、アスファルト、タイヤの粉塵など)の付着による汚れが生じにくく、降雨や散水で汚れが除去されやすい性質(セルフクリーニング)をもっています。
また、塗装作業性や仕上がり性にも優れています。
希釈剤:塗料用シンナー
希釈剤とは、塗料を薄めて粘度を下げることで塗装をしやすくしたり、乾燥性を調節したりするために塗料に混ぜる液のことを言います。
コスモマイルドシリコンⅡは、希釈剤として塗料用シンナーを使う溶剤塗料に分類されます。
塗料には、溶剤塗料と水性塗料の2種類があります。
溶剤塗料とは、希釈剤にシンナーを用いた塗料のことを言います。
水性塗料とは、希釈剤に水を用いた塗料のことを言います。
溶剤塗料は臭いが少し強めであるデメリットがありますが、耐久性に優れている点や塗料の密着性が良い点、艶を維持しやすい点などのメリットがあります。
用途:鉄・アルミニウムなど
コスモマイルドシリコンⅡは、コンクリートやモルタル、サイディングボード、鉄、アルミニウム、亜鉛メッキ鋼材などの塗り替えに用いることができます。
色調:標準35色
コスモマイルドシリコンⅡは、標準35色のカラーバリエーションを備えています。
お客様のご希望の色を幅広く実現することができるため、色選びをしっかりしたい方にはおすすめの塗料です。
※標準色・・・塗料メーカーが、建物の塗装によく使われる色や色彩研究に基づいた好ましい色を選定して作った色見本帳の色。
塗り重ね乾燥時間:4時間(23℃)
塗り重ね乾燥時間とは、塗料を塗った後再び塗り重ねる際の、塗装の時間間隔のことを言います。
コスモマイルドシリコンⅡは、塗装した後23℃の条件下で4時間の乾燥時間を設ける必要があります。
ただし、23℃より気温が低い場合は6時間以上の乾燥時間が必要となるため、半日〜1日は乾燥時間として必要になります。
艶の状態:艶あり・7分艶・5分艶・3分艶
塗料は、艶あり塗料と艶なし塗料に分けられ、コスモマイルドシリコンⅡは艶あり塗料に分類されます。
艶あり塗料は、外壁がツヤツヤと光って新築のように新しく見えるのが特徴です。
艶なし塗料に比べて汚れが付着しにくく、塗料本来の耐久性や耐候性を発揮することができます。
また、艶あり塗料の中でも、お客様の好みに合わせて艶あり・7分艶・5分艶・3分艶から選ぶことができます。
艶なし塗料は、塗りたてのピカピカ感を抑え、シックで落ち着いた印象を与えることができます。
ただし、艶なし塗料の施工は、外壁に細かな傷をつけて光を乱反射させるようにすることでピカピカ感を抑えます。
そのため、ザラザラした外壁には汚れがつきやすくなるというデメリットがあります。
コスモマイルドシリコンⅡの特長
耐候性・耐汚染性に優れている
コスモマイルドシリコンⅡの耐候性や耐汚染性は、実験によって実証されています。
下の図表は、促進耐候性(キセノン)試験の結果です。
下の表を見ると、経過時間に対する光沢保持率が、アクリル樹脂塗料や2液弱溶剤ウレタン塗料と比べてかなり優れているのが分かります。
※光沢保持率・・・塗装初期の光沢を100%とし、劣化後にどれだけの光沢を保持しているかの割合
※促進耐候性(キセノン)試験とは、各種材料の美観や耐久性について劣化を促進させ、製品・材料の寿命を予測することを目的とした試験です。 専用の装置内で光の照射、降雨(水スプレー)、温湿度の制御等を行い、屋内外の条件を人工的に再現します。
また、コスモマイルドシリコンⅡは、塗料の耐候性を表す規格である「建築用耐候性上塗り塗料 JIS K 5658」で、2級に相当しています(耐候性のよいものから 1 級,2 級及び 3 級)。
項目 | 要求内容 | コスモマイルドシリコンⅡ | |
容器の中の状態 | 硬い塊がなくて、一様になる。 | ◯ | |
表面乾燥性 | 23℃:8h以内 5℃:16h以内 | ◯ | |
塗膜の外観 | 正常である | ◯ | |
ポットライフ※1 | 5時間 | ◯ | |
隠ぺい率(白及び淡彩)※2 | 90以上 | 97 | |
鏡面光沢度(60G) | 70以上 | 85 | |
耐衝撃性(落球式) | ワレ及びはがれが生じない | ◯ | |
付着性(クロスカット) | 分類1又は0であること | ◯ | |
