【塗料】ファインパーフェクトトップとは? 特徴やメリット、デメリット、比較、使用できる外壁について解説!
2021.08.01
目次
はじめに
皆さんこんにちは、佐賀市の外壁塗装・屋根塗装専門の工務店「サニー建設商事」の江川です。
外壁塗装をお考えの方の中には、外壁診断や見積書の依頼をしたことがある方や、地元企業のホームページ、施工事例などをチェックしていらっしゃる方もいると思います。
その時、見積書や施工事例に「使用塗料」の欄があるのをみたことはありませんか。
大抵の見積書には使用塗料が記載してありますし、業者によっては施工事例に使用塗料を記載しているところもあります。
塗料について知っておくと、業者が使っている塗料が適正かどうかを見極めることが可能になるため、悪徳業者に騙されずより良い業者を選ぶことができます。
これ以外にも様々な塗料がありますので、塗装を考えられている方は、塗料について知識を身につけておくことをお勧めします。
今回はその中でも、「ファインパーフェクトトップ」という塗料について、
どのような塗料なのか
メリットやデメリット
他の塗料との比較
使用できる外壁の種類
どんな人におすすめなのか
について説明していきます。
この記事は、
見積書や施工事例に「ファインパーフェクトトップ」と書かれてあるけど、なんのことか分からない
塗装をするときに、良い業者を選べるように、塗料についても知っておきたい
という方に向けて書いています。
当てはまった方は、ご一読して良い業者選びに役立ててもらえれば幸いです。
それでは参りましょう。
ファインパーフェクトトップとは?
はじめに、ファインパーフェクトトップの概要を説明します。
ファインパーフェクトトップとは、塗料の3大メーカー(※)のひとつである日本ペイントが2012年9月25日に販売を開始した塗料で、比較的新しい塗料になります。
※塗料の3大メーカー・・・日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研
その他の価格相場や単価相場、耐用年数などについては以下の表に記載しています。
この塗料は生産開始から年数がまだあまり経っていませんが、多くの業者が使用している塗料のひとつです。また、塗料の分類としても、1液ラジカル制御型塗料に分類され、シリコン塗料よりもグレードが高いため、品質としても信頼できるといえます。
1液ラジカル制御型塗料とは
先程の表の一番下の欄に、「1液ラジカル制御型塗料」と記載してありましたが、これはどういう意味なのでしょうか。これを説明するには、言葉を「1液」と「ラジカル制御型」に分けて説明する必要があります。以下、それぞれの意味について説明していきます。
1液とは
塗料は、「1液型」と「2液型」に分類されます。
この二つの違いは、塗料が1つの缶にまとまっているか、二つの缶に分けられているかです。
前提として、塗料は「主材」と「硬化剤」から構成されています。液状である主材に固体である硬化剤を入れて混ぜ合わせることで硬化反応が起こり、耐久力の高い塗膜が作られます。これが、元から混ぜ合わせた状態か(1液型)、別々の缶で分けて保管するか(2液型)の違いです。
関連動画:【外壁塗装】塗料の1液型と2液型ってなんなの?塗装屋が解説!
