【コーキング】オートンイクシードとは|超高耐久のシーリング材
こんにちは、佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」の江川です。
今回は、シーリング(コーキング)材の一つである「オートンイクシード」に関しての記事です。
この記事では、
・オートンイクシードは何系?
・オートンイクシードの耐久年数は何年?
・オートンイクシードの乾燥時間はどれくらい?
・オートンイクシードはいつできたの?
・オートンイクシードの欠点は?
これらの疑問についてお答えしていきます。
それでは参ります。
【参考ページ】
https://autochem.co.jp/products/929/
目次
コーキングの役割
はじめに、簡単にではありますがコーキングの役割をご説明します。
コーキングの役割は2つあります。
1つ目は、防水機能です。
サイディングボードやALC外壁の隙間などを埋めるためにコーキング材を詰めます。
コーキング材がないと隙間から雨水などが入り込んでしまうことになります。
すると、外壁の内部が腐食したり、雨漏りが起きたりしてしまいます。
これらを避けるためにもコーキングは必須となります。
2つ目は、衝撃の吸収です。
コーキング材は、実は柔らかく弾性があります。
この柔軟性で地震などの揺れで外壁にかかる力を軽減させて、外壁のひび割れなどを防いでくれるのです。
「いや、全然柔らかくないじゃないか」と思う方もいるかもしれません。
確かに柔らかくない状態のコーキングもありますが、それはコーキングが劣化してしまっているからです。
オートンイクシードの概要
オートンイクシードの概要は下の表のようになっています。
容器 | 320mlカートリッジ10本/箱 6Lペール×2缶/箱 |
塗装 | ◎ ノンブリード |
耐候性 | ◎ |
耐久性 | ◎ |
主な用途 | 窯業系サイディングの外装目地、PCaパネルおよびRC目地、タイルおよび石目地など |
オートンイクシードは、新たに開発された特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することで、これまでにない耐久性と耐候性を実現した「超寿命シーリング材」です。
新築・リフォームを問わず幅広い用途で使用することができ、長期にわたり建物を雨水の侵入から守ることができます。
また、※ノンブリードタイプで、コーキングの上から塗装をすることができます。
※ノンブリードタイプ・・・コーキングの上から塗装が可能なコーキング材。ノンブリードタイプでないコーキングの上から塗装をすると、可塑剤(かそざい:コーキングのゴム状の性質の元となる成分)が表面に出てきて化学反応を起こすことで、黒く変色してしまい、コーキングの機能を果たさなくなってしまいます。
オートンイクシードは何系?
オートンイクシードは、1成分形ポリウレタン系に分類されます。
そもそも、コーキング(シーリング)材は種類によって、化学反応を起こして固まるタイプや、乾燥して固まるタイプなど、硬化してゴム状になるまでの過程によっていくつか種類が分かれます。
その中でもオートンイクシードは、1成分形ポリウレタン系に分類されます。
どのような特徴を持っているのでしょうか。
まずは、1成分形についてです。
1成分形は、空気に触れると自然と固まっていくもので、そのまま充填できるタイプのコーキング材(湿気硬化型)が主流です。
そのため、固めるための添加剤を加える必要がありません。
1本ずつカートリッジタイプで販売されているため、一般の方でも使いやすいことが特徴です。
小面積の補修に対して使われることが多く、料金は2液型よりも少し高くなります。
次に、ポリウレタン系についてです。
ポリウレタン系は、塗装性に優れているという特長を持っています。
ただし、紫外線による耐候性がよくないため、屋外で使用する場合は上から塗装をすることが前提となります。
オートンイクシードはいつできたの?
オートンイクシードは、2014年に「オート化学工業」によって発売され始めました。
当初は「イクシード15+」という商品名でした。
この「15+」は、15年以上の耐久性があることを意味していました。
現在では、改良が加えられた結果、施工性の向上とともに耐久性が30年となりました。
そこで「15+」という表記が消えて「オートンイクシード」という商品名になりました。
オートンイクシードの耐用年数は何年?
