破風板とは?役割や劣化症状と修理法、費用相場について解説!
2021.12.19
目次
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁・屋根塗装専門店「サニー建設商事」の江川です。
今回は、破風板についての内容です。
みなさん、破風板とは何かご存知ですか?
下画像の赤丸部分が「破風板」と呼ばれる部分になります。
破風板と似たものに鼻隠がありますが、これらは厳密には違うものになります。
関連記事:鼻隠とは?役割や材料、劣化症状別の施工方法について解説。
この破風板について、
どんな役割なの?
劣化症状ってどう見分けたらいいの?
修理の費用相場っていくらくらい?
という方はいませんか。
この記事では、
破風板の役割
破風板の材質
破風板が劣化する原因
破風板の劣化症状と修理法
破風板修理の費用相場
についてご説明してまいります。
それでは参ります。
破風板の役割
まずは、破風板の役割についてご説明してまいります。
破風板の役割は、大きく分けて3つに分けられます。
防風性を上げる
破風板の最大の役割は、屋根の防風性を上げることです。
家の屋根は構造上の性質として、上から吹き付けられる風には強い一方で、横や下から吹き付ける風には弱くなっています。
破風板を設置して風の方向を分散させることで、屋根と外壁材が接合されている部分に風が吹き付けるのを防ぎ、屋根の強度を上げて屋根裏に侵入する風を防いでいるのです。
防火性を上げる
2つ目の役割は、防火性を上げて火災から家を守ることです。
住宅火災が起こった場合、火は下から上に向かって延焼する性質があります。
窓から上がった火が軒に達するスピードは、驚くほど早いです。
破風板がない状態だと、火が屋根まで一気に達してしまうことになります。
破風板があることで、屋根裏に火がまわるのを遅らせる役割を果たしてくれるのです。
雨水の侵入を防ぐ
3つ目の役割は、雨水の侵入を防ぐことです。
強風を伴う雨や台風時の雨の場合、真横から吹き付けるような形で降ることになります。
破風板には、風の方向を分散させるという役割があることを先ほど説明いたしました。
この役割があることで、風によって流される雨も分散させ、屋根や外壁材の接合部分に達するのを防ぐことができます。
破風板の材質
これまで、破風板には風雨から守る役割や、防火性・耐風性の向上、雨水の侵入の防止などの役割があることを説明してきました。
ここからは、破風板に実際に使われる材料についてご説明してまいります。
木材
20年ほど前に建てられた家で主流だったのが、木材でできた破風板です。
当時は安価なことから広く導入されておりましたが、紫外線の影響を受けやすいため劣化が早いという特徴があります。
そのため近年では、より耐久性の高い鋼板や窯業系が主流になってきています。
モルタル
2つ目は、モルタルの破風板です。
モルタル外壁の家でよく用いられていた材質になります。
近年ではそもそもモルタル壁の家自体が少なくなってきているため、モルタル材による破風板自体も減ってきています。
ガルバリウム鋼板
3つ目は、ガルバリウム鋼板による破風板です。
木製の破風板の上に、ガルバリウム板金を覆ったものになります。
ガルバリウム鋼板は耐久性が非常に高く、メンテナンスがほとんど不要という特長を持っています。
そのため、ガルバリウム鋼板の破風板も同様に、メンテナンスがほとんど不要になっています。
窯業系
4つ目は、窯業(ようぎょう)系の破風板です。
外壁が窯業系サイディングの家でよく使われています。
耐火性や耐久性、化粧性に優れているという特長を持っており、近年では多く用いられている材料です。
破風板が劣化する要因
ここまで、破風板には屋根を風から守る役割、耐火性・耐風性・防水性を高める役割があることや、材質として木材やモルタル、ガルバリウム鋼板やサイディングがあることをご説明してまいりました。
ここからは、破風板が劣化する要因についてご説明していきます。
風雨による劣化
一つ目の要因は、暴風雨や大雨、台風などの風雨による腐食です。
経年劣化などにより傷んで塗膜が剥がれた破風板に水が侵入することで劣化が起こります。
木材の破風板であれば腐食が進み、その他の材質であればサビなどの危険性があります。
太陽光による劣化
破風板の耐用年数は、一般的に20年くらいです。
破風板は常に太陽光にさらされて紫外線を受けているため、傷みやすくなっています。
破風板が木材によるものであれば、その傾向はより強くなります。
特に南側の破風板は、日中に太陽の光を真正面から受けることになるため、塗膜の剥がれと言った劣化症状はより顕著に出てきます。
ご自分で劣化状況をチェックされるときは、南側の破風板を見てみることをお勧めします。
自然災害による劣化
これは土地性にもよりますが、自然災害による劣化も要因として挙げられます。
例えば雪がよく降る地域では、屋根から雪が落ちる際に破風板が破損する場合もあります。
佐賀市ではこのようなケースは考えづらいですが、ゲリラ豪雨などの後は特に注意して点検してみると良いと思います。
破風板の劣化症状と修理法
ここまで、破風板には耐火性・耐風性・防水性を高める役割があることや、材質として木材やモルタル、ガルバリウム鋼板やサイディングがあること、劣化の要因として風雨や自然災害、太陽光があることをご説明してまいりました。
ここからは、代表的な劣化症状についてご説明してまいります。
緊急性 低:塗膜の軽い剥がれ
塗膜が少し剥がれかかっているだけで内部に腐食や劣化が全くない場合は、ケレンをして2回塗りの塗装を行うことで改善することが可能です。
緊急性としてもそこまで高くはなく、この劣化具合の段階で塗装をすれば、その後も耐用年数は長くなります。
ただし、だからといって放置すると費用が嵩んだり、塗装後の耐用年数も短くなってしまうため、頃合いを見て塗装をすることをお勧めします。
緊急性 中:塗膜の剥がれ・木材の劣化
塗膜が剥がれてはいるものの、中の木材の劣化がほとんどない場合は、「板金カバー工法」を用いて改善します。
板金カバー工法とは、木材でできている破風板をガルバリウム鋼板で覆うことで耐久年数を上げる方法です。
板金カバー工法は、劣化症状が進んでおり塗装だけでは修繕ができない場合に用いられます。
先ほど説明した通り、ガルバリウム鋼板の耐久年数は非常に長いため、板金カバー工法を用いると耐用年数は長くなります。
しかしその分、費用は塗装よりも数倍かかってしまうため、この段階まで劣化を放置するのはお勧めしません。
緊急性が低い劣化状態のうちに塗装を行うことをお勧めします。
緊急性 高:塗膜の剥がれ・内部の腐食
塗膜が剥がれているだけでなく内部にまで腐食が進んでいる場合は、部分交換や全交換を行います。
ただしこの場合、かなり手間がかかってしまうため、その分金額もかなり高額になってしまいます。
鼻隠の上には屋根が乗っているため、一度屋根を外してから交換する必要があるためです。
全体に共通して言えることは、このように費用がかさむ前に塗装をすることが、長い目で見て費用を抑えることにつながる、ということです。
破風板修理の費用相場
ここまで、破風板には耐火性・耐風性・防水性を高める役割があることや、材質として木材やモルタル、ガルバリウム鋼板やサイディングがあること、劣化の要因として風雨や自然災害、太陽光があること、劣化症状別に塗装や板金カバー工法、全交換の対処法があることをご説明してまいりました。
最後に、破風板修理の費用相場についてご説明していきます。
塗装の場合
まずは、破風板の塗装にかかる費用相場をご紹介します。
破風板塗装の費用相場は、およそ1,000〜1,300円/mで、耐用年数は10年前後になります。
破風板は基本的に2回塗りを行いますが、下地の状況によっては下塗り剤を一回塗装してから上塗りをする3回塗りの場合もあります。
板金カバー工法の場合
木材の破風板をガルガルバリウム鋼板の破風板で覆う板金カバー工法の場合は、塗装に比べて倍以上の費用がかかります。
費用相場は、およそ3,000円〜4,500円/mで、耐用年数は20年前後になります。
全交換の場合
既存の破風板を全て交換する全交換の場合は、費用がかかる上に、耐用年数もそこまで長くありません。
費用相場は、およそ4,000円〜5,000円/mで、耐用年数は10年前後になります(素材によって変わります)。
これらを表で表すと、以下のようになります。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
破風板の役割
破風板の材質
破風板が劣化する原因
破風板の劣化症状と修理法
破風板修理の費用相場
について説明してきました。
ぜひ、後悔しない塗装をされるようにしてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。