スレート屋根(スレート瓦)とは?種類やメリット・デメリット、メンテナンスの周期と費用について解説。
2022.01.16
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁・屋根塗装専門店「サニー建設商事」の江川です。
皆さん、スレート屋根(スレート瓦)とは何かご存知でしょうか?
昨今、最も主流となっている屋根材の種類です。
しかし、屋根材は他にも瓦屋根や金属屋根、トタン屋根、洋瓦など多くの種類があります。
自分の家の屋根はどの種類なの?
スレート屋根とコロニアル屋根って何が違うの?
などが気になるという方はいませんか。
この記事では、
スレート屋根の種類
スレート屋根のメリット・デメリット
メンテナンスの種類と周期・費用
アスベストとの関係
スレート屋根がおすすめの人
について説明していきます。
それでは参ります。
スレート屋根とコロニアル屋根の違い
スレート屋根は、「カラーベスト」「コロニアル屋根」とも呼ばれますが、これらはスレート屋根の商品名が一般名称として定着したものですので、全く同じものと考えてもらって大丈夫です。
冒頭にも述べましたが、現在日本で最も普及している屋根材です。
スレート屋根の種類
スレート屋根とは粘板岩(ねんばんがん)の薄板を使用した屋根材のことで、「スレート瓦」とも呼ばれます。
スレート屋根には、大きく分けて「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類があります。
ここからは、それぞれの特徴を説明していきます。
【天然スレート】
一つ目は、「天然スレート」です。
天然の粘板岩(ねんばんがん)を板状に薄く加工した屋根材のことを指します。
自然な風合いや高い技術で作られる品質の高さから、高級感のある屋根材として知られています。
日本では東京駅の屋根に使用されています。
海外ではお城や寺院にもよく使われていますが、天然石を使用していることから価格が高く、一般の住宅ではあまり使われません。
【化粧スレート】
二つ目は、化粧スレートです。
化粧スレートは、セメントに繊維状の素材を混ぜて薄い板状に加工したものです。
安定した品質や作業性の高さ、費用が抑えられることなどから、住宅の屋根材として一般的に使用されています。
化粧スレートは、繊維の種類によってさらに2種類に分けられます。
石綿(アスベスト)スレート
一つ目は、石綿(アスベスト)スレートです。
これは、セメントに石綿(アスベスト)を混ぜたスレート屋根のことを指します。
2006年(平成18年)に、健康被害が懸念されることから、重量の0.1%を超えて石綿を含んでいる物の使用や製造、提供などの行為はすべて禁止となりました。
そのため、2006年(平成18年)以前に建てられた家には、石綿(アスベスト)が使われている可能性があります。
無石綿(ノンアスベスト)スレート
二つ目は、無石綿(ノンアスベスト)スレートです。
石綿を含んだものの使用や製造、提供が禁止された2006年(平成18年)以降のもので、現在最も主流になっているものです。
パルプなどの、石綿以外の繊維とセメントを混ぜたスレート屋根になります。
こちらの方は、波型や平型などの種類があり、デザインやカラーの種類も豊富であることが特徴です。
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メリット・デメリット
ここまで、
・スレートには「天然スレート」と「化粧スレート」があり、化粧スレートはさらに「石綿(アスベスト)スレート」と「無石綿(ノンアスベスト)スレート」の2種類に分けられること
をご説明してきました。
ここからは、スレート屋根のメリット・デメリットについてご説明していきます。
メリットとデメリットを表にあらわすと以下のようになります。
メリット①:価格が安い
スレート屋根の最大のメリットは、屋根材自体の購入費用や、メンテナンス費用が安価であることです。
そのため導入コスト、ランニングコスト共に安く済むのがメリットとして挙げられます。
施工に使用する部材がスレート屋根以外にほとんどないことから、材料費が安く済むため、導入コストが安く済みます。
メリット②:色やデザインが豊富
二つ目のメリットは、色やデザインが豊富であることです。
スレート屋根は、グレーやブラック、ブラウンなどの定番色から、グリーンやレッドなどのカラフルな色まで、さまざまな色の屋根材が販売されています。
また、色だけでなく形状や質感にも種類があるため、デザインの選択肢がとても多い屋根材であると言えます。
メリット③:軽量で耐震性が高い
三つ目のメリットは、軽量で耐震性に優れている点です。
金属屋根材には劣りますが、スレート屋根は屋根材全体の中では重量が比較的軽い方に分類されます。
