セメント瓦塗装の方法と雨漏り対策をトータルで考える
2025.07.21
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「セメント瓦 塗装 雨漏り」というキーワードで検索される方の多くは、住まいの老朽化や雨漏りへの不安を抱えている方ではないでしょうか。実際に私が屋根塗装業を始めたばかりの頃、近所に住むご年配のご夫婦から「突然、天井からポタポタと音がして…」と相談を受けたことがあります。調査の結果、セメント瓦の劣化と塗膜の剥がれが原因で、雨水が浸入していたことがわかりました。
この記事では、セメント瓦の塗装方法と、劣化による雨漏り対策について、実務経験に基づいた具体的な内容を紹介します。今、まさに屋根塗装を検討中の方に向けて、**「なぜ必要なのか」「どのようにすれば良いのか」**を分かりやすく解説します。
目次
セメント瓦の塗装方法と必要性
1-1 セメント瓦の劣化とその影響
セメント瓦は、コンクリートを主原料とした屋根材で、粘土瓦と比べると軽量で施工性が良く、色や形のバリエーションも豊富です。日本全国の戸建て住宅で長年採用されてきた理由は、見た目の重厚感とコストパフォーマンスの高さにあります。
しかし、セメント瓦は無機質な素材であるため、水を吸収しやすく、塗装による防水処理が前提となる素材です。新築時にはしっかりと塗装されていても、10年、15年と経過するにつれ、徐々に塗膜が劣化し、表面の防水性が損なわれていきます。
塗膜の劣化が進むと、以下のような現象が顕著になります:
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瓦の表面が白っぽくなり、粉を吹いたようになる(チョーキング現象)
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細かいひび割れ(ヘアクラック)が目視で確認できる
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塗膜が剥がれ、瓦本体が露出する
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苔やカビ、藻が繁殖し始める
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雨の後、屋根裏が異常に湿気る
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室内の天井に雨染みが発生する
これらはすべて、「塗装の劣化=防水性能の低下」が原因です。特にチョーキングは最も早く現れる劣化のサインで、手で触ると白い粉がつく状態になります。これは紫外線や風雨の影響で塗料の樹脂が分解された結果であり、明確な「塗り替え時期のサイン」と言えるでしょう。
さらに放置すると、雨水がセメント瓦を通過して下地材に浸透し、防水シート(ルーフィング)の劣化や木材の腐食、果ては雨漏りへとつながってしまいます。私たちの施工事例の中にも、「室内に水滴が垂れて初めて屋根を意識した」という方が数多くいました。
被害が拡大する前に、早期の点検と塗装メンテナンスを行うことが、住宅を長持ちさせる最大のポイントになります。
1-2 劣化を防ぐ塗装の重要性
セメント瓦の塗装は、単なる美観の回復だけでなく、建物の寿命を延ばす重要なメンテナンス工事です。塗装の最大の役割は「防水性の確保」。これがなければセメント瓦は水を吸い込み、劣化が加速します。
特に雨漏り対策において、塗装は「第一の防御壁」となります。正しい施工がされていれば、塗装だけで雨漏りのリスクは大きく低減できます。逆に、塗装が不適切であれば、どんな高級塗料を使っても効果は長続きしません。
では、塗装の効果を最大限に発揮するためには何が重要か?