ラジカル制御型とは
ラジカル制御型とはその名の通り、ラジカルを制御する、抑制する塗料のことです。
ラジカルとは何かというと、酸素や紫外線、水などが顔料に接触することで発生する
劣化因子のことを言います。
このラジカルが発生しないように抑制してくれる塗料が、ラジカル(制御型)塗料です。
【関連動画】
他の塗料との比較:耐久年数・グレード
ここまで、ファインパーフェクトトップは日本ペイントが生産販売した塗料であること、1液ラジカル制御型塗料であることを説明しました。ではここからは、他の塗料と比べて耐久年数や価格、グレードはどうなのかについて説明していきます。
ファインパーフェクトトップの1番の特長は、シリコン塗料と同等の価格帯で耐久年数がシリコン塗料よりも長いという点です。
コストパフォーマンスの点で比べても、パーフェクトトップは最も優れています。
外壁塗装は決して安くはありません。安くしようと思っても、足場代や人件費などは節約しづらいと思います。ですから、こういった塗料のコストパフォーマンスのところで拘って、長い目で見て、安く済むようにすることをオススメします。
上の表には「パーフェクトトップ」と記載しましたが、パーフェクトトップの商品には4種類あります。
表の一番上のパーフェクトトップは、パーフェクトトップシリーズの中でも最も標準的な塗料で、2012年に発売されました。
水性塗料(希釈材に水を用いている)ですので、匂いがきつくありません。
また、塗料の外壁への乗りがよく飛散しにくいため、施工性に優れている、という特長があります。
パーフェクトトップローズは、標準的なパーフェクトトップの塗料に、バラの香りのする香料を添加したものです。
いくら水性塗料といっても、多少のシンナーの匂いや塗料独特の匂いがしますが、パーフェクトトップローズはバラの香りがするため塗料の匂いが苦手だという方や、ペットや小さいお子さんがいらっしゃる方などでも安全に施工することができます。
パーフェクトセラミックトップGは、パーフェクトトップの中でも最もグレードの高い塗料で、フッ素系塗料以上の耐久性を誇っていて、この4種類の中でも最も耐候性に優れています。
無機系の塗料ですので、紫外線に強い、チョーキングが起こりにくいなどのメリットがあります。
ファインパーフェクトトップは、この4種類の中では唯一の油性塗料です。
水性塗料と油性塗料の違いは、希釈材に水を使っているか(水性塗料)、シンナーを使っているか(油性塗料)です。
油性塗料はシンナーを使っている分匂いはきつくなりますが、耐久性には優れています。
また、仕上がりの美しさも特長のひとつです。
関連記事:【外壁塗装】水性塗料と油性(溶剤)塗料の違い、メリットデメリットを解説。
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ファインパーフェクトトップのメリット
続いて、ファインパーフェクトトップのメリット、デメリットについて説明します。
ファインパーフェクトトップは信頼できる塗料と考えて間違い無いですが、どんな塗料にもデメリットはあります。
そこも含めて説明していきますので、塗料選びの参考にしてみてください。
まずは、メリットから説明していきます。
コスパがいい
ファインパーフェクトトップの1番のメリットは、コストパフォーマンスに優れていることです。シリコン塗料と同等の価格でそれよりも優れた耐用年数ですので、程よい値段で長い耐久年数を実現しています。ですので、コスパを重視したい方にはおすすめの塗料です。
チョーキングが起きにくい
ラジカル制御型塗料のメリットとして、チョーキングが起きにくい、という点があります。
チョーキングとは壁に触れると白い粉がつく現象のことで、「白亜化現象」とも呼ばれます。
この現象が起こる原因が、先ほどから説明している「ラジカル」になります。
その原因であるラジカルが制御されるということは、必然的にチョーキングも防げるということになります。
関連記事:壁に触ると手につく謎の「白い粉」の正体
関連動画:【外壁塗装】手に付くあの白い粉の正体・・
低汚染性・防カビ・防藻
ファインパーフェクトトップは、先ほどから繰り返し述べているラジカル制御の機能で外壁の劣化を抑制することができます。
チョーキングだけではなく、カビや藻、苔の発生も抑制してくれます。
チョーキング現象や藻・苔の発生が起こると、全体的に色褪せて見えたり、見た目が悪くなったりしがちです。
ですが、ファインパーフェクトトップはこれらの発生を抑えてくれるため、他の塗料に比べて、年月を経ても外壁を綺麗なままに保ちやすいです。
色と艶の種類が多い
ここでもう一度、ファインパーフェクトトップについての表を見てみてください。
「つや」の項目を見ると、つや有り、7分つや有り、5分つや有り、3分つや有りの4種類があることが分かります。