重ね塗り適合性 | 支障がない | ◯ | |
耐アルカリ性 (飽和水酸化Cα水溶液×168h) |
ワレ、はがれ、フクレがない つやの変化、変色の程度が大きくない |
◯ | |
耐酸性 (硫酸水溶液5g/L×168h) |
ワレ、はがれ、フクレがない つやの変化、変色の程度が大きくない |
◯ | |
耐湿潤冷熱繰返し性 10サイクル |
塗膜表面状態 | ワレ、はがれ、フクレがないこと | ◯ |
光沢保持率 | 70%以上 | 100% |
※1 ポットライフ・・・可使時間。例えば2液形塗料の塗料液(主剤)と硬化剤を混合した後、使用できる最長の時間。
※2 隠ぺい率・・・塗料が下地の色の差を覆い隠す度合。
耐汚染性に優れている
下の表は低汚染性能比較・バクロ結果を表しています。
強溶剤シリコンと比較して、汚れが少ないのが分かります。
このように、コスモマイルドシリコンⅡは耐候性や低汚染性に優れています。
鉛・クロムを有していない
コスモマイルドシリコンⅡは、鉛やクロムを有していません。
鉛やクロム、クロム酸鉛等の物質は劇薬に指定されており、急性的なものでは嘔吐や腹痛、ふらつき、慢性的なものでは食欲不振や無気力などをはじめとする症状が現れる恐れがあります。
鉛入りの塗料は、塗装時に作業者が鉛を吸引したり、待機中に鉛化合物が放出されたりなどの危険性を孕んでいます。
コスモマイルドシリコンⅡは、鉛やクロムを有していないため、安全な塗料です。
ただし、日本塗装工業会では、鉛などの危険物質を含む塗料の削減を行っており、現在ではほとんどなくなっています。
そのため、コスモマイルドシリコンⅡ以外の塗料でもそこまで心配する必要はありません。
その他のメリット
そのほかにも、以下のようなメリットがあります。
・光沢・肉持ち感に優れている
・塗装作業性に優れている
・防カビ性・防藻性に優れている
このように、コスモマイルドシリコンⅡは多くのメリットを有しています。
コスモマイルドシリコンⅡの注意点
コスモマイルドシリコンⅡには、注意点もあります。
それは、素材に合わせて下塗りを変える必要があるという点です。
下の表は、コスモマイルドシリコンⅡの素材別適用下塗りを表しています。
素材 | 下塗り |
鉄 | ザウルスEXⅡまたはスーパーザウルスⅡ |
アルミニウム | スーパーザウルスⅡ |
亜鉛メッキ | |
ボンデ鋼板 | |
コンクリート モルタル |
浸透系Mシーラー、エポMシーラー マルチタイルコンクリートプライマーEPO、アレスホルダーGⅡ アレスホルダーZ、アレス弾性ホルダー防水形※ アレスシリコンクラフト |
窯業系サイディング | アレスポリマーレジン、アレス水性エポレジン |
硬質塩ビ | なし |
FRP | スーパーザウルスⅡ |
※弾性硬化剤
このように、コスモマイルドシリコンⅡは、素材に合わせて下塗り材を変更する必要があるのです。
コスモマイルドシリコンⅡの耐用年数
コスモマイルドシリコンⅡの耐用年数は、10年〜13年程度です。
シリコン系の塗料であり、価格に対して10年以上保つため、ラジカル塗料には劣るものの、コストパフォーマンスに優れた塗料になります。
コスモマイルドシリコンⅡの価格
コスモマイルドシリコンⅡの価格は、2液の14kgセットで、21,000〜23,000円です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、コスモマイルドシリコンⅡについて、
【コスモマイルドシリコンⅡとは】
・分類:弱溶剤2液型シリコン系塗料
・系統:ターペン可溶アクリルシリコン樹脂系塗料
・機能:防藻・防かび・耐候性・耐汚染性・作業性
・希釈剤:塗料用シンナー
・用途:鉄・アルミニウムなど
・色調:標準35色
・塗り重ね乾燥時間:4時間(23℃)
・艶の状態:艶あり・7分艶・5分艶・3分艶
【コスモマイルドシリコンⅡの特長】
・耐候性・耐汚染性に優れている
・耐汚染性に優れている
・鉛・クロムを有していない
・その他のメリット
について説明してきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。