外壁塗装での断熱効果について
2020.07.28
外壁や屋根を塗装することで断熱効果を得ることができる、様々な断熱効果をアピールしている塗料が出ています。
しかし、塗料による断熱効果を本当に実感できるのはごく一部です。しっかりと外壁塗装の断熱に関する知識を得ておきましょう。
外壁塗装で断熱するためには
外壁塗装で断熱するには、まずは断熱効果のある塗料を使う必要があります。日進産業「ガイナ」、菊水化学工業「クールテクト」、OKUTA「ロハスコート」、ライツインターナショナル「キルコート」、エヌジーシー「アディバ(ADIVA)」、アペティー「アトモス」などです。これらは各メーカーが実験で出しているとおり、塗る事によってある程度の断熱効果を得ることができたという塗料です。
それを、信頼されている大手メーカー、関西ペイントが提唱している「Zウォール工法」という断熱工法を用います。これは壁全体に分厚い塗料を塗る事で、家の中に熱が入りづらくするものです。夏だけではなく、冬の寒さにも効果があります。
塗料を塗る時は一般的に0.3mmほどの厚さで塗りますが、そのZウォール工法の場合、塗る塗料の厚さは全部で5~8mmもあるので、一般的な塗料だけの断熱よりも効果が全く違います。分厚いと言う事で、音も壁を通過しづらくなるので、遮音効果も高いです。これくらい厚塗りであれば、ある程度の断熱効果は期待できるかと思います。しかし、1mm前後の塗料を塗っただけでは、どのような特殊な塗料を塗ったとしてもそこまで断熱効果を得られないのが正直なところです。
外壁塗装・屋根塗装だけでは断熱は難しい
結論として、外壁や屋根に断熱塗料と言われる塗料を塗るだけでは、断熱効果を得ることは難しいです。今現在あるどのような優れた塗料を使用したとしても、厚さが1mm程度では熱はどうしても伝わるので、外の熱が壁を伝ってくるのは仕方がないことなのです。
「中空の真空のビーズがたくさん入っている塗料だから、熱を通しづらい」というセールストークがありますが、塗料である以上、樹脂の部分が存在します。その樹脂の部分を伝って熱が移動するのでどうしようもないです。
例えば40年、50年前に建設された断熱材が全く入っていない家の場合は、外の熱がダイレクトに中に伝わるので、違いを感じやすいとは思います。しかし、エアコンがいらなかったなどは誇張表現である場合が多いです。
断熱塗料の誇張表現に注意
塗料による断熱というのはそこそこの程度のもので、断熱材などの本格的断熱工事に比べれば断熱効果は低いということをしっかりと認識しておきましょう。
断熱は住む人にとって重要な要素ですが、それを塗料でアピールしてくる業者さんには注意すべきです。
もともと、家はそれぞれ日光の当たり方など、熱事情は全く異なるので、断熱塗料を塗った場合、塗らなかった場合というものの比較は難しいです。結局は住んでいる人がどう感じるかという事になります。
メーカーや外壁塗装業者のホームページの口コミはもちろん良い口コミしか載っていないので「クーラー代が安くなった」「冬の灯油代が安くなった」などの口コミが多いですが、匿名の掲示板や知恵袋では「あまり効果がなかった。高い買い物だった。」などの口コミもあるので、どちらを参考にするかということになると思います。
総合的に考えて、断熱を重視されるのであれば、塗料で断熱を考えずに、しっかりと予算をかけて断熱工事をした方が良いでしょう。