雨漏りの危険を減らすバルコニーのメンテナンス方法
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今回の記事は、バルコニーからの雨漏りについて詳しく解説していきます。
バルコニーは、屋根がないか、あっても限定的な屋根しか設けられていない「半屋外空間」であるため、雨や風、そして紫外線といった自然環境の影響を常に受けています。そのため、他の室内部分に比べて水分に対するリスクが高く、適切な設計・施工・メンテナンスが不可欠です。
1.バルコニーの構造と雨水の流れについて
バルコニーの雨漏りは、一箇所の不具合だけでなく、外壁、床面、排水口、接合部など複数の要素が複雑に絡み合って生じることが多いため、表面的な見た目だけでは判断しづらいという特徴があります。
中でも多く見られる原因は、以下の3点です。
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防水層の経年劣化
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排水口の詰まりによる排水不良
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建物本体との取り合い部分からの雨水の侵入
以下では、これらの問題点をそれぞれ詳しく解説し、日頃からできる対策についても紹介します。
1-1. 外壁との取り合い部分のチェック
● 雨水が入りやすいのは「建物とバルコニーが接する部分」
バルコニーと建物の接点を「取り合い部」と呼びます。この取り合い部は、構造的にどうしても“すき間”が生じやすく、雨水が侵入するリスクが高い場所です。
このすき間には通常、コーキング材(シーリング材)を使用して防水処理が施されています。しかしながら、このコーキング材は時間の経過とともに劣化しやすく、紫外線や雨風によって次第にひび割れたり、剥がれたりしていきます。
コーキングの劣化は、見た目では気づきにくいこともあり、表面上は問題がないように見えても、内部ではじわじわと雨水の侵入が進行しているというケースも少なくありません。
私が実際に調査した現場では、築10年を超える住宅で、バルコニーの外観はきれいでしたが、壁際のコーキングがすでに劣化しており、その下の構造体に水が浸透していた事例がありました。
● 対策方法
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5年に一度は、外壁とバルコニーの取り合い部分を点検するようにしましょう。
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ひび割れや剥離が小さくても、早期にコーキングの打ち直しを行うことで、大きな被害を防ぐことができます。
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築10年以上経っている場合や、何度も補修を繰り返している場合には、**防水層ごとの再施工(全面改修)**も視野に入れると安心です。
1-2. 排水口が詰まる原因とそのリスク
● 排水口が詰まると、バルコニー全体が“プール”に
バルコニーには通常、1〜2ヶ所の**排水口(ドレン)**が設けられており、雨水はそこからスムーズに排水される設計になっています。しかし、この排水口が詰まると、水が行き場を失い、バルコニー全体に水が溜まる「水たまり」状態になります。
この状態が長引くと、雨水は徐々に床の防水層を越えて内部へと侵入し、雨漏りを引き起こします。また、溜まった水が外壁やサッシ周辺に流れ込むことで、室内への漏水につながる危険性もあります。
● 詰まりの原因となるもの
排水口に詰まる主な要因は、以下のような自然および生活由来の異物です。
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落ち葉や花びら
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砂ぼこりや泥
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ペットの毛
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鳥の羽、糞
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ビニールやプラスチック片などのゴミ
実際の現場では、「排水口の上に植木鉢が置かれていたために水が流れなくなり、床が水浸しになった」という事例も確認されています。日常のちょっとした配置ミスでも大きな被害につながるのです。
● 対策方法
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月1回を目安に排水口まわりを掃除し、ゴミや泥を取り除くようにしましょう。
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雨が降った後に水の引きが遅くないかチェックすることも大切です。水がいつまでも残っている場合は、排水機能に何らかの問題がある可能性があります。
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年に1回程度は**排水テスト(バケツ1杯の水を流すなど)**を行い、逆流や水漏れがないか確認すると安心です。
1-3. 床面の傾斜と水の逃げ道
● 傾斜が崩れると、水が流れなくなる
バルコニーの床面は、一見フラットに見えても、実は**排水口に向かってわずかな傾斜(勾配)**が設けられています。このわずかな勾配があることで、雨水は自然と排水口へと流れていく仕組みです。
しかし、時間の経過とともに、床の下地が腐食・沈下することで傾斜が崩れ、場合によっては排水口とは反対方向に傾く「逆勾配」になってしまうこともあります。
こうした状態になると、床に常に水たまりができるようになり、防水層へのダメージが蓄積されてしまいます。水はけが悪い環境が長く続くと、カビや苔の発生、滑りやすくなるなど、安全面や衛生面の問題にもつながります。
● 対策方法
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雨上がりの後にバルコニーの床面を観察し、水が特定の場所に残っていないか確認しましょう。
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水が一方向に集中している、排水口に流れていかない場合は、傾斜に問題がある可能性があります。
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傾斜の不具合が確認された場合は、防水層と下地の再施工工事が必要になります。専門業者に相談し、正しい勾配設計を再構築してもらうことが重要です。
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2.バルコニーの雨漏りを防ぐためにできるメンテナンス
バルコニーは常に風雨や紫外線にさらされており、家の中でも特に傷みやすい場所の一つです。適切なメンテナンスを怠ると、雨漏りや内部構造へのダメージに直結する恐れがあります。ここでは、雨漏りを未然に防ぐための具体的なメンテナンス方法について詳しく解説します。
2-1. コーキングとシーリングの役割とは?
バルコニーの角の部分や、手すり・壁との接合部には、「シーリング(またはコーキング)」と呼ばれる防水材が使われています。このシーリング材は、建物の隙間を埋めて雨水の侵入を防ぐ、いわば“防水の最前線”です。
【シーリングの重要ポイント】
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耐用年数はおおよそ5〜10年程度。紫外線や温度差、雨風などの影響を受けて徐々に劣化していきます。
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劣化が進むと、硬化して弾力性を失い、ひび割れや剥離が発生。これが雨漏りの原因になります。
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劣化が確認された場合は、古いシーリング材を完全に撤去し、新しいものに打ち直すことが必要です。
普段からバルコニーを観察してみましょう。特に、バルコニーと外壁の境目や、手すりの根本などはチェックポイントです。小さなひび割れであっても、そこから雨水が入り込み、建物内部の構造材を傷めてしまう可能性があります。早期発見・早期補修がとても大切です。
2-2. 劣化した防水層の交換方法
バルコニーの床面には、雨水の侵入を防ぐための「防水層」が施工されています。防水層にはいくつか種類がありますが、住宅でよく使われているのは「FRP防水(繊維強化プラスチック)」や「ウレタン防水」です。
これらの防水材も、経年によってひび割れや膨れ、剥がれといった劣化が生じます。放置していると雨漏りだけでなく、床下構造の腐食につながることもあるため、定期的な点検と補修が必要です。
【FRP防水補修のステップ(一例)】
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劣化したトップコートを削り落とす。
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下地の状態を丁寧に確認し、必要があれば補強を行う。
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ガラスマットを敷き、その上に樹脂を塗布して防水層を再形成。
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表面を研磨し、最後にトップコートで仕上げる。
防水工事はDIYも可能ですが、下地の状態確認や仕上がりのクオリティを考慮すると、専門業者への依頼が安心です。施工費の目安としては、1㎡あたり約6,000〜10,000円程度。ただし、部分的な補修と全面補修では費用に大きな差が出るため、事前に見積もりを取ることをおすすめします。
2-3. 雨漏り補修剤の選び方と注意点
「ちょっとした雨漏りを自分で直してみたい」と思ったときに役立つのが、市販されている雨漏り補修剤です。ホームセンターや通販サイトなどで手軽に購入できるため、応急処置として使われることが多いです。
【主な補修剤の種類と特徴】
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変成シリコン系:耐候性に優れ、紫外線にも強いため、屋外での使用に適しています。
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ポリウレタン系:下地への密着性が非常に高く、既存の防水層と馴染みやすいのが特徴です。
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アスファルト系:価格が安く、施工も比較的簡単。短期的な補修に向いています。
ただし、こうした補修剤はあくまでも一時的な対処であり、雨漏りの根本的な解決にはなりません。補修後も様子を観察し、1年以内には専門業者による点検や本格的な工事を依頼することをおすすめします。
3.雨漏りの影響と火災保険の適用
3-1. 雨漏り被害と火災保険の関係
バルコニーからの雨漏りが進行すると、床下や天井裏にまで水が浸透し、木材が腐食するリスクが高まります。特に2階以上にバルコニーがある場合、重力に従って水が下の階へと流れ、広範囲に被害が広がる傾向があります。
では、このような被害は火災保険でカバーされるのでしょうか?
答えは**「条件付きで可能」**です。火災保険には、台風・暴風雨などの「風災・水災補償」が付帯されていることが多く、自然災害を原因とする雨漏りであれば補償の対象となります。
実体験エピソード:
筆者が過去に担当したお客様の例では、バルコニーの排水口に落ち葉が詰まり、集中豪雨の日に雨水が逆流。2階の部屋にまで水が浸み出してしまいました。原因は「外部要因」として認められ、約75万円の修繕費が火災保険でカバーされました。
3-2. 補償を受け取るための条件
火災保険で雨漏りの補償を受けるには、いくつかの重要な条件があります。
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自然災害によるものか:経年劣化や施工ミスは補償外です。
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被害発生からすぐに連絡したか:発見から3年以内が一般的な請求期限です。
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修理前に証拠を残しているか:写真や動画、施工業者による調査報告書が必要です。
保険会社が重視するのは、「突発的で予測困難な事象による損害」であることです。
具体例:
「築15年のバルコニーに初めて雨漏りが発生した」場合でも、劣化が明らかであれば補償は下りません。逆に、「築5年で、台風直後に雨漏りが発生した」場合には、補償される可能性が高くなります。
3-3. 保険金の請求手続きの流れ
雨漏りで被害が発生した場合、以下の手順で火災保険の請求が可能です。
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保険会社に連絡
→ 保険証券を手元に用意し、事故受付センターに連絡。 -
写真・動画で現場を記録
→ 水が染み出た箇所、防水層の剥がれ、排水溝の状況など。 -
業者に調査依頼と報告書作成
→ 第三者による調査報告が説得力を持ちます。 -
必要書類の提出と審査
→ 修理見積書、調査報告書、現場写真を提出。 -
保険金の支払い
→ 審査に2週間〜1ヶ月程度。認められれば保険金が支給されます。
まとめ
バルコニーは、建物の中でも特に外部環境の影響を受けやすい場所のひとつです。風雨や紫外線に常にさらされるため、経年による劣化が進みやすく、雨漏りのリスクも高くなります。小さなヒビ割れや防水層の剥がれなど、初期段階の不具合を放置していると、やがて雨水が建物内部に侵入し、木材の腐食やカビの発生といった深刻なトラブルにつながることもあります。
しかし、こうした雨漏りは、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、事前に防ぐことが可能です。とくに築10年を超える戸建て住宅では、防水性能の低下が顕著になることが多く、放置せず早めの対応が大切です。
また、外壁塗装や屋根塗装を検討している方は、防水工事を同時に依頼するのがおすすめです。なぜなら、これらの工事を別々に行うと、それぞれの作業で足場を組む必要があり、そのたびに足場費用が発生してしまうためです。外壁や屋根の塗装と同時に防水工事をまとめて行えば、足場費用を一度で済ませることができ、結果的に費用を大幅に削減することができます。また、建物全体のメンテナンスを一括で行うことで、住まいの寿命を延ばすことにもつながります。
もし、「最近バルコニーの床面にひび割れを見つけた」「防水シートが浮いてきている」「築年数が10年以上経過している」といった状況に心当たりがある方は、ぜひ信頼できる専門業者に相談してみてください。専門家による点検を受けることで、今後のメンテナンス計画を立てやすくなり、不安なく暮らし続けることができるでしょう。
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私が担当しました!

営業
生嶋 大貴Shojima Daiki
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所有資格
- 外壁診断士
- 外壁アドバイザー
- 石綿作業主任者
- 有機溶剤作業主任者