外壁の苔やカビの原因と対処法について
2020.09.07
長年暮らしていくと、外壁に黒いカビや苔で汚れてきます。
「外壁についた黒いコケやカビをキレイに落としたい!」と思われている方も多いのではないでしょうか。
カビや苔は風通しが悪く、日の当たらない場所に発生しやすく、キレイにとってあげないと、黒ずみがこびりついてしまいます。そうなると業者にコケやカビの除去を、お願いするしかありません。
戸建てはマンションと違って自分でのメンテナンスが必要ですから、カビやコケは自分で”ハイター”や”カビキラー”を使って、キレイに除去しなくてはなりません。家の美観を保つだけでなく、外壁の塗装の寿命を延ばすことにも繋がります。
今回はコケやカビの落とし方だけではなく、なぜコケがつくのか?そしてどうすれば今後、コケやカビが付きづらくなるのかを解説します。
目次
コケやカビがつきやすい壁とは?
コケが繁殖する理由
そもそもコケの胞子は、日常の空気中に浮遊しております。壁などにくっついて繁殖します。ただどんな壁でもコケが生えるわけではありません。コケの繁殖の条件に「水」があります。水分が付着しやすい壁にコケが繁殖しやすいのです。
コケの根は他の植物とは違い、水分や栄養を吸収するためではなく、体を固定するためにあります。
コケは壁やコンクリート表面のわずかな水分で成長するのです。ですから日当たりの良く、乾燥しやすい壁にはコケは生えにくいのです。
カビについて
カビですが、カビはコケと違って、菌類です。コケは植物のため光合成をしますので、ある程度の日当たりが必要になりますが、カビは光合成をしませんので、日当たりがまったくないところでも繁殖します。
サイディングはコケやカビは生えやすいのか?
まずお伝えすることは、「サイディングでもコケやカビは生えます。」
コケやカビが発生するかしないかは、壁の素材の上に載っている塗料に依存します。シリコン塗料やフッ素塗料が塗られていれば、塗膜に防カビ機能があり、コケやカビが付着しづらいです(それでもカビがつくことはありますが)。
しかし、塗り替えに使った塗料が防カビ機能のないウレタン塗料だったりすると「以前はカビが生えなかったのに、生えるようになった」という事もあります。
いずれにせよ、コケやカビはそれが生えやすい条件が整うことで繁殖します。
では、コケやカビがつきやすい外壁とはどのような条件なのでしょうか?
1:壁の模様やデザインでデコボコがあって水がたまりやすい
コケやカビはわずかな水分があれば、繁殖するのに十分です。ですからこのような外壁は、わずかなデコボコであっても、水や汚れがたまりやすいために、カビもコケも繁殖しやすいのです。
2:日当たり
日当たりが悪いと、乾燥しないために、湿気もたまりやすくカビやコケが生えやすい環境になります。ただコケは光合成を行い成長するものなので、まったく日当たりのない場所では、コケではなく、カビが繁殖します。
3:風通し
コケやカビの生育条件の大きな要素は「乾燥しない」ことです。そのため風通しの悪い場所は、コケやカビが繁殖しやすいのです。もし物を置いてあるために、風通しが悪いのであれば、それらを処分することで、コケやカビの発生をおさえることができます。
4:湿気がたまりやすいか
浴室やトイレに隣接する壁は湿気があることが多いです。また、屋根から雨水が地に落ちて乾燥しにくい、隣の家と間隔が狭い場所などは湿気が非常にたまりやすく、コケやカビが大好きな場所になります。こういった場所の壁は、普段からマメに掃除したり、少しでも風通しをよくするなどが対策になり、抜本的な改善策はありません。
5:結露を起こしやすいか
窓のサッシ付近など、結露からの水滴がたれる場所には、コケやカビがつきやすいです。結露は温度差が激しいと発生するので、結露を防ぐために、寝る前に換気を行うことで、外と室内の温度差を少なくし結露を防止することができるため、ひいてはコケやカビの防止を行うことができます。
外壁についたコケやカビの落とし方
外壁のコケやカビ落としに必要なもの
・マスク
・ゴム手袋
・雑巾
・バケツ
・新聞紙 など
カビやコケを取り除く際に、胞子や菌を吸ってしまうこともあるので、マスクがあると良いでしょう。健康な方であれば、体の免疫力で体内にはいった胞子や菌はやっつけてしまいますが、気持ちのよいものではありませんので、やはりマスクは用意しましょう。
カビキラーやハイターを使う
カビキラーやハイターには、次亜塩素酸ナトリウムを主成分としており、次亜塩素酸ナトリウムはプールや水道の殺菌で使われます。ハイターを使うのであれば、バケツのお湯にキャップ一杯分のハイターを入れて、それでゴシゴシカビのついた部分を落とします。ハイターを使うのであれば、直接手に触れないように気をつけてください。目には見えませんが、手の細胞までも溶かしてしまいます。
カビキラーを使うのであれば、コケやカビの部分に噴射し、そのあとに塗れた雑巾でゴシゴシと拭きます。1度で落ちない場合は、落ちるまで繰り返します。これで、ほとんどのコケやカビが除去できるはずです。
高いところは?
