鼻隠とは?役割や材料、劣化症状別の施工方法について解説。
2021.11.28
目次
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁・屋根塗装専門店「サニー建設商事」の江川です。
皆さん、「鼻隠」とは何かご存知でしょうか。
この言葉は「はなかくし」と読み、家の部位のひとつを指します。
家全体で言うと、下の写真の部分が「鼻隠」です。
鼻隠と似たものに破風板がありますが、これらは厳密には違うものになります。
関連記事:鼻隠とは?役割や材料、劣化症状別の施工方法について解説。
近くで見ると、こんな感じです。
この、雨樋の後ろの部分を「鼻隠」と言います。
今回は、この鼻隠について、
役割
材料の種類
劣化症状別の施工方法
塗装の際の注意点
についてご説明してまいります。
それでは参ります。
鼻隠の役割
まずは、鼻隠の役割についてご説明してまいります。
垂木を隠して見栄えを良くする
鼻隠の1番の役割は、垂木を隠して見栄えをよくすることです。
垂木とは、屋根板を支えるために棟から軒に渡した木のことです。
この切り口がそのまま外に出ていると、見栄えが良くありません。
そのため、鼻隠で切り口を隠しているのです。
また、この垂木の切り口は水分を吸収しやすくなっています。
そのため、鼻隠がない状態だと切り口が外気に直接晒されることになり、腐食が早まってしまったり、内部に雨水が侵入して雨漏りにつながったりしてしまいます。
それを防ぐために、鼻隠で垂木の切り口を全て覆うことで、腐食を防いでいるのです。
雨樋の取り付け
ふたつ目の役割は、雨樋を取り付けるための下地となることです。
この写真を見てもらえればわかるとおり、雨樋は鼻隠に取り付けられた支持金具によって支えられています。
このように、鼻隠があるおかげで雨樋を取り付けることができるのです。
屋根の耐風性を上げる
3つ目の役割は、屋根の耐風性を上げることです。
屋根はその構造上、上から吹き付けられる風には強い一方で、下から吹き付ける風には弱いという性質を持っています。
鼻隠で風の方向を分散させることで、屋根の強度を上げているのです。
鼻隠に使われる材料
これまで、鼻隠には雨樋の取り付け、屋根の強度向上、垂木の腐食防止等の役割があることを説明してきました。
次に、鼻隠に実際に使われる材料についてご説明してまいります。
木材
20年前くらいに建てられた家で主流なのが、木材の鼻隠です。
安価なため広く導入されておりましたが、紫外線の影響を受けやすいため、劣化が早いという特徴があります。
近年では、鋼板や窯業系が主流になってきています。
モルタル
2つ目は、モルタルの鼻隠です。
モルタル外壁の家でよく用いられていた材料です。
近年ではモルタル壁の家自体が少なくなってきているため、モルタル材による鼻隠自体も減っています。
ガルバリウム鋼板
3つ目は、ガルバリウム鋼板による鼻隠です。
木製の鼻隠の上に、ガルバリウム板金を覆ったものになります。
ガルバリウム鋼板は耐久性が非常に高く、そのためこのタイプの鼻隠もメンテナンスがほとんど不要という特長を持っています。
下の写真は破風板ですが、ガルバリウム鋼板で覆ったものです。
窯業系
4つ目は、窯業(ようぎょう)系の鼻隠です。
外壁が窯業系サイディングの家でよく使われています。
耐火性や耐久性、化粧性に優れているという特長を持っており、近年では多く用いられている材料です。
鼻隠の劣化症状
ここまで、鼻隠には耐久性向上、雨樋の取り付け、垂木の腐食防止の役割があること、
材料は木材、モルタル、ガルバリウム降板、窯業系の4種類があることをご説明してまいりました。
ここからは、鼻隠の劣化症状を、緊急性の低い順にご説明してまいります。
緊急性 低:塗膜の軽い剥がれ
塗膜が少し剥がれかかっているだけで、内部の木材に腐食や劣化が全くない場合は、ケレンをして3回塗りを行うことで解消いたします。
緊急性としてはそこまで高くなく、この劣化具合の段階で塗装をすれば、その後も耐用年数は長くなります。
緊急性 中:塗膜の剥がれ・木材の劣化
塗膜が剥がれてはいるものの、中の木材に劣化が及んでいない場合は、「板金カバー工法」を用います。
これは、木材の鼻隠をガルバリウム鋼板で覆うことで解消する方法です。
塗装だけでは修繕ができない場合にこの方法が用いられます。
先ほど説明した通り、ガルバリウム鋼板の耐久年数は非常に長いため、板金カバー工法を用いると耐用年数は長くなります。
しかしその分、費用は塗装よりも数倍かかってしまうため、この段階まで劣化を放置するのはお勧めしません。
緊急性 高:塗膜の剥がれ・内部の腐食
塗膜が剥がれており、内部にまで腐食が及んでいる場合は、部分交換や全交換を行います。
ただしこの場合、かなり手間がかかってしまうため、その分金額もかなりかかってしまいます。
鼻隠の上には屋根が乗っているため、一度屋根を外してから交換する必要があるためです。
全体に共通して言えることは、このように費用がかさむ前に塗装をすることが、長い目で見て費用を抑えることにつながる、ということです。
塗装の際の注意点
ここまで、鼻隠の役割や材料、劣化症状についてご説明してまいりました。
最後に、塗装の際の注意点をご説明してまいります。
鼻隠は軒先にあり、足場を設置する必要があるため、ここだけを塗装することは皆無に等しいです。
屋根塗装や外壁塗装と一緒に行うことで、足場代や人件費を抑えることができます。
また、10年から15年経った段階で塗装を行えば、劣化症状が深刻になっていることは考えづらいため、一度の塗装にかかる費用も良心的な範囲で済みます。
塗装を後回しにすることが、結果的に大きな費用を必要としてしまうため、弊社は早めの塗装をお勧めしております。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、
鼻隠の役割
鼻隠の材料
鼻隠の劣化症状
塗装の際の注意点
について説明してきました。
鼻隠には実は大事な役割があること、定期的に塗装をする必要があることを認識していただけたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上、サニー建設商事でした。