それは**「塗る前の準備=下地処理」**です。具体的な工程は以下のとおりです:
【1】高圧洗浄
長年の埃、コケ、古い塗膜を150~180気圧の水圧で徹底的に洗い流します。この工程を省くと、新しい塗料が密着せず、早期の剥がれや膨れの原因になります。
【2】補修作業
ひび割れや欠けがある箇所には専用の補修材(セメントパテやシーリング材)で修復を行います。割れた瓦は交換します。
【3】下塗り(プライマー)
下塗りは接着剤のような役割を果たし、上塗り塗料の吸い込みを防ぐとともに、瓦と塗料の密着性を高めます。
【4】中塗り・上塗り(2回塗り)
中塗り・上塗りには、防水性・耐候性・遮熱性に優れた塗料を使用します。2回塗ることで塗膜に厚みが出て、耐久性が飛躍的に向上します。
これらの工程を丁寧に行うことで、塗装の効果は10年以上保たれます。例えば、私たちが昨年施工した築28年のセメント瓦住宅では、施工後1年が経過しても美観・防水性ともに良好で、雨漏りゼロを維持しています。
塗装はただ「色を塗る」だけではなく、住まいを守るための防御工事であるという認識が大切です。
1-3 塗装のメンテナンスと寿命
塗装の耐久年数は、使用する塗料のグレードや施工技術によって異なります。以下は代表的な塗料の種類と耐用年数の目安です:
塗料の種類 | 耐用年数 | 特徴 |
---|---|---|
アクリル系 | 約5〜7年 | 安価だが耐久性が低く、短期間での再塗装が必要 |
ウレタン系 | 約7〜10年 | 柔軟性があり、ひび割れに強いが紫外線に弱い |
シリコン系 | 約10〜12年 | コストと耐久性のバランスが良く、人気が高い |
フッ素系 | 約15〜20年 | 高価だが抜群の耐候性。再塗装のサイクルが長い |
施工現場で最も多く使用されているのはシリコン系塗料です。価格・性能・耐用年数のバランスが優れており、10年以上は再塗装の必要がないため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。
ただし、塗料の性能だけに頼ってはいけません。大切なのは定期的な点検と早めの対処です。
点検の目安
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築10年を超えたらまずは1回点検
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その後は5年ごとに定期点検
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チョーキング・苔・ひび割れが出てきたら再塗装を検討
私たちが推奨しているのは、「点検5年、塗装10年サイクル」。このサイクルを守れば、雨漏りのリスクを最小限に抑えながら、美観と機能を長期間保つことができます。
また、メンテナンス時には、塗装だけでなく瓦のズレや雨樋の詰まり、防水シートの状態確認も一緒に行うと、住まいの寿命をさらに延ばせます。
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2.セメント瓦の補修方法と注意点
2-1 補修が必要な症状の見極め方
セメント瓦に補修が必要かどうかを見極めることは、雨漏り対策として非常に重要です。放置すると防水層の劣化を加速させ、屋根全体の改修が必要になるケースもあります。早期発見と適切な対処こそが、補修コストを最小限に抑えるカギです。
以下のような症状が見られた場合は、セメント瓦の補修を検討するサインです。
【よく見られる補修のサイン】
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瓦のひび割れや欠け
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表面の小さなヒビでも、雨水の侵入経路になる可能性があります。
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ズレや浮き
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瓦同士の重なりがずれていたり、釘が浮いていると、強風や大雨の際に瓦が飛ばされる危険性があります。
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苔やカビの繁殖
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表面に緑や黒の斑点がある場合、防水性が低下して湿気を含んでいる状態です。
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雨漏りや天井のシミ
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屋根の劣化が進行しており、早急な対応が必要なサインです。
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私の経験では、築20年以上経過した住宅では、塗装だけでなく補修も必要となるケースが8割を超えています。特に、**見た目に目立たない「浮き」や「ズレ」**は、見落とされやすいポイントです。
