【モルタル壁】チェックポイント
2021.10.17
目次
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁・屋根塗装専門店「サニー建設商事」です。
塗装のことならまかせんしゃい!!
と謳い続けて50年。
現場調査の際、まず確認することは
既存の外壁がどんな外壁材で仕上げられているか です。
仕上げには主に、
乾式では【窯業(ようぎょう)系サイディング】
湿式では【モルタル】が使用されています。
現在新築住宅の7割がサイディング、モルタルが3割の割合ですが、
外壁の傷みが気になる築30年ほどたった住宅では両者の割合は五分五分です。
今回はそんな外壁材の中の【モルタル壁】にスポットライトを当てて、まるっとご紹介します。
関連記事:【窯業系サイディング】チェックポイント
■モルタル壁とは
塗り壁なので継ぎ目がなく、叩くと硬いのが特徴です。
セメント1に対して砂を3の割合で混ぜた後に水を追加して練り込んだ建材です。
仕上げはリシン吹付、スタッコ仕上げなどがあります。
■ポイントは【クラック】
モルタル壁の場合の1番のチェックポイントは「クラック(ヒビ)」です。
クラックは雨漏れに繋がる危険があるので適切な処置が必要です。
以下は、クラックの要因や対処法についてまとめていきます。
◆クラックの要因
・紫外線や風雨による経年劣化
・モルタル内の水分が抜けることで壁が収縮を起こした
・建物のバランスが悪かったり地盤沈下が起こるなど建物構造の問題
・地震や車の振動
・初回と2回目の塗料んぼ相性が悪い塗装ミス
・建設時にモルタル一面を一気に塗らずに間を置いたため境が出来た(縁切れクラック)
◆補修や塗装をしないでいると・・・
塗膜の白亜化(チョーキング)
↓
クラックが入ったり、塗膜がはがれることが起こる
↓
クラックがモルタルまで達する
↓
亀裂がガラス網まで達し、サビが出る
↓
モルタル壁が剥がれ落ちる。
不具合の状況により「補修して塗装」の他に「金属サイディングの重ね貼り」、
「モルタルをはがしてサイディングに張り替え」といったリフォーム方法を検討する必要があります。
■クラックの種類と補修方法
◆ヘアークラック(塗膜のクラック)
髪の毛ほどの太さのクラックは「ヘアークラック」と呼ばれます。
塗膜に細かい亀裂が入ってきている状態のことを指します。
≪要因≫
❶多いのは経年による塗膜劣化。
❷建設時の不適切な塗装(吹付塗装で多く見られる。乾かないうちの仕上げ塗装が要因の1つ)
❸塗料の選定ミス。
(弾性塗膜の上に硬質塗膜の塗装をしたことにより、上に塗った塗膜が下地の弾性塗膜の動きに追随できないことで生じる)
≪補修方法≫
☆早めの塗装がオススメです。下塗り工程時に下塗り塗料をクラックの中に刷り込むように塗ります。
但し、❸の場合は状況によっては全面塗膜を剥離してから再塗装することもある。
◆乾燥クラック(モルタルの収縮に起因するクラック)
≪要因≫
建設時、モルタルが完全に乾燥収縮する前に表面に塗膜を作ってしまうことに起因することが多い。
モルタルから水分が抜けて収縮すると、塗膜に亀裂が生じる。クラック幅は狭く、素地の収縮が収まると亀裂も止まる。
≪補修方法≫
ヘアークラック同様に補修用の下塗り塗料を使用するが、モルタルまで届くようにする必要があるため
注入材をクラックに補填する方法もある。塗装のタイミングで補修することが多い。
◆構造クラック(幅0.3㎜以上、深さ0.5㎜以上サイズのクラック)
≪要因≫
❶建物の耐力壁のバランスが悪いなどといった構造的な問題や、
不同沈下などで建物が歪み、外壁に負担がかかることで生じる。
❷凍結と融解の繰り返しでモルタルにヒビが入る。
❸建物が大きく揺れてヒビが入った。
≪補修方法≫
幅が大きい場合は、壁面をV字やU字にカットを入れて伸縮性と弾力性の高いコーキング材を充填することが多い。
放っておくと雨漏れで木部の腐れやシロアリ被害に繋がるばかりでなく、モルタルが剥がれ落ちる危険もあるので、
次の塗装時を待つことなく補修することをおススメしたい。
おわりに
いかがだったでしょうか。
今回は【モルタル壁】にスポットライトを当てて、
❶構造クラック
❷ヘアークラック
❸乾燥クラック
の順で、早めの補修が必要だという事。を確認しました。
外壁材や劣化状態によって、施工方法が異なってきます。
まずはお気軽に専門家にアドバイスを求めましょう。
※決して安い買い物ではございません。
複数の企業に見積りをとることをおススメします。
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