外壁と屋根の塗装を同時に実施するメリットを解説
2024.11.01
目次
1. 外壁塗装と屋根塗装を同時に行うメリット
外壁と屋根はどちらも住宅を保護するために欠かせない部分ですが、風雨や紫外線、気温の変化などにより、年数が経つごとに少しずつ劣化が進行します。塗装をしっかりと行うことは、家の美観を保つだけでなく、内部への水の侵入を防ぎ、住宅の耐久性を高めるためにも重要です。しかし、いざメンテナンスの時期が来ると、「外壁と屋根のどちらを優先するべきか」「費用や手間をどう分散すればいいか」といった悩みが生まれます。そこでおすすめしたいのが、外壁と屋根の塗装を同時に行う方法です。これには多くのメリットがあり、コストを抑えたり、施工が効率的になったりと、結果的に住まいの価値を向上させる選択です。以下で詳しく見ていきましょう。
1-1. コスト削減の可能性
まず、外壁と屋根を同時に塗装することで、最も大きなコスト削減効果が得られるのが「足場の設置費用」です。塗装工事を行う際には、高所作業のために足場を組む必要があり、通常、足場の設置・解体には15万円から30万円ほどの費用がかかります。これを外壁と屋根の塗装を別々に行うと、足場代だけで2倍の費用がかかってしまいます。例えば、足場代が1回15万円とすると、2回に分けて工事を行えばトータルで30万円かかることになります。しかし、外壁と屋根の塗装を一度で済ませれば、この足場代は1回分で済むため、10万円以上の大幅なコスト削減が可能になります。
さらに、同時施工により業者の作業効率が向上することで、追加の人件費や工期短縮による割引が適用されることもあります。家全体のメンテナンスコストを抑えたいと考えている方にとって、このような費用面でのメリットは大きなポイントです。
1-2. 施工の効率化について
外壁と屋根を同時に塗装することで、施工期間を短縮し、工事の効率を大幅に向上させることができます。例えば、外壁と屋根を別々のタイミングで塗装すると、2回に分けての工事日程を組む必要があるため、延べで1~2週間以上にわたる工事期間が必要になります。この間、家の周りには足場が組まれ、工事の音や職人の出入りなどが生活のストレスになることもあります。しかし、外壁と屋根を同時に行うことで1回の工事にまとめられ、施工日数も短縮され、生活への影響が少なくなります。
また、外壁と屋根を一貫して同じ職人が作業することで、仕上がりに統一感が出やすいというメリットもあります。同時施工により、塗装の色や質感が全体で統一され、外観がより美しく仕上がります。例えば、外壁と屋根の色をコーディネートしたり、素材の質感を合わせることで、家全体が一体感のあるデザインに仕上がり、見た目の印象も向上します。このような効率化と仕上がりの美しさを両立させられるのも、同時施工の大きなメリットです。
1-3. メンテナンスの手間を減らす
さらに、外壁と屋根を同時に塗装することで、次回のメンテナンスサイクルを揃えられるという利点もあります。外壁と屋根はそれぞれ耐用年数が異なり、例えば外壁は約10年、屋根は約15年ごとに塗り替えが推奨されるケースが一般的です。そのため、別々のタイミングでメンテナンスを行っていると、次回以降も「どちらを先にやるか」と悩むことになります。しかし、外壁と屋根を同時にメンテナンスしておくと、次回の塗装タイミングも合わせやすくなり、将来的なメンテナンス計画が立てやすくなります。
また、次回のメンテナンス費用も同時にまとめて見積もることができるため、資金計画も立てやすくなるのが利点です。こうしたメンテナンスの手間を減らし、住まいの資産価値を保ちながら、長く快適な環境を維持するためにも、外壁と屋根の塗装を同時に行う選択は非常に賢い方法といえるでしょう。
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2. 外壁塗装と屋根塗装の施工工程
外壁と屋根の塗装は、施工前の準備や段取りから始まり、塗装工程を経て、最後の仕上げのチェックまで一連の手順で行われます。それぞれの工程でしっかりと準備や確認を行うことで、塗装の仕上がりや長持ち効果が高まります。ここでは、工程を順に見ていきましょう。
2-1. 施工前の準備と段取り