定期的な点検と目視チェックを通じて、早い段階で補修が必要な症状を見つけることが、雨漏り被害の予防に直結します。
2-2 セメント瓦補修の施工手法
セメント瓦の補修には、症状の程度や範囲に応じていくつかの手法があります。軽微なひび割れから、下地材の補修まで、適切な施工方法を選ぶことが重要です。
【主な補修方法と手順】
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部分補修(ひび割れ補修)
ヘアクラック(髪の毛のように細いひび)程度であれば、防水材や屋根用コーキング剤で充填処理を行い、塗装で仕上げます。
→費用の目安:約1,000円~3,000円/1か所 -
差し替え工事(瓦交換)
大きく割れた瓦や変形してしまった瓦は、新しいセメント瓦に交換します。同一色・同型が入手できない場合は、近似色の塗装でカバーします。
→費用の目安:約3,000円~5,000円/1枚 -
棟の補修(漆喰や棟瓦のずれ)
棟瓦の固定が甘くなっている場合や漆喰が剥がれている場合、再施工が必要です。強風対策にもつながります。
→費用の目安:約30,000円~80,000円/棟 -
防水シート(ルーフィング)の点検と張り替え
雨漏りが発生している場合、瓦の下に敷かれた防水シートが劣化している可能性があります。この場合は瓦を一時撤去して、ルーフィングを張り替えます。
→費用の目安:約100,000円~300,000円/30㎡
私が担当した現場でも、築30年を超えるセメント瓦屋根で、表面上は軽微なひびだけに見えていたにもかかわらず、ルーフィングが大きく損傷していたケースがありました。結果的に差し替え+ルーフィング全面改修で対応し、雨漏りは完全に止まりました。
表面的な劣化だけで判断せず、瓦の下の構造まで目を向けることが、真の雨漏り対策に繋がります。
2-3 専門業者への依頼と判断基準
セメント瓦の補修は、見た目以上に専門的な知識と経験が求められる作業です。誤った補修方法は、雨漏りを悪化させたり、瓦の寿命を縮める原因になりかねません。
そのため、DIYでの補修はおすすめできません。補修が必要なタイミングでは、必ず専門の塗装・屋根工事業者に相談することが大切です。
【信頼できる業者の見極めポイント】
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現地調査が無料で丁寧かどうか
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調査時に写真を撮って説明してくれるか
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施工内容と費用が明確に提示されているか
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保証内容やアフターフォローがあるか
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過去の施工実績や口コミが良好か
特に重要なのは、「必要以上の工事をすすめてこないか」という点です。セメント瓦の補修には、状況に応じて「必要なだけの工事」が存在します。私たちの会社では、実際の劣化状態に基づいて補修内容を提案し、写真付きの報告書と共に見積もりを提出するようにしています。
また、信頼できる業者であれば、「塗装前に補修が必要かどうか」も正確に判断してくれます。これは塗装の持ちや雨漏り防止に直結するため、塗装業者の技術力・判断力が試される部分でもあります。
3.セメント瓦の長期間のメンテナンス計画
3-1 定期点検の重要性
セメント瓦は日本の気候に適した優れた屋根材であり、見た目にも重厚感があり、耐久性も比較的高い素材です。しかし、耐久性があるからといって、塗装や防水の効果が永続するわけではありません。防水性能を保ち、雨漏りを未然に防ぐためには、定期的な屋根点検が欠かせません。
セメント瓦は経年とともに徐々に塗膜が劣化し、表面が粉を吹く「チョーキング現象」や、小さなひび割れ(ヘアークラック)などが発生します。こうした初期症状を見逃すと、雨水が瓦の下に浸透し、屋根下地や天井裏の腐食・カビ発生・雨漏り被害へとつながります。
私が担当した築12年の住宅では、見た目には問題がないように見えたにも関わらず、高圧洗浄をした瞬間に塗膜が大量に剥がれ落ちる状態でした。施主様も非常に驚かれ、「見えない部分ほど注意が必要だと痛感しました」と話されていました。
以下のような項目は、特に定期点検でチェックすべきポイントです:
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セメント瓦の割れ・ズレ・浮き
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塗膜の色あせや剥がれ
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コケやカビの発生状況
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雨樋の詰まり・ひび割れ
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屋根裏に発生した染み・カビ・湿気
おすすめの点検頻度は最低でも5年ごと。築年数が10年を超えている場合や、過去に一度も屋根点検を行っていない場合は、なるべく早く点検を受けることを推奨します。