オートンイクシードはなんと、30年の耐久年数を誇っています。
通常のコーキングの耐用年数が10年前後であることを考えると、かなり高耐久であると言えます。
2014年に発売されたため、まだ実績はありません。
しかし、実証実験によってその耐久年数の長さは実証されています。
ひとつは、JIS規格で「9030」に分類されています。
この数値は大きいほど紫外線劣化を起こしにくく、また追従性(衝撃への耐えやすさ)が失われにくいことを表します。
一般的に販売されているコーキング材のほとんどが「8020」までですので、オートンイクシードはかなり優れていることになります。
また、引張試験(物体を引っ張ってその伸びや最大荷重を測定し、引っ張り強さを測定する試験)で12000回以上耐えることができるという実証結果が出ています。
これらのことから、オートンイクシードは高耐久のコーキング材であることが実証されています。
オートンイクシードが高耐候・高耐久の理由
次に、オートンイクシードが高耐候・高耐久の理由についてご説明します。
コーキング(シーリング)材は、ゴム状の性質をもっています。
このゴム状の性質をもたらしているのが、可塑剤(かそざい)です。
この可塑剤ですが、紫外線や雨、温度変化、経年などの様々な要因によって、シーリング材から分離して表面に出てきてしまいます。
これをブリードと言い、コーキングの表面の塗料と反応することで黒く変色してしまいます。
ブリードが起こったコーキングは柔軟性と弾性が失われており、役割を果たさなくなってしまいます。
しかし、オートンイクシードは可塑剤に代わって新しく開発された『LSポリマー』が配合されています。
そのため、可塑剤のように表面に出てくることもなければ、塗料と反応して黒く変色することもありません。
柔らかさを長期間維持することができ、衝撃を吸収してくれます。
一般的なシーリング材の伸び率は400%なのに対して、オートンイクシードの伸び率は1000%超を誇ります。
オートンイクシードに対して、これまでシーリング材においてクリア不可能だと言われていた耐久性テストを行いました。
その内容は、「30%の圧縮と拡大の4000回の繰り返し」を3サイクル(合計12000回)行う、というものです。
結果は破断せず、「異常なし」でクリアしました。
オートンイクシードは、耐候性にも優れており、美観を長期間にわたって維持することができます。
これも、シーリング材に対してあるテストを行った結果、実証されています。
シーリング材が自然環境から受ける紫外線や熱、水分などの劣化因子に対する耐性を、耐候性試験器(SWOM)で検証しました。
検証方法は、人工的に厳しい外部環境を再現し、それに対する耐候性を長時間にわたってテストする、というものです。
結果は、過酷な条件下にもかかわらず、「6000時間」突破という衝撃的な耐候性を実証しました。
ベタつきを防ぐ『CRオリゴマー』
通常のコーキングは、経年劣化によってベタついてきてしまいます。
それに対して、オートンイクシードは、新技術の汚れ防止成分『CRオリゴマー』を配合しています。
これにより、硬化によるベタつきを軽減し、コーキングへの汚れの付着を大幅に抑えることができます。
オートンイクシードの欠点・注意点
乾燥時間を十分にとる
オートンイクシードは乾燥に時間がかかります。
硬化が早いシーリング材だと3日程度で乾くものもありますが、オートンイクシードは固まるまでに1週間ほどかかる場合があります。
職人の技術が求められる
オートンイクシードは、通常のコーキング材に比べて粘着性が高いです。
そのため、施工性はあまり良くなく、綺麗に充填するには職人の技術が求められます。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、シーリング材「オートンイクシード」について、
【コーキングの役割】
【オートンイクシードの概要】
・オートンイクシードは何系?
・オートンイクシードはいつできたの?
・オートンイクシードの耐用年数は何年?
【オートンイクシードが高耐候・高耐久の理由】
・劣化の原因である可塑剤がない
・優れた『対ムーブメント力』と『接着力』
・6000時間を超える耐候性
・ベタつきを防ぐ『CRオリゴマー』
【オートンイクシードを使用する際の注意点】
・乾燥時間を十分にとる
・職人の技術が求められる
について説明してきました。
弊社では、オートンイクシードも取り扱っております。
コーキングの劣化が気になるという方は、下のボタンから外壁診断を承っております。
是非お問い合わせください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。