スレート屋根は、暑さが約5mmと、とても薄い屋根材です。
粘土瓦(和瓦:わがわら)の約半分程度の重さで、1㎡あたり約18kgと、非常に軽いです。
重量が軽いことから建物にかかる負担が少なく、地震の揺れにも強いため、傷ついたり倒壊したりする危険性を下げることができます。
メリット④:依頼できる施工業者が多い
四つ目のメリットは、施工性が高く、依頼できる施工業者が多いことです。
冒頭にも述べた通り、スレート屋根は日本の戸建ての屋根材として一番多く普及しています。
そのため、ほとんどの施工業者はスレート屋根を扱うことができます。
依頼できる業者が多いと、スレート屋根の設置や、塗装や補修などのメンテナンスといった依頼がしやすくなります。
デメリット①:割れやすい・耐久性が低い
スレート屋根の最大のデメリットは、他の屋根材に比べてひび割れしやすく、耐久性が低いことです。
上でも述べた通り、化粧スレートは厚さが5mmほどの薄い板になっているため、塗膜で保護はしているものの、強風などによってヒビが入ることが多くあります。
また、その塗膜自体も剥がれて防水性が失われると、急激な雨水の吸水と乾燥を繰り返すことでひび割れが起きてしまいます。
デメリット②:雨漏りしやすい
二つ目のデメリットは、雨漏りしやすいことです。
スレート屋根が雨漏りしやすい原因はいくつか考えられます。
・ひび割れ部分からの雨水の浸水
・塗膜の剥がれによる雨水の浸水
・屋根材の反りや浮きの部分からの浸水
これらはすべて、スレート屋根の塗膜の剥がれによって引き起こされます。
塗膜が剥がれる(雨水の浸水)
↓
雨水の給水と乾燥を繰り返す
↓
屋根材の反りや浮きが起こる(雨水の浸水)
↓
ひび割れが起こる(雨水の浸水)
これらを放置しておくと、雨水が防水シート部分まで入り込み、建築材そのものや建物全体にまで劣化が及ぶ危険性があります。
デメリット③:メンテナンス頻度が多い
三つ目のデメリットは、メンテナンス頻度が多いことです。
スレート屋根自体には、雨水の侵入を防ぐ防水機能がありません。
そのため、生産時に塗装をすることで防水性を高めます。
しかし、塗料は紫外線や風雨などにさらされ続けることで経年劣化を起こします。
塗膜が剥がれたままにしておくと、上に説明したように、雨水の吸水と乾燥を繰り返すことで屋根材の反りや浮き、ひび割れを引き起こします。
メンテナンスの頻度としては、およそ5年から10年おきに行うことをお勧めします。
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メンテナンスの種類ごとの周期・費用
ここまで、
・スレートには「天然スレート」と「化粧スレート」があり、化粧スレートはさらに「石綿(アスベスト)スレート」と「無石綿(ノンアスベスト)スレート」の2種類に分けられること
・メリットとして価格の安さ、色やデザインの豊富さ、軽量・耐震性の高さ、依頼できる施工業者の多さがあること
・デメリットとして割れやすさ・耐久性の低さ、雨漏りのしやすさ、メンテナンス頻度の多さがあること
をご説明してきました。
ここでは、スレート屋根のメンテナンスの種類と周期をご説明してまいります。
スレート屋根材そのものの耐久年数は20~30年ほどです。
しかし、屋根材に防水機能はないため、塗装によって防水性を確保することが必要です。
塗膜は剥がれたり劣化したりすると防水機能を無くしてしまうため、10年から15年おきの塗装や、5年から10年おきの補修などが必要になります。
スレート屋根の補修やメンテナンスには、大きく分けて「ひび割れの点検・補修」「塗装」「棟の交換」「葺き替え(ふきかえ)」の、4つの種類があります。
ひび割れの点検・補修
一つ目は、ひび割れの点検や補修です。
繰り返しになりますが、とても重要なポイントであるためもう一度説明します。
スレート屋根は、ひび割れが入りやすいというデメリットがあります。
どのくらい入りやすいのかというと、設置の工事などの時に、体重の重い人が乗ると小さな傷が入ってしまうくらいです。
その小さな傷が、風雨や紫外線にさらされることでひび割れにつながってしまいます。
このひび割れが起こるのが、だいたい5年から10年くらいの目安です。
5年から10年のタイミングで業者に点検をお願いして、劣化の度合いに応じて補修や塗装を行うことをお勧めします。
ヒビが入っている部分を補修するだけであれば、費用は2〜5万円くらいで済みます。
塗装
二つ目は塗装です。
スレート材には防水機能がないため、10年から15年おきに塗膜によって保護する必要があります。
費用は劣化の度合いによっても変わってきますが、40万円〜60万円前後くらいかかります。
棟(むね)の交換
三つ目は、棟(むね)の交換です。
「棟」(むね)とは、屋根の頂上部分の、のことを指します(下写真参照)。