最近では、無料で屋根点検を行う外壁・屋根専門業者も増えており、費用をかけずに早期発見・早期対策ができるチャンスでもあります。実際、当社の無料点検サービスでは、雨漏り予備軍とされる軽度のヒビを早期に発見し、数万円で簡易補修できた事例も多数あります。
大切なのは、「異常が起きてから慌てる」のではなく、**「異常が起きる前に備える」**という考え方です。定期点検は住宅を守るための最も効果的でコストパフォーマンスの高い対策です。
3-2 経年劣化に対する対策
セメント瓦の劣化は避けられない自然現象です。特に日本のように四季があり、紫外線や台風、豪雨といった天候の影響を強く受ける地域では、塗膜の耐久性が10年程度で低下するのが一般的です。
劣化が進むと、瓦の表面から水が浸透しやすくなり、内部の防水シート(ルーフィング)や野地板まで劣化していきます。そうなると、塗装だけではカバーできず、葺き替え工事や防水層の全面補修が必要になり、費用が数十万円〜100万円を超えることもあります。
そこで重要なのが、以下のような段階的なメンテナンス対策です:
築年数 | おすすめメンテナンス内容 |
---|---|
10年目 | 屋根の点検+初回塗装(シリコン塗料など) |
20年目 | 再塗装+一部セメント瓦の差し替え補修 |
30年目 | 防水シート(ルーフィング)点検+必要に応じて葺き替え検討 |
私が担当した築28年の2階建て住宅では、雨漏りこそ発生していませんでしたが、棟瓦のズレや漆喰の剥がれが見つかりました。現地調査の結果、防水シートの一部に浮きが確認され、劣化の進行を考慮して、シリコン系塗料による塗装・棟の再施工・部分的なルーフィングの交換を行いました。
この対策により、今後10年間は安心して暮らせる住環境を維持できるようになり、施主様からは「塗装だけでなく構造も見てくれて助かった」とのお声をいただきました。
こうした「予防修繕」という視点を持つことで、トラブルを未然に防ぐだけでなく、結果的に修繕コストも抑えることが可能です。外観の美しさだけでなく、住まいの安全性・快適性のために、定期的な塗装と補修は重要な選択です。
3-3 住宅保護のための長期的視野
セメント瓦を用いた住宅の寿命を延ばすには、「今どうするか」だけでなく、10年後、20年後にどう備えるかを見据えた長期計画が不可欠です。長期的な視点で塗装や点検のスケジュールを立てることで、住まいの資産価値を維持し、突発的な出費を抑えることができます。
以下は、当社が推奨する長期的なメンテナンススケジュールです:
メンテナンス項目 | 築年数の目安 | 内容と目的 |
---|---|---|
初回点検 | 築5年 | 軽微な劣化の有無確認・洗浄 |
初回塗装 | 築10年 | 防水性能を高める塗装(シリコン・フッ素系) |
再点検 | 築15年 | ヘアークラック・棟のズレのチェック |
再塗装 | 築20年 | セメント瓦の劣化状況に応じて再塗装 |
防水対策 | 築25〜30年 | ルーフィングシート補修・棟の再構築など |
このように計画的に進めることで、30年先も安心して住める住宅を維持することができます。メンテナンスを怠った結果、築25年で葺き替え工事を余儀なくされたお客様も実際におられ、想定以上の費用負担を強いられるケースも少なくありません。
当社では、単なる施工だけでなく、点検記録・写真付き報告書・次回推奨時期のアドバイスなどを一括提供しています。お客様の住まいの「健康診断書」を残すような形で、将来的な不安を見える化できるのが特長です。
特に、「今は問題なさそう」と感じていても、セメント瓦は外見からは分かりにくい劣化が進行しているケースも多くあります。将来の大規模工事を回避するためにも、早め早めの対策を検討することをおすすめします。
まとめ
セメント瓦は耐久性の高い屋根材ですが、塗膜の劣化や雨漏りのリスクを放置すれば、家全体の寿命に大きく影響します。大切なのは、定期的な点検を通じて、目に見えない異常を早期に発見し、計画的に塗装や補修を実施することです。
築10年目の初回塗装、20年目の再塗装、30年目の防水シート対策といった長期スケジュールを意識することで、大規模修繕のリスクを避け、費用も抑えることができます。
「まだ雨漏りしていないから大丈夫」と思っていても、セメント瓦の内部では少しずつ劣化が進んでいるかもしれません。“異常が起きる前に動く”ことが、住まいと家族を守る最大のポイントです。
当社では、セメント瓦塗装と雨漏り対策に精通した専門スタッフが、点検から塗装・補修・アフターケアまで一貫して対応しています。小さな不安でもお気軽にご相談ください。
戸建て住宅の屋根や外壁の塗装を検討している方は、ぜひ今回の内容を参考に、大切なお住まいのメンテナンス計画を立ててみてください。
塗るばいでは、佐賀でお客様にピッタリの塗装プランを提案しています。佐賀の外壁塗装、屋根塗装、防水工事は塗るばいにお任せください!!
私が担当しました!

営業
生嶋 大貴Shojima Daiki
お客様のニーズをしっかりとお聞きし、最適な提案をさせていただきます。
若いエネルギーを活かし、明るく丁寧な対応でお客様の期待に応えていきますので、どうぞお気軽にご相談ください!
所有資格
- 外壁診断士
- 外壁アドバイザー
- 石綿作業主任者
- 有機溶剤作業主任者