これは、外壁の光沢の程度を細かく調整できるという意味です。
艶があれば新築のように見え、汚れがさらに付きにくくなります。
逆に艶がなければ、高級感を演出できたり、落ち着いた雰囲気を出せたりします。
また、色についても、ビビッドカラーから暖色系、ブラウン系まで、40種類以上の色があります。
このように、お客様の実現したい家のイメージに合わせて、色や艶を調整できるのは、大きなメリットだと言えます。
結露・雨漏りに強い
パーフェクトトップは、透湿性が高いというメリットがあります。
透湿性とは水蒸気を外に出す性能のことで、この性能があることで、水が壁面に付着しても、建物内に水分を溜め込むことなく通気性の高い建物にすることができます。
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ファインパーフェクトトップのデメリット
ここまでメリットについて説明してきましたが、もちろんデメリットもあります。
この塗料を選ばれる際は、デメリットも理解した上で決定することをオススメします。
新しい塗料であるため実績に乏しい
ファインパーフェクトは、2012年に日本ペイントによって販売されました。
塗料の耐久年数は12年〜16年としていますが、まだ販売から9年しか経っていないため、
本当にそれだけ保つのか断言ができません。
ですが、3大メーカーのひとつである日本ペイントが販売しているということで、多くの企業は信頼して使用しています。
濃色系の外壁ではラジカル制御の効果が薄くなる
ラジカル制御型塗料の効果が発揮されるのは、白やアイボリーなどの、淡い色の外壁です。
ラジカルとは、紫外線や酸素、水などが酸化チタンという顔料に接触することで発生する劣化因子のことですが、この酸化チタンは、濃色系の塗料にはあまり入っていないため、その分ラジカルの発生量も元からあまり多くありません。
そのため、濃色系の外壁にファインパーフェクトトップを使っても、ラジカル制御の効果が薄くなる、という点があります。
ですが、濃色系の外壁ではそもそもチョーキングが起こる可能性が低いため、ラジカル制御の効果が薄くなるからといって、外壁が色褪せやすくなる、ということではないため安心してください。
以上を踏まえると、濃色系の外壁の家に住まわれている方は、必ずしもラジカル制御型塗料にする必要はないと思います。
パーフェクトトップが使える外壁の種類
ご覧の通り、ほとんどの外壁材に使うことができます。
ですから、ほとんどのお客様は問題なく使用できると考えていいと思います。
どうしても心配な方は、近くの専門業者に聞いてみてもいいかもしれません。
どんな人におすすめ?
これまでの説明を踏まえて、ファインパーフェクトトップがどのような方におすすめできるのかについて説明していきます。
チョーキングを防ぎたい人
先ほども説明した通り、ラジカル制御型塗料はチョーキングを起こしにくいという性質を持ちます。
ですので、
チョーキングによる色褪せをできるだけ防ぎたい
という方は、ファインパーフェクトトップがおすすめです。
長持ちする塗料を選びたい
ファインパーフェクトトップは、コスパがよく、程よい値段で長く持たせることができます。
ですので、
長く住む家で、塗装回数を減らしたい、長持ちさせたい
という方には、おすすめできる塗料です。
汚れにくい外壁にしたい
ファインパーフェクトトップは、低汚染性や防カビ性、防藻性を持っているため、他の塗料に比べて汚れにくいというメリットを持ちます。
ですので、
見た目の綺麗さを保ちたい
汚れが付着しないようにしたい
という方は、ファインパーフェクトトップを使用することをお勧めします。
外壁の艶にこだわりたい
ファインパーフェクトトップは、艶の種類が4種類から選べます。
ですから、例えば高級感のある家にしたいという方は3分つや有りにする、新築のようなピカピカした家にしたいという方はつや有りにするなど、
艶の調整にこだわりたい
という方には、ファインパーフェクトトップはお勧めです。
メンテナンス費用を節約したい
ファインパーフェクトトップは、他の塗料に比べてコスパが良いです。
確かにパーフェクトトップの中には、ファインパーフェクトトップよりも値段が安い塗料はありますが、長い目で見て一番費用が安く済むのはファインパーフェクトトップです。
おわりに
みなさん、いかがでしたでしょうか。
少し長くなりましたが、ファインパーフェクトトップがどんな塗料か、どんな方にお勧めか、メリットやデメリットなどについてお話しして参りました。
この記事を読んで、塗料について少しでも知識が増えたと思っていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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