棟の部分は、年数が経つにつれて固定されている釘が弱くなり、台風などのときに強風に晒されて飛んでしまう危険性があります。
そのため、予防のために15年から20年を目安に交換を行うことをお勧めします。
費用はおよそ10万円〜30万円ほどかかります。
カバー工法
四つ目は、カバー工法です。
カバー工法は、スレート材の劣化が進んで、塗装だけでは対処ができない時に行われます。
これは、既存のスレート材の上から新しいスレート材を貼り付ける作業になります。
下で紹介する葺き替え(ふきかえ)とは違い、古いスレート材を撤去する費用がかからないため、葺き替えに比べて安くで済みます。
費用としては、およそ100万円〜150万円程度になります。
葺き替え(ふきかえ)
五つ目は葺き替え(ふきかえ)です。
葺き替え(ふきかえ)は、雨漏りが起こっていて塗装だけでは対処できない場合や、築30年ほど経って、スレート屋根の耐久年数を終えた時などに行います。
葺き替えは、既存の屋根材を取り除いて撤去して、新しい防水シートと屋根材を貼り付ける作業になります。
費用は、約150万円〜200万円ほどかかります。
改めて、スレート屋根の補修と費用相場は以下のようになります。
スレート屋根にアスベストはあるの?
ここまで、
・スレートには「天然スレート」と「化粧スレート」があり、化粧スレートはさらに「石綿(アスベスト)スレート」と「無石綿(ノンアスベスト)スレート」の2種類に分けられること
・メリットとして価格の安さ、色やデザインの豊富さ、軽量・耐震性の高さ、依頼できる施工業者の多さがあること
・デメリットとして割れやすさ・耐久性の低さ、雨漏りのしやすさ、メンテナンス頻度の多さがあること
・メンテナンスの種類として、ひび割れ補修、塗装、棟の交換、カバー工法、葺き替え(ふきかえ)があること
をご説明してきました。
ここからは、スレート屋根とアスベストについてご説明していきます。
アスベストとは、数々の疾病(しっぺい)の原因となる物質のことです。
合わせて読みたい記事:アスベストとは?危険性や対処法
このアスベストについては、2006年(平成18年)に、健康被害が懸念されることから、重量の0.1%を超えて石綿を含んでいる物の使用や製造、提供などの行為はすべて禁止となりました。
そのため、2006年(平成18年)以前に建てられた家には、石綿(アスベスト)が使われている可能性があります。
もしアスベストを含む屋根材だった場合でも、大きな心配は必要ありません。
屋根の葺き替え(ふきかえ)以外のメンテナンスであれば、特別な対処は必要ありません。
ただし、葺き替えを行う場合は、25万円〜40万円の撤去費を追加で払って行うか、カバー工法を行うかのどちらかが必要になります。
【その他の屋根の人気記事】
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スレート屋根がおすすめな人
ここまで、
・スレートには「天然スレート」と「化粧スレート」があり、化粧スレートはさらに「石綿(アスベスト)スレート」と「無石綿(ノンアスベスト)スレート」の2種類に分けられること
・メリットとして価格の安さ、色やデザインの豊富さ、軽量・耐震性の高さ、依頼できる施工業者の多さがあること
・デメリットとして割れやすさ・耐久性の低さ、雨漏りのしやすさ、メンテナンス頻度の多さがあること
・メンテナンスの種類として、ひび割れ補修、塗装、棟の交換、カバー工法、葺き替え(ふきかえ)があること
・アスベストは2006年より前に建てられた家に含まれている可能性があること
をご説明してきました。
最後に、スレート屋根がお勧めな人をご紹介してまいります。
費用を抑えたい人
スレート屋根は、屋根材の中では導入コスト、維持コストともに安く済む建築材です。
そのため、費用を抑えたい人におすすめの屋根材になっています。
おしゃれなデザインを選びたい人
スレート屋根は、形状や材質、カラーバリエーションに富んだ屋根材です。
おしゃれな屋根にしたい、と思っている人にはおすすめの屋根材になっています。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
スレート屋根の種類
スレート屋根のメリット・デメリット
メンテナンスの種類と周期・費用
アスベストとの関係
スレート屋根がおすすめの人
について説明してきました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。
【その他の屋根の人気記事】
https://saniken.com/column/column/about-galvanized-iron-roof/
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