外壁塗装の塗料に含まれる添加剤ってなに?役割と主な添加剤、種類について解説!
2022.09.17
こんにちは、「塗るばい」でお馴染みの佐賀県佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」です。
今回は、塗料の成分の一つ、添加剤についての内容です。
塗料は大きく分けて、役割ごとに以下の4つの成分に分けられます。
1.樹脂:美観と保護
2.顔料:色味を出す
3.溶剤:塗料を液状にする
4.添加剤:付加機能をつける
その中で、今回は、添加剤について、主な添加剤をご説明いたします。
添加剤とは
まずは、添加剤とは何かについてご説明します。
上でも説明しましたが、塗料は大きく分けて4つの成分に分かれ、それぞれ以下のような役割を持っています。
1.樹脂:美観と保護
2.顔料:色味を出す
3.溶剤:塗料を液状にする
4.添加剤:付加機能をつける
添加剤は、塗料に付加機能をつける成分になります。
光触媒塗料などの塗料は、添加剤によって高耐久を実現したものです。
ここからは、主な添加剤について、その成分と役割をご説明していきます。
界面活性剤
界面活性剤の成分
家庭用洗剤などにも使われている添加剤で、脂肪酸・有機酸・金属塩などが使われています。
界面活性剤の役割:表面張力を低下させ、均等に分散させる
界面活性剤の役割には、以下のようなものがあります。
・表面張力を低下させる
・塗料を固まらせずに塗料の中に均等に分散させる
・保管中の沈降を防止する
たれ防止剤
たれ防止剤の成分
ベントナイドや脂肪酸アミドなどが使われています。
「流れ止め材」「タレ止め材」とも呼ばれます。
たれ防止剤の役割:塗膜が流れ落ちるのを防ぐ
たれ防止剤の役割は、塗装の作業に適した粘度に調整し、塗膜が流れて落ちてしまうのを防ぐことです。
たれ防止剤があることで、塗装後に塗料が均一な状態を保てるような粘度を与えることができます。
ただし、粘土が常にある状態だと、塗装がしづらくなります。
そこで、攪拌(塗料を混ぜること)や塗装時など、塗料に力を加えているときは塗料の粘度が下がり、塗装が終わって力を加えなくなると粘度が上がるような仕組みになっています。
消泡剤
消泡剤の成分
食品の製造過程や化粧品などにも使われているもので、シリコン化合物やビニル系化合物が使われています。
消泡剤の役割:ピンホール(気泡)を防ぐ
消泡剤の役割は、塗料を塗ったときに空気が含まれて気泡が発生し、乾燥後に気泡の跡(ピンホール)が残ってしまうのを防ぐことです。
ピンホールとは、外壁を針で刺したような小さな穴ができる症状のことを言います。
外壁塗装において施工不良が起こる場合、塗装後の外壁に小さな穴(ピンホール)ができてしまいます。
色別れ防止剤
色別れ防止剤の成分
外壁塗装特有の界面活性剤やレシチンなどが使われています。
色別れ防止剤の役割:顔料混合で生じる色むらを防止する
お客様がご希望されるお色味は、標準色1色で表される場合もありますが、2色以上を混ぜ合わせて表す場合もよくあります。
その場合、異なる色味の塗料を混ぜ合わせると、塗料中に含まれる顔料の大きさ、比重、電荷等の違いにより、塗料中で運動度合い(動き易さ)に差が生じるため、顔料蘇生が分離します。
これにより、色別れが生じ、塗装をしたときに色別れとなって表れるのです。
この色別れを防止するのが、色別れ防止剤です。
防腐剤・防カビ剤
防腐剤・防カビ剤の成分
化粧品では、「エチルパラベン」や「プロピルパラベン」など、医薬部外品では「パラオキシ安息香酸エステル」などが含まれています。
その他の防腐剤には、「フェノキシエタノール」や「安息香酸ナトリウム」などが成分として含まれています。
防腐剤・防カビ剤の役割:腐食やカビの発生を抑える
先ほど、塗料が固まるのを防ぎ、均一に分散させるために界面活性剤を添加剤として加えると説明しましたが、界面活性剤にはデメリットもあります。
それは、スコレコバシディウムやエキソフィアラといったカビを繁殖させることです。
界面活性剤によって繁殖しやすくなったカビ、それによる腐食を抑えるために、別の添加剤を加える必要があります。
それが、防腐剤・防カビ剤です。
可塑剤
「可塑」とは
そもそも、「可塑」とは何なのでしょうか。
「可塑」とは、「柔らかく形を変えやすい」という意味です。
可塑剤の成分
可塑剤はプラスチックやゴムなどに使われているもので、酸とアルコールによって構成されます。
可塑剤の役割:塗料の柔軟性・付着力を向上させる
可塑剤の役割は、塗料の柔軟性や付着力、耐候性を向上させることです。
可塑剤は、塗料の中でも特に揮発乾燥性の塗料に添加されています。
皮はり防止剤
皮はり防止剤の成分
ターシャルブチルやジメチルフェノールなどのフェノール誘導体や、ジペンテンなどのテルペン系溶剤、ハイドロキノンなどの有機還元剤を用いて作られます。
皮はり防止剤の役割:未使用時に表面に皮ができるのを防ぐ
皮はり防止剤の役割は、塗料を使っていないときに空気と接する表面に皮が発生するのを防ぐことです。
レベリング剤
レベリング剤の成分
レベリング剤には、アクリル系重合物などが使われています。
レベリング剤の役割:塗料の表面を均一にする
外壁塗装を行うと表面が均一になっていますが、これはレベリング剤によるものです。
レベリング剤を使わないで塗装を行うと、表面張力による膨らみがいくつもできて、凸凹した状態になってしまいます。
こうなると塗料の厚みにムラができ、保護の役割をしっかりと果たせなくなります。
そのため、レベリング剤を入れることで塗料の流動性を向上させて、塗料の厚みを均一にします。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
【界面活性剤】
・界面活性剤の成分
・界面活性剤の役割:表面張力を低下させ、均等に分散させる
【たれ防止剤】
・たれ防止剤の成分
・たれ防止剤の役割:塗膜が流れ落ちるのを防ぐ
【消泡剤】
・消泡剤の成分
・消泡剤の役割:ピンホール(気泡)を防ぐ
【色別れ防止剤】
・色別れ防止剤の成分
・色別れ防止剤の役割:顔料混合で生じる色むらを防止する
【防腐剤・防カビ剤】
・防腐剤・防カビ剤の成分
・防腐剤・防カビ剤の役割:腐食やカビの発生を抑える
【可塑剤】
・「可塑」とは
・可塑剤の成分
・可塑剤の役割:塗料の柔軟性・付着力を向上させる
【皮はり防止剤】
・皮はり防止剤の成分
・皮はり防止剤の役割:未使用時に表面に皮ができるのを防ぐ
【レベリング剤】
・レベリング剤の成分
・レベリング剤の役割:塗料の表面を均一にする
について説明してきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。