軒下天井(軒天)に雨染みは要注意!軒下天井(軒天)の役割や劣化症状、補修の方法や費用について解説!
2021.09.19
目次
はじめに
こんにちは、佐賀市の外壁・屋根塗装専門店「サニー建設商事」の江川です。
みなさん、軒天とは何かご存知でしょうか。名前だけは知っている、という方や、知ってるけどなんのためにあるのかわからない、という方が多いのではないでしょうか。
今回は、
軒天の役割
軒天の種類
軒天の劣化症状
軒天の修理方法
軒天のリフォーム費用
についてご説明していきます。
軒天ってどんな役割があるの?
軒天の劣化はどうやって見極めるの?
軒天の修理にはいくらくらいかかるの?
そもそも軒天って必要なの?
などが気になる方はご一読いただいて、軒天について少しでも理解を深めていただけたらと思います。
それでは参ります。
軒下天井(軒天)とは
上の写真を見てみると、外壁の上部に出っ張りがあるのが分かります。この出っ張りが、「軒(のき)」と呼ばれる部分になります。さらに、軒の下の部分を「軒下」といい、軒の裏側の天井の部分を「軒下天井」または「軒天」と言い、家の劣化の状態を判断する時によくチェックされる場所です。
近年は上の写真のような、軒がないか、あるいは極端に短い家がみられるようになってきました。
背景には、デザイン性の向上や業者側の工事費用削減の目的があります。
ですが機能の面から言うと、軒はお家を守るためにとても大切な役割を果たしているため、軒天はあったほうがいいです。
軒天の役割
軒天には大きく分けて3つの役割があります。
延焼を防ぐ
軒天の素材については後で述べますが、軒天は、金属やケイカル板などといった燃えにくい素材でできていることがあります。この機能があることで、火災が起こった場合でも火が燃え移るのを防ぐことができます。
外壁に雨や日光が直接あたりにくくする
軒天には、外壁に日光や雨が直接当たらないようにする、という役割があります。
下の画像を見てもらえればわかりますが、軒天があるのとないのとでは、外壁に当たる雨や日光の量がかなり違ってきます。
僕たち人間も、雨が降った時や日光が強い時は傘や日傘を差すと思います。逆に傘を差さないと雨に濡れて風邪をひいてしまったり、日傘を差さないと紫外線でシミができたりと、劣化が早く進んでしまいます。
外壁も同じように、軒や軒天があることで雨や日光から外壁を守っているのです。
外壁にとって、雨(水分)や日光は大敵です。水分が長い間外壁に付着すると、苔・カビの発生や外壁への侵入、さらには雨漏りにつながります。また、日光に晒され続けることによっても、紫外線によるチョーキングを引き起こします。
このように、軒天には、日光や雨による劣化の進行を遅らせる役割があるのです。
外壁の美観を保つ
上でも述べましたが、軒天があることで、外壁が雨や日光に直接晒される部分を少なくすることができます。
苔は水分の多い場所に好んで生息します。つまり、外壁にとって水分を含んだ状態というのは良くありません。
軒天がなければ雨水はそのまま全て外壁に当たる形になりますが、軒天があれば外壁に当たる雨水の量を少なくすることができます。
日光も同様です。下の写真のように色褪せていると、チョーキングが起こって全体的に見栄えが良くありません。
つまり、軒天があることで、苔やカビ、雨垂れ、チョーキングなどの発生を防ぎ、外観をきれいに保つことができるのです。
・お家の軒下天井の劣化状況が気になる方
・お家の塗装のタイミングが気になる方
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軒天の種類
軒天は、サイディング壁の家に使われる「ボード」とモルタル壁の家に使われる「外壁一体型」の、二つのタイプに分けることができます。
モルタル壁の場合は、外壁材と同じ素材で仕上げられる「外壁一体型」になることが多いため、ここでは「ボード」の種類について説明していきます。
↓ボード型
合板・ベニヤ板
合板・ベニヤ板(カラーベニヤ)とは、築30年を超える昔ながらの住宅でよく用いられていた軒天です。施工性が高く安価であるというメリットがある一方で、耐久性や耐水性、耐火性に劣るというデメリットがあるため、近年ではほとんど用いられていません。
そのため、現在合板・ベニヤ板を使っているという方は、安全性の面から考えて、現在主流となっているケイカル板に張り替えることをお勧めします。
ケイカル板(けい酸カルシウム板)
ケイカル板は、現在最もよく使われている軒天の素材です。
少し昔のケイカル板にはアスベスト(※)が含まれている可能性があったり、カラーベニヤに比べると料金は少し高かったりするというデメリットはありますが、耐火性や耐水性、断熱性に優れていたり、デザイン性やカラーバリエーションに富んでいるというメリットがあるため、近年では最もよく使われています。
※アスベスト・・・天然に産する繊維状けい酸塩鉱物。肺線維症や悪性中皮腫を引き起こすと言われている。
関連記事:わが家の壁にもアスベストが!?