2階など、手がまったく届かない高所のコケやカビの除去はどのようにすればいいのでしょうか?はしごは危険なのでお勧めしません。毎年死亡事故も発生してますので、そんなリスクをおかすよりも、伸びるロングモップがあります。
高圧洗浄機は外壁を傷つける恐れがあるのでお勧めしません。高圧洗浄機を使うくらいなら業者に依頼した方がマシです。
業者に依頼して外壁を洗浄する
業者に依頼して、外壁洗浄を行うメリットは、完全にキレイにカビやコケがとれることです。
外壁洗浄を業者に依頼するメリット
・カビやコケが完全にキレイにとれる
・業者任せで楽
自分でやっても、まだカビやコケがこびりついている場合も、業者に依頼することになります。業者はその程度により、「高圧洗浄」と「バイオ洗浄」を提案してきますが、カビやコケで黒ずみがある場合は、「バイオ洗浄」を検討しましょう。根こそぎ汚れを落とすことができるからです。ただし値段は高圧洗浄の2倍以上かかり、広さにもよりますが10万円程度を相場とみておきましょう。
外壁洗浄を業者に依頼するデメリット
・費用が高い(自分でやればタダ)
・高圧洗浄機の音がものすごくうるさい
という点に注意しましょう。また外壁塗装が劣化していれば「外壁塗装の営業」も受けることになると思いますが、その点は必要であれば話を聞きましょう。もし、築年数が5年程度であったり、前回の塗り替えからさほど経過してなければ、外壁塗装は不要ときっぱり言いましょう。
防止対策について
コケやカビが生えやすい壁は、方角や位置の関係から、抜本的な改善が難しいケースがほとんどです。ですから、コケやカビが生える場合は一カ月に一度はマメに掃除するのが一番です。しかし、実際はなかなか手がまわりませんよね。ですから、下記のことに気を使ってみてください。
コケやカビが目立たない色で塗装する
デザインとして、その結果、その色を選ぶのは良いのですが、わざとコケやカビが目立たない色で塗装すると、手が付けられない状態になるまで目立たないため、放置してしまう危険性があります。もし黒い外壁などの場合は、コケやカビの程度は、しっかり確認しないといけません。
防カビ機能がある塗料で塗装する
防カビ剤を使った防カビ塗料
・シリコン塗料
・ラジカル塗料
塗料自体には防カビ機能はありませんが、添加剤をいれることで防カビ機能を持っている塗料です。
塗膜に防カビ機能のある塗料
・フッ素塗料
フッ素塗料は、塗膜にもともと防カビ機能を有しています。
防カビ(コケ)塗装を業者に依頼する
コケやカビがあまりにもひどく、前回塗装から(あるいは新築から)10年経過している場合は、防カビ塗装を業者に依頼しましょう。
防カビで使う塗料は、塗装店によって変わってきますし、金額も依頼する業者によって変わってきます。
ですのでまずは複数の業者に話を聞いて、見積もりをとることが大事です。まずは複数のプロに聞いてみることから始めてみましょう。