塗装工事を円滑に進めるためには、施工前の準備と段取りが大変重要です。まず最初に行うのが「現地調査」で、施工業者が住宅に訪れ、外壁や屋根の状態を細かくチェックします。この調査では、ひび割れや塗装の剥がれ、カビや苔の発生などを確認し、補修が必要な箇所や塗装の範囲を決定します。また、近隣の建物との距離や足場の組み方なども計画し、安全に工事が行えるような段取りを整えます。
その後、施工業者が近隣住民への挨拶回りを行います。工事期間中は、足場の設置や塗装作業に伴う音や塗料のにおいなどがどうしても発生します。そのため、事前に工事内容や期間、施工時間帯などを説明し、トラブルを未然に防ぐ配慮が大切です。例えば、「朝9時から夕方5時までの作業時間で進める」「期間は1週間程度」など、具体的な情報を伝えておくと安心です。
施工当日は、まず足場を設置し、その周りに飛散防止用のネットをかけます。このネットは塗料や粉塵が飛び散らないようにするためだけでなく、周囲の安全を確保する役割もあります。次に、外壁や屋根の汚れを高圧洗浄でしっかりと取り除きます。ほこりやカビ、苔がついたままだと塗料の密着が悪くなり、剥がれやすくなるため、徹底的な洗浄が重要です。洗浄後は乾燥の時間を設け、しっかりと乾かします。このように、施工前の準備段階を丁寧に行うことで、塗装の仕上がりと耐久性が大幅に向上するのです。
2-2. 実際の塗装作業の流れ
準備が整ったら、いよいよ塗装作業が始まります。塗装の工程は、基本的に「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3つの段階で進みます。まず「下塗り」は、外壁や屋根に直接塗料がしっかりと密着するための接着剤の役割を果たします。この工程を省略すると塗装が剥がれやすくなるため、下塗りは非常に重要です。塗料の種類によっては、下塗り用のシーラー(密着材)やプライマー(下地処理材)などが使用され、塗装面の素材に応じて使い分けられます。
次に「中塗り」を行います。この工程では、下塗りで整えた下地の上に均一に塗料を重ねていくことで、色ムラがないように仕上げ、厚みを持たせます。特に屋根部分は雨や紫外線の影響を受けやすいので、十分な厚みを持たせることで耐久性を高めます。
最後の「上塗り」では、仕上げの塗装として、美観だけでなく耐候性や防汚性をさらに高めます。外壁や屋根に付着した汚れが雨水で自然に流れ落ちる「セルフクリーニング機能」を持つ塗料もあり、上塗りに適用することで長期間にわたり美観を保つことができます。上塗りは中塗りが完全に乾いた後に行う必要があり、適切な乾燥時間を確保することが重要です。
塗装工程では、塗料の乾燥時間をしっかり確保しながら、丁寧に進めることが求められます。焦って作業を進めると塗料が十分に密着せず、後々の剥がれや耐久性の低下を招く可能性があるため、時間をかけて丁寧に仕上げます。これにより、長持ちする塗装を実現できるのです。
2-3. 終了後のチェックポイント
塗装作業が完了したら、最後に仕上がりの確認を行います。この「最終チェック」では、施工業者とともに一緒に確認するのが理想的です。チェックポイントは多岐にわたりますが、まず塗装の仕上がりが均一であるかどうか、塗りムラや色ムラが発生していないかを細かく確認します。塗りムラがあると、外観だけでなく塗装の耐久性にも影響が出るため、重要なポイントです。
また、気泡や剥がれが発生していないかも注意深くチェックしましょう。塗料がしっかり密着していれば、このようなトラブルは少ないですが、施工不良がないかどうかを確認することで安心感が得られます。さらに、塗料が飛び散って窓枠や玄関、ベランダの手すりなどに付着していないかも確認します。飛び散った塗料が見つかった場合は、その場でクリーニングを依頼すると良いでしょう。
施工完了後には、業者からメンテナンス方法についてのアドバイスも提供されます。例えば、「半年に一度、外壁や屋根の表面を水で洗浄する」「葉や枝などが屋根に溜まっていないか定期的に点検する」などの簡単な手入れ方法が紹介されることが多いです。こうしたアフターケアを行うことで、塗装の美観や機能を長持ちさせられるため、積極的に実践してみてください。また、施工業者が提供するアフターサービスや保証についても確認しておくと、万が一の不具合にも迅速に対応できるため安心です。
3. 外壁塗装と屋根塗装の相場について
外壁と屋根の塗装には、それぞれで必要な費用が異なります。一般的な相場を知ることで、予算を立てやすくなり、適正な見積もりを判断するための基準にもなります。また、外壁と屋根を同時に施工する場合、費用面でのメリットがある場合も多いため、これらの情報を確認していきましょう。