金属(スパンドレル)
これは金属製の軒天の一つで、ビルやマンション等の比較的大きな建物の軒天として使用されています。
エクセルボード
これは、主にハウスメーカーで使われている軒天材で、「スラグ」と呼ばれる鉱物の一種に石膏を混ぜて作られていることから「スラグ石膏板」とも呼ばれています。耐火性や断熱性に優れているというメリットがありますが、ケイカル板と比べると耐水性に少し劣るというデメリットもあります。価格はケイカル板と同じくらいと考えて貰えば問題ないです。
フレキシブルボード
スレート、スレートボード、セメント板とも呼ばれ、セメントと補強繊維から作られたボードです。
衝撃や湿気に強いため、経年劣化による反りなどが起こりにくいというメリットがあります。
軒天材の中では最も高価な建築材の一つです。
軒天の劣化症状
ここまで、軒天には延焼を防ぐ役割や雨、日光から外壁を守る役割、外壁の美観を保つ役割があること、そして5つの種類の素材に分かれることをお話ししてまいりました。
これからは、軒天の具体的な劣化症状をご説明していきます。この記事をご覧の皆さんがご自分で確認して、塗装のタイミングを見分けるのにご活用いただければ幸いです。
雨染み
これが最もよく見られる劣化症状です。下の写真のように、軒天に染みのようなものが見られる場合は雨染みと考えた方がいいと思います。
原因としては、軒天の塗膜が劣化して耐水性が低下したことや、屋根の一部などから浸水して、軒天にそのシミが表れているというケースがあります。屋根からの浸水の場合、室内の雨漏りにつながる危険性もあるため、早急な対処をすることをお勧めいたします。
苔・カビ・黒ずみ
これもよく見られる劣化症状です。軒天は湿気がこもりやすいため、苔やカビ、黒ずみが発生しやすくなります。早急な処置が必要というわけではありませんが、長期間放置すると雨漏りにつながる危険性があるため、早めのうちに業者に相談するなど、塗装のことを視野に入れておくことをお勧めします。
塗膜の剥がれ
下の写真のように、塗膜の一部が剥がれてしまうケースもあります。この場合は、劣化の程度が軽ければ塗装のみで十分ですが、あまりにも剥がれや劣化の具合がひどい場合には張り替えが必要になる場合もあります。
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軒天の劣化を放置した場合に起こりうる被害
軒天の劣化を放置した場合の被害として最も考えられるのは、屋内の雨漏りにつながるということです。
軒天に雨漏りの跡が見られるということは、屋根などの防水シートが劣化していて、そこから水が入ってきているということが考えられます。そして、今は軒天からの雨漏りにとどまっていますが、放置すると屋内への雨水の侵入も十分考えられます。
屋内の雨漏りになると、また修理費用がかかってしまうため、そうなる前に処置を施しておくことをお勧めします。
【劣化症状別】軒天の補修方法
ここまで、軒天の役割、種類、そして雨染みや黒ずみ、塗膜の剥がれなどの劣化症状があることをご説明してきました。
ここからは、そのような劣化症状が起こった場合にどういった補修をする必要があるのかについて説明していきます。
軒天の塗装
劣化の具合が比較的軽度な場合に行います。下塗り、中塗り、上塗りと、3回塗りを行うことで新たな塗膜を作り、劣化が進行しないようにします。
軒天の重ね張り(軒天カバー工法)
既存の軒天の劣化状態が、下地として機能できる程度のものであれば、既存の軒天の上から新たな軒天を重ね貼りします。張り替えに比べて古い軒天を取り除く手間が省けるため、工事費用は比較的安価で済みます。
軒天の張り替え
劣化の具合がひどく、塗装やカバー工法が使えない場合にこの方法を用います。既存の軒天を撤去して張り替えるという手間がかかるため、補修方法の中では最も費用がかかります。また、古い軒天でアスベストを含んでいる場合は金額がさらに割増されます。
軒天のリフォーム費用
費用は、軒天だけの修理を考えた場合、10万〜30万くらいを考えておいてもらえたら大丈夫だと思います。
劣化の具合やどのような修理方法を使うかによって大きく費用は変わってきますので、詳しくは近くの塗装業者に相談してみてください。
ただし、軒天の塗装には足場が必要になるため、軒天だけを塗装するケースはほとんどありません。軒天が劣化している場合はその他の部分も劣化していることが多いため、家全体の塗装で軒天も塗装するというケースがほとんどです。
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軒天の施工事例
ここからは、弊社に塗装を頼まれたお客様の軒天の施工事例をご紹介していこうと思います。
佐賀市木原I様邸
施工前
施工後
施工の様子
佐賀市木原T様邸
施工の様子
佐賀市嘉瀬町S様邸
施工の様子
おわりに
いかがでしたでしょうか。
今回は、軒天の役割や種類、劣化症状、補修方法、補修費用についてご説明しました。
軒天は目立ちにくい場所ですが、皆様の大切なお家を守るのにとても大切な役割を果たしています。
この記事を読んで、軒天の役割や塗装の必要性などについて少しでもイメージを持っていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。