3-1. 外壁塗装の平均的な価格
外壁塗装の平均的な価格は、住宅の大きさや塗料の種類、施工面積により異なりますが、一般的には80〜120万円程度が目安とされています。日本の戸建て住宅で多い「30坪程度の広さ」を基準とした場合、使用する塗料によっても費用が変動します。例えば、耐久性が高く、メンテナンス周期が長いシリコン系やフッ素系の塗料は、10年〜15年ほどの寿命があり、やや高価です。一般的なシリコン塗料を使用する場合、耐用年数が長く、メンテナンスの頻度も低く抑えられるため、初期費用は少し高くなりますが、長期的に見てコストパフォーマンスが良いと言えます。
さらに、施工内容によっても価格は変わります。例えば、ひび割れやカビの発生が見られる場合、塗装前に補修工事が必要になります。このような追加工事があると、その分費用が上乗せされることがあるため、あらかじめ予算に余裕を持たせておくと安心です。
3-2. 屋根塗装の相場と費用
屋根塗装の相場は、外壁塗装に比べてやや低めの40〜80万円程度です。ただし、屋根の材質や形状、また塗料の種類によってはさらに費用がかかる場合があります。例えば、一般的なスレート屋根の場合は比較的安価ですが、金属製の屋根や瓦屋根になると、専用の塗料や施工方法が必要になるため、費用が上がることが多いです。
また、屋根は日光や風雨にさらされる時間が長いため、塗装の耐久性が非常に重要です。そのため、耐久性の高いフッ素系や無機系の塗料を使用することが推奨されています。これらの塗料は耐用年数が15〜20年と長く、塗り替え頻度を少なくすることができる反面、初期費用はやや高めです。長期的にメンテナンスの手間を省くためにも、耐久性のある塗料を選ぶことが多くの専門家に推奨されています。
3-3. 同時塗装による価格の見積もり
外壁と屋根の塗装を同時に行うと、個別に塗装する場合に比べて、全体的な費用が抑えられるケースが多いです。具体的には、20〜30万円程度のコスト削減が期待できることもあります。これは、足場設置や撤去の費用が一度で済むためです。通常、足場設置の費用は10万円から20万円程度かかりますが、外壁と屋根を同時に塗装することで、別々に足場を設置する必要がなくなり、この分の費用が削減されます。
また、同時に塗装を行うことで、施工期間が短縮されるメリットもあります。例えば、外壁と屋根を別々に塗装する場合、トータルで2週間以上かかることもありますが、同時施工により1週間〜10日程度に短縮できることもあります。これは、近隣住民への配慮や、日常生活への影響を減らすためにも有効です。さらに、同時施工を行うと、メンテナンス周期が揃うため、将来的な塗り替え計画も立てやすく、長期的な維持費の削減が期待できるのです。
まとめ
戸建て住宅の外壁や屋根は、長年の風雨や紫外線の影響で少しずつ劣化し、適切なメンテナンスが必要です。そんな中、外壁と屋根の塗装を同時に行うことには多くのメリットがあります。まず一つ目は、足場を一度の工事で設置・解体できるため、コストを大幅に削減できる点です。足場設置の費用は1回ごとに発生するため、別々のタイミングで塗装を行うよりも10万円以上の節約が可能となります。これにより、浮いた費用を他のメンテナンスや住宅のアップグレードに回すこともできます。
また、外壁と屋根を同時に塗装することで、工事の期間が短縮され、生活への影響も最小限に抑えられます。特に、工事中の音や足場の設置などは生活のストレスになるため、1回で済むメリットは大きいです。さらに、同じ職人が外壁と屋根を一貫して作業することで、仕上がりの統一感が生まれ、見た目の美しさも向上します。色やデザインのバランスが取れた家は、資産価値を保つためにも重要な要素です。
さらに、同時施工によって、次回のメンテナンスサイクルを合わせることができるため、将来的なメンテナンスの手間も軽減されます。外壁と屋根を別々に行うと、数年ごとにそれぞれの部分のメンテナンスが必要になりますが、同じタイミングで塗装することで次の塗装時期も合わせやすくなります。これにより、スケジュールの管理が簡単になり、トータルでの住宅の耐久性も向上します。
これらのメリットを考慮すると、外壁と屋根の塗装を一緒に行うことは、費用と時間を節約するだけでなく、家の美観や耐久性を高め、長期間安心して暮らせる住まいを保つための賢い選択だと言えるでしょう。ぜひ次回の塗装やメンテナンスの際に検